日本はなぜデフレに陥ったのか?

日本がデフレに陥ってからかなりの時間がたつ。そのきっかけはなんだったのか、考察してみた。
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shinshinohara @ShinShinohara

日本はなぜ長期にわたるデフレに陥ったのか?それは、100円ショップとユニクロが鍵になると考えている。この二つの企業形態は、日本国内に海外の物価体系を導入することになり、それに追随する企業が続々と現れることを許し、慢性的なデフレを起こすきっかけとなった。

2017-04-10 06:18:53
shinshinohara @ShinShinohara

100円ショップとユニクロが「容認」される前、海外の安い物価体系を国内に持ち込もうとする企業は徹底的に叩き潰されていた。たとえば石油を独自に輸入し、販売まで一気通貫して消費者に安くガソリンを販売しようとした企業は、叩き潰された。日本の価格体系を破壊する恐れがあるとして。

2017-04-10 06:25:17
shinshinohara @ShinShinohara

静岡発祥のスーパー、ヤオハンは、本社をシンガポールに置こうとして潰された。銀行から融資を受けられなくなり、資金繰りがショーした。本社機能を海外に移転し、法人税逃れするような企業を日本は許そうとしなかった。政府の「日本の利益を守ろう」という意思は当時、強烈だった。

2017-04-10 06:29:18
shinshinohara @ShinShinohara

ところがバブル崩壊以降、数年にわたって景気が浮揚しないことに政府は不安と焦りを覚え始めた。阪神大震災が起こり、「このままではいけない」という危機感が日本を覆ったことも背景にあるのかもしれない。96年、97年あたりから100円ショップとユニクロが新聞紙面でもてはやされるようになる。

2017-04-10 06:32:25
shinshinohara @ShinShinohara

100円ショップもユニクロも、海外の安い労働力で人件費を極力下げ、それにより商品の価格を破壊的に下げ、ライバル企業が決して勝てないような価格競争に持ち込む戦法だった。当時、800円はしたペンチが100円に、1500円はしたTシャツが300円に下落した。

2017-04-10 06:35:00
shinshinohara @ShinShinohara

海外の価格体系を導入するこれらの商業体系を政府が「容認」したことによる破壊力はすさまじかった。ペンチを作る中小企業は800円の小売価格でギリギリの経営だったのに、100円になってしまっては従業員を雇えない。経営を維持するため、海外に工場を移転する動きが一気に加速した。

2017-04-10 06:38:31
shinshinohara @ShinShinohara

1500円したTシャツが300円で売られては、衣料の小売業もわずかな収益しか得られず、生活できなくなる。そうでなくても苦しかった衣料関係の企業は次々に倒産、廃業に追い込まれた。事実上ユニクロの一人勝ちで、生き残れたのはユニクロが手掛けようとしないブランドや年寄り、子ども向けだけ。

2017-04-10 06:41:54
shinshinohara @ShinShinohara

海外で生産して日本に商品を持ってくれば、非常に安く商品を販売でき、ライバル企業を出し抜ける。100円ショップやユニクロをほめそやす新聞紙面を見ても、政府がその動きを阻止する気配はない。ならば、ということで、ありとあらゆる企業が海外生産、海外移転を開始した。

2017-04-10 06:44:15
shinshinohara @ShinShinohara

海外で生産し、日本国内で売るということは、海外の価格体系を日本国内に導入する効果がある。製造メーカーは、ペンチを100円で作れなければ生き残れない。Tシャツを300円で作れなければ生き残れない。結果、日本人を雇うことなどできなくなり、工場を海外に移転するほかなくなった。

2017-04-10 06:47:15
shinshinohara @ShinShinohara

終身雇用がぐらつき、派遣労働が増えたのも、「海外の価格体系」を日本国内に導入したことが大きい。あまりに安すぎる海外の価格体系は、日本人を雇用することを「高コスト」と感じさせるようになった。できれば雇いたくない、というインセンティブを日本企業に植えつけてしまった。

2017-04-10 06:49:50
shinshinohara @ShinShinohara

雇用が不安定化するのを助長したため、消費者は生活防衛のため、ますます安い商品に手を伸ばすようになった。なんとか踏ん張って雇用を守ろうとした企業も体力を失い、海外への移転を余儀なくされた。こうして日本から雇用と経営体力が失われ、海外に技術流出することを許してしまった。

2017-04-10 06:52:05
shinshinohara @ShinShinohara

100円ショップやユニクロを優良企業としてほめそやす戦略に出てしまったことは、今となっては痛恨事だったかもしれない。海外の安い物価体系を持ち込んだ結果、日本では雇用が失われ、工場を海外に移転し、働き口を失った国民は貧しくなった。ダムを破壊するアリの一穴となってしまった。

2017-04-10 06:57:52
shinshinohara @ShinShinohara

対照的に、ヨーロッパは海外の安い商品をシャットアウトし、高い物価体系を維持、その結果、高い報酬を得られる雇用体系を維持し、高い購買力を誇る消費者を維持し、高い経済力を維持することに成功した。スイスの平均年収は900万を超え、日本は400万円台と、半分以下になってしまった。

2017-04-10 07:00:36
shinshinohara @ShinShinohara

ダムによる水力発電は水位の落差を高く保つことで成り立つ。なのに日本は100円ショップとユニクロをモデル企業に選んだことで、ダムの水位を低い水位に合わせる選択をしてしまった。経済的優位を失う行為であったということを、当時の経済産業省は理解していたのであろうか?

2017-04-10 07:04:03
shinshinohara @ShinShinohara

すっかり競争力を失った今、アメリカを見習って鎖国的政策を選んでももう遅い。技術は完全に海外に流出し、もはや海外の方が技術力が高い。日本は安っぽい国になったのだ。なにしろ海外の優秀な人材を雇おうとしても、1000万と400万では話にならないのだから。

2017-04-10 07:06:50
shinshinohara @ShinShinohara

ダムの水位を高く保つ(豊かな経済を維持する)には、流出量を抑え、流入量を増やすにしくはない。しかし日本はその逆をやってしまった。モデル企業を100円ショップとユニクロに求めたのは、いかにも大失敗だったと言える。

2017-04-10 07:08:50