【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」01】 荊州城に曹軍の先触れがやってきて、荊州国王劉琮にまもなく曹操が到着するため、城門を開いて出向かろと言ってきました。城壁にいた蔡瑁はすぐに支度をいたします、と返答。城門を清めお迎えの準備をするように部下に命じます。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」02】 国王に対して、曹軍の使者の態度がでかいですが、それはそれ、戦わずして降伏した荊州ならびに蔡瑁は弱い立場に追いやられているので当然のことと言えましょう。 ほどなく、大軍勢を引き連れた曹操が現れます。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」03】 城門では、幼い国主・劉琮や、その母である蔡瑁の妹、また蔡瑁らが神妙な面持ちで曹操が来るのを迎えます。曹操は鷹揚に出迎えご苦労であると言い、城内に案内するように言います。エスコートするのは蔡瑁です。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」04】 荊州の高官達が出迎える中、用意された席に座る曹操は、自分は至極満足だと言います。曹操に対する忠誠心を認め、劉琮はそのうちこの荊州の国王として正式に認めてつかわす、と言います。つまり、劉琮はまだ正式な国王とは認めてないわけです。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」05】 これは、正式な書類として、漢の皇帝から国王に任命するという書面が出されていない、手続きがすんでいないだけのことでしょうか。「そのうち」ということで「いつ」とは言っていないことに注意すべきですが、蔡瑁は素直に礼を言います。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」06】 ところで、と曹操は荊州の軍馬、金銀兵糧、兵船はどれくらいあるのか尋ねます。荊州の国力を図る意味でしょうか。蔡瑁は騎兵8万、歩兵20万、水軍10万、兵船は7000艘、金銀食籠の大半は江陵城に蓄えていると言います。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」07】 なるほど、よくわかったと言った曹操は、蔡瑁に水軍の大都督に任命します。驚く蔡瑁。降伏した将軍が、曹操軍の水軍のトップになることを命じられたわけです。ひれ伏して礼を言う蔡瑁。 また、曹操は劉琮に青州に行って青州を守るように言います。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」08】 劉琮は、自分は位はいらないから住み慣れたこの土地に置いてくれと言います。しかし、曹操は、青州は都に近い良い土地柄、大人になったら朝廷に行って官人にする用意だから黙って行けと言います。国王に対する扱いではないですね。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」09】 劉琮ははい、と答えるしかなく、うなだれて退席します。一通りやることを済ませた曹操は、今日はつかれたから皆さがっていいと、臣下たちを退室させます。夏侯惇が来て、蔡瑁のような男に水軍を任せるのか、と曹操の人事に異論を挟みます。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」10】 曹操は、お前も若いのう、と夏侯惇の浅慮を笑います。曹軍は北国の兵。野兵山兵が主体で、水軍の方、兵船の構造などを知る者はいません。つまり、呉攻略において必要となる水軍に長けた者がいないのが弱みです。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」11】 蔡瑁から水軍の法を学ぶまでは、奴を大都督に祭り上げておくほうが良い、という曹操の言葉に、夏侯惇も納得します。 ついで曹操は于禁を呼びます。はっ、と答える于禁。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」12】 曹操は、劉琮など用のない男だ。青州に行かせることもなかろう。と于禁に言います。何を言わんとしてるか、それを目力と口元で表現する曹操。要は察しろと。察した于禁はわかりましたと言います。冷や汗を流してますね。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」13】 さてと、と曹操はこの荊州の土地のまもりを固めねばならぬ、しばらくは将の配置に忙しいぞ、と言います。荊州の実質的な支配者として振る舞うと言ってるわけです。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」14】 劉琮と、その母は青州に向けて出発しました。幼い劉琮は、母に本当に青州に行かなければいけないのですか、と尋ねます。母は、曹操が大きくなったら青州王にしてあげる、という言葉を信じているようです。まだ。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」15】 知らない土地に行くのはいやだなあ、という劉琮を、すぐに戻ってこれますよ、と言う母。そんな一行の出発を確認した男が一人。于禁が放った斥候でしょう。于禁は劉琮が青州に向かったという報告を受けると、軍勢を引き連れ出発します。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」16】 夜になり、月を見上げる劉琮。もうすでに今まで住んでいたところを懐かしがっています。それを見た母は、将来荊州を背負って立つ人間なのだから、いつまでも女々しくしてはなりませぬ、と言い、明日に備えて休むように言います。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」17】 そこに、ドドドと地響きが。何事か、と護衛の兵士たちも思う間もなく、于禁達の軍勢が襲い掛かってきました。思わず助けを呼ぶ劉琮の母、しかし、于禁は有無を言わさずこの母を刺し殺します。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」18】 腰を抜かして動けない劉琮に対し、于禁は馬に乗ったまま、あなたを生かしておけばのちのち禍（わざわい）の元となる、お命をちょうだいいたすと言い放ちます。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」19】 いやだ、という劉琮に、容赦なく槍を突き出す于禁。一人も生かすなと、皆殺しを命じます。不意打ちで為す術もない劉琮の従者達は皆殺されてしまいます。全員片付いたことを確認した于禁。これで誰の犯行かわからぬ、と言って引き上げを命じます。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」20】 水軍の大都督に命じた蔡瑁の家族であるにも関わらず、劉琮とその母を暗殺を命じた曹操。蔡瑁も利用するだけ利用したら切り捨てる気満々です。ただし、あからさまに曹操が処断したということになると、荊州を治めるには都合が悪い。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」21】 そのため、自分では明確な命令は出さず、また于禁も誰の犯行かわからないように皆殺しをして目撃者を消したわけです。このような曹操の非情な仕打ちを予想できなかった蔡瑁ならびに妹の思慮が浅かったといえましょう。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」22】 とはいえ、仮に徹底抗戦をしたところで、蔡瑁の指揮では荊州城を維持するのは困難だと思われます。蔡瑁が前荊州王の劉表の意向を無視し、玄徳を排除し、身内可愛さのあまり劉琮を立てたことで、結局は破滅への道を歩むことになったのです。

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【横山光輝「三国志」講座124「暗殺指令」23】 実質的な荊州の支配者となった曹操が、次にいかなる行動に出るか。江陵に向かっている玄徳達は果たして…。続きはまた次回です。 今回はここまで。