Erotic Love 〜 side T 〜 透・中学一年

【R18】 中学へ進学した透は、初めて会った先輩に一目惚れ。彼にしては積極的なアプローチを始める。 女主人公、小夜子 視点の side S はこちら→ https://togetter.com/li/1101704
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Erotic Love 一覧

 
 

T-1. 一目見た瞬間

夢乃 @iamdreamers
中学の入学式も終わって一週間ほどが経過したその日の午後は、部活動紹介に充てられていた。入学前から部活を決めていた少数の友人と違い、僕はこの日まで、部活動のことなんて頭になかった。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
そんなことより、小学校のときは一学年二クラスしかなかったのにいきなり十クラスにもなって、同級生の名前を全部覚えられるのかな?とか、小学校のときと違って授業難しくなるのかな?とか、別の小学校から来た子たちと仲良くなれるかな?とかの方が重要だった。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
ほとんどの同級生もそうだったんじゃないかな? 僕はあんまり社交的な方じゃないから友達もそんなに多いわけじゃないけど、その数少ない友達や、周りから漏れ聞こえてくる会話の感じだとそんなに外れてないと思う。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「透はどこ入るかもう決めた?」 体育館に集められ、先輩たちが工夫を凝らした(んだろう。とてもそうは見えない部もあったけど)部紹介の合間の休憩時間に、新しく友達になった(こんなに早く仲良くなるなんて、僕にとっては非っ常に珍しい!)西尾毅が聞いてきた。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
毅は、僕とは対照的に実に社交的で、入学から数日しか経っていないのに、もうクラス内は勿論、同学年の殆どと、それなりに仲良くなっているらしい。そういう僕も彼とはなんとなく波長が合って、他の級友とはまだ苗字で呼ひ合う中、『毅』と名前で呼ぶようになっていた。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「まだ決めてないよ。もしかしたら入らないかも知れないし」 「なんだよ〜、入った方が絶対にいいぜ。特にお前みたいなクラい奴は。人脈は広いほうがいいぜ」 「ご忠告どうも。お前はどうせ女の子目的だろ?」 「それもなくはない」 ぬけぬけと言う。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
でも、こいつが言うと何故か嫌味がない。 「でもそれだけじゃないぜ? 同学年はどうとでもなるけど、上級生にも顔を広げたいからな。テストの時に有利だろ」 「今からテスト対策かよ」 「直前になって慌てても間に合わないからな」 #twnovels
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でも、テストのことは考えなかったな。確かに、先輩とパイプを作っておけば、過去のテスト問題とか入手しやすいだろう。毅の奴、何も考えていないようでいて結構抜け目がない。僕もどこかに入るかな。休憩も終わって、毅との会話はひとまずここまでになった。 #twnovels
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続く部紹介は、前半より真剣に聞いていたかもしれない。でも、ピンと来る部活動はなく、体育館を後にした。体育館から教室へ続く渡り廊下には、先輩たちが列を成して、勧誘に必死だった。 「野球部どう?入らない?」 「今人気のサッカー部へ!」 「動物好きなら生物部へ!」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
嬌声と勧誘のビラが飛び交う中、僕は適当に相槌をうちビラを受け取りつつ、教室を目指した。後でビラを見ながら検討しよう。 「・・・部、どうです?」 僕はまた、差し出されたビラを受け取った。ビラを持っている手は、細くて白い、綺麗な指をしていた。 #twnovels
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ふと顔を上げた視線の先に、彼女がいた。おさげにした長い髪を三つ編みにして、黒縁の眼鏡をかけた彼女が。身体に電流が流れた気がした。落雷に打たれたような、とはこういうことを言うのかもしれない。動きを止めて凝視する僕に、なにか?という表情を彼女は向けた。 #twnovels
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「つかささん、男の子に渡してどうするのよ!」 横にいた女の人に言われて、彼女はあっという表情を見せた。 「ごめんなさい。つい」 彼女の声は天上の音楽のように耳に響いた。 「いいんです。貰います」 僕は慌てて、引っ手繰るようにビラを持つ手を引いた。 #twnovels
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けれど、目は彼女から離せない。 「ありがとう」 そう言って微笑む彼女の顔は、まるで天使のように僕の瞳に映った。 「おーい、いつまでも立ち止まってられると、邪魔なんだけどー」 誰だか判らないがクラスメイトの声にはっとして、僕は慌てて先へ進んだ。 #twnovels
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教室へ戻るまでの間、僕は完全に上の空だった。何処をどう通ってきたのか、まったく覚えていない。ただ、人の流れに乗っていただけだ。 「おーい、どしたー」 目の前でひらひらと手を振られて、僕は我に返った。顔を上げると、小学校が一緒だった上原弥生がいた。 #twnovels
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内向的で奥手な僕には珍しい、女の子の友達だ。彼女も、毅に負けず劣らず社交的な性格をしている。内気なのに関わらず、どうしてこう、僕の友達は社交的なのが多いんだろう? いや、寧ろ逆か。互いに自分から声をかけられない分、内気同士は友達になりにくいのかも。 #twnovels
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ついでにもう一つ、このクラスには、同じ小学校から上がったクラスメイトは僕と彼女の二人しかいない。確率を考えると、一クラスに六〜七人は同じ小学校出身の奴がいてもいいはずなのに。そんなこともあって、クラスの中では比較的よく話す相手の一人だ。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「別になんともないよ。一遍にあれだけ部紹介されて頭ん中が混乱してるくらい」 その彼女、上原さんに、適当に答えた。『ビラを配ってた上級生を思い出して呆けていた』なんて言えるもんかよ。 「ほうほう。それでどっか入るの? もう決めた?」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
ずけずけと聞いてくる。 「ぜんぜん。もしかしたら入らないかもしれないし」 「そうなの? 入った方がいいと思うよ。上級生と仲良くなれるチャンスって言ったら、部活くらいしかないからね〜。綺麗な先輩とお近づきになれるかもよ?」 ドキッとした。 #twnovels
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こいつ、気付いているんじゃ、あるまいな。 「ほっとけ。そう言う上原さんはどこか決めたわけ?」 「考え中。バレーかバスケにしようかなぁ、とは思ってるけどね。見学してから決めるよ」 「絞ってはいるんだ。流石、他人の心配をするだけはあるね」 #twnovels
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「ま、ね。じゃ、他の人のところも回ってきますか」 そう言い残して、上原さんは風のように去って行った。相変わらず、忙しい奴。 でも、彼女の言ったことは自分でも考えないでもなかった。あの『つかさ』と呼ばれていた先輩と同じ部に入れば、お近付きになれるかも。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
というより、奥手な僕がとれる手段はそれしか考えられない。でもなぁ。僕は彼女に貰ったビラを見た。手芸部。多分、男子部員はいないだろう。流石にちょっと躊躇してしまう。でも・・・。また、彼女の姿を想像して自分の世界に入り込む。まさに、絶世の美女だった。僕にとっては。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
あのとき、体育館を出たところでビラを受け取ったときには、僕の理性的な部分は完全にぶっ飛んでいた。ただただ、彼女の美しい姿しか目に映らず、それ以外のことは考えられなかった。でも、冷静さの戻った今思い返すと、その容姿は十人並み、と思う。 #twnovels
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