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アニメで「死ぬこともある存在」だと明かされたポケモンは、命の犠牲を必要とせず命の大切さを学べる教材となったということ

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生命情報保存研究所 @rodan670

先日放映されたアニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」スペシャルは、ムーランドという犬に似た形態のポケモンが、老衰のためにどうやら死んだのであろうということを限りなく匂わせる演出がとられる、衝撃的な内容となっていた。

2017-04-08 18:04:06
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ポケットモンスター20年の歴史の中で、登場するポケモンが死に面するという展開はほぼ皆無に近かったといってよく、視聴する側の立場としては、ポケモンという存在と死という現象は、直接的に結びつくものではなかった。

2017-04-08 18:09:47
生命情報保存研究所 @rodan670

しかし今回のエピソードにより、ポケモンもまた死を免れ得ぬ存在であることが明らかとなった。もちろん、生き物であれば死という現象から無縁でいられないことは間違いない。しかしポケモンは現実世界の生き物をモチーフとした形態、性質を有し、あくまで生物然として行動してはいるものの

2017-04-08 18:12:55
生命情報保存研究所 @rodan670

我々が通常知るところの「生き物」「野生生物」とは明確に異なる点を複数個有している。まず第一に、モンスターボールと呼ばれる、手のひらに収まる程度の球体に、光と化して出入りすることができる。体長数メートルを超える種類であっても関係なくボールに捕らえられるため

2017-04-08 18:21:14
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どこか物理法則を超越した部分のある(情報化されうる)生物であるような印象を受ける。ポケットモンスターの世界の人間たちは、ポケモンを「動物」などとは呼ばず「ポケモン」という特別な名で呼称する。ポケモンには虫型のものから恐竜型のものまで極めて幅広い種のものが存在しているため

2017-04-08 18:28:39
生命情報保存研究所 @rodan670

「ポケモン」という呼称はある特定の種、属、科ではなく、情報体のような姿に変化してモンスターボールに収まる余地を有した者達を指すカテゴリ名であるのだろうと推定される。

2017-04-08 18:33:57
生命情報保存研究所 @rodan670

第二にポケモンは比較的スムーズに怪我から回復する。ポケモンバトル中に大きなダメージを負っても、すぐモンスターボールの中に戻し、あるいはポケモンセンターに連れて行けば、時間はかかっても全快が期待できる。

2017-04-08 18:39:51
生命情報保存研究所 @rodan670

この工程を経ても、ダメージの大きさゆえ死亡してしまっただとか、あるいは後遺症が残ったというような描写は見られない。モンスターボールに戻った後のポケモンは、はやり物理的実体を有した存在からは一歩退き、情報体、データとして修復されているような側面を見せる。

2017-04-08 18:41:16
生命情報保存研究所 @rodan670

そのため、野生生物を拉致監禁し人間側の都合で闘わせているような部分もあるポケモンバトルであっても、残酷な動物虐待ショーには映らない。ポケモンが負傷という、生物固有の生々しい現象から一定レベルで隔離されているためである。

2017-04-08 18:44:02
生命情報保存研究所 @rodan670

第三に、ポケットモンスターの世界では、人間がポケモンを食べるシーンが見当たらない。向こうの世界の住人も、人である以上は何か他の生物の肉体を摂取しなければ生きていけないはずであるが、ポケモンがその獲物と化していることを匂わせるような描写はほぼない。

2017-04-08 18:53:00
生命情報保存研究所 @rodan670

ポケモンの世界にも、通常の草木(くさタイプのポケモンではない)が覆い茂っているところから、我々の世界に見られるような「通常」の動植物も存在しているものと推定される。ならばポケモン世界の住人は、これら「通常」の動植物を我々と同様に捕食する傍ら、

2017-04-09 09:09:06
生命情報保存研究所 @rodan670

なぜかポケモンに関してはこれらと区分けし、食材としての認識を一切有していないのではないかとも考えられる。

2017-04-09 09:11:55
生命情報保存研究所 @rodan670

第四に、ポケモンには人間の言葉や感情を明確に理解する知能と、これに応じる表現力が備わっている。

2017-04-08 18:55:21
生命情報保存研究所 @rodan670

第五に、ポケモンは一定の経験を踏むと、光を発しながら別の形状に一瞬で変化する。作中「進化」と呼ばれる現象である。「進化」という用語は本来生物が子孫を残し、世代交代を繰り返す中で、受け継がれた遺伝子が除々に変異し、

2017-04-08 19:01:31
生命情報保存研究所 @rodan670

気づけば先代とは異なる形態、性格を有していた、という現象を指すものであるため、同一固体の単一世代内における変異は厳密に言えば「進化」ではないのだが、あくまで類似した事が起きているとするのならば、

2017-04-08 19:04:41
生命情報保存研究所 @rodan670

ポケモンは光を放ちながら一瞬で自らの遺伝子構造を作り変え、別な形状に変化する能力を有していることとなる。さらにこの「進化」は、例えその兆しが生じようともトレーナーやポケモン自身にこれを拒む(今の形態にとどまりたい)という意思があれば、その意思の働きによりキャンセルすることもできる

2017-04-08 19:06:26
生命情報保存研究所 @rodan670

このような数々の特性を見ていったとき、ポケモンは「動物」よりもむしろ「妖精」に近い。そこからはポケモンが怪我や被食捕食、そして死という、生き物であれば逃れることのできない生々しい事象から、独立して存在できているのではないかという期待が生まれる。

2017-04-08 19:10:09
生命情報保存研究所 @rodan670

この期待が事実のものであれば、ポケモンは生き物の容姿、性格を有しながらも生物固有の不幸とストレスにさいなまれることなく、ただかわいがることのできる理想的な愛玩の対象となりうる。しかし今回のアニメポケットモンスターは、少なくとも不死の部分に関しては否定した。l

2017-04-08 19:15:53
生命情報保存研究所 @rodan670

ポケモンのアニメが開始されて20年目にようやく突きつけられたこの事実により、視聴者は以後、「ポケモン=死ぬこともある存在」として認識の変更を余儀なくされる。アニメ、あるいはゲーム内で、ポケモンが重症を負ったとき「ひょっとしてこれはこの個体の死につながるのでは」などという不安が

2017-04-08 19:28:24
生命情報保存研究所 @rodan670

心のどこかに生まれてくることとなる。ポケモンはもはやただ都合がいいだけの愛玩の対象ではなくなった。ただこのストレスは、「ポケモンを通じて命の大切さを理解できるようになる」という一つのメリットを生む。

2017-04-08 19:29:44
生命情報保存研究所 @rodan670

「我が子に命の尊さを理解させたい」とする教育目的でペットを飼い始める保護者は少なくない。しかしこのスタンスを額面どおりに解釈すれば、保護者はペットの怪我や死等の不幸を最大の目的としていることとなる。

2017-04-08 19:32:49
生命情報保存研究所 @rodan670

また生き物を飼育するのは簡単な事ではない。犬や猫等、多くの獣医が対応可能なメジャー種であれば、飼い主にきちんと病院に連れて行くだけの心積もりさえあれば、いざペットの身に何かあっても最善を尽くしてやることはできるが

2017-04-08 19:35:46
生命情報保存研究所 @rodan670

爬虫類等のマイナー種、ひいては獣医といえど手の施しようがない魚、虫などともなると、ただ苦しみ死に向かう様を眺めるしかない。そうなった原因が、生き物を教育上の素材としか見なさない保護者の雑な飼育管理体制にあったということも往々にしてありうる。

2017-04-09 09:18:48
生命情報保存研究所 @rodan670

このストレスに直面し、子供は嘆き悲しむかもしれないし(悲しまないかもしれない)、命の尊さを理解するかもしれない(しないかもしれない)が、それにより習得した命の大切さに関する知見を、一体どの現場で役立てるというのか?

2017-04-08 19:41:40
生命情報保存研究所 @rodan670

むしろ役立てなければならないのは、今まさに生き物を飼育しているこの瞬間ではなかったのか?にもかかわらずいざ命の価値を理解できた際に、その素材とされたペットはすでに重篤な状況にあるのである。

2017-04-08 19:43:37