加藤典洋さんのトランプ政権のシリア攻撃の新聞、TVでの論じられ方についてのつぶやきまとめ(20170411)

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加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道1:米国トランプ政権のシリア攻撃の新聞、TVでの論じられ方を見ていて思うのは、問題点の指摘、批判と、背景の解説が同じ平面で語られていること。両者を峻別することが必要だ。今回のミサイル攻撃の一番の問題点は、それが国際的、国内的に、ともに違法行為であることである。

2017-04-11 12:33:42
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道2:国際的には、アサド政権による化学兵器使用の確認調査も行われず、国連安保理での承認・決議も得られないままでの、自衛権の行使という理由も薄弱な単独の戦争行動である点で、今回のトランプ米国政権の攻撃は明白に国連憲章42条、51条に違反している。

2017-04-11 12:35:17
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道3:これは安保理の承認を得ようという努力をしたイラク攻撃時のブッシュ政権より悪い。二番目には、米国の議会での訴え、承認もへない、国内的にも違法な攻撃行動であることだ。湾岸戦争、イラク戦争、今回のシリアミサイル攻撃と、米国の戦争は段階的に「違法性」が拡大している。

2017-04-11 12:36:19
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道4:1991年の湾岸戦争は国連安保理の承認、戦争権限法・合衆国憲法の適用あり。国際的・国内的に適法。2003年のイラク戦争は国内的に戦争権限法によって大統領に戦争権限が「授権」されるも安保理の承認なく、国内的には適法だが国際的には違法。

2017-04-11 12:36:55
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道5:しかし2018年のシリアへのミサイル攻撃は国内的にも、国際的にも、違法。米国の1973年の戦争権限法は軍隊投入の事前、それが不可能な場合でも事後の議会への説明を義務づけているが、現在まで、これがなされているとの報道を見ない。国連憲章遵守の姿勢も見られず。

2017-04-11 12:38:56
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道6:これに対し、今回のミサイル攻撃は、トランプ政権の国内の支持率低下、対ロ融和疑惑の広がり、北朝鮮、中国への示威などのためだとの解説がなされている。間違いではない。こうした「解説」はあったほうがよい。しかしこのことと批判は別。問題点への「批判」がないと困る。

2017-04-11 12:39:37
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道7:それなしに解説はその行動への「理解」ひいては「容認」への「抜け道」となるからだ。

2017-04-11 12:40:05
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道8:昨日、NHKのNC9はシリアの民衆の困難、悲惨、悲劇ぶり、またサリンでもがき苦しむ赤ん坊の映像を、流した。しかし「おかしい」ではないか。シリアの惨状など、ここ数年、ほぼ無関心のままに来たのに。国内の災害でも、このところ遺体の映像は極力、写さないできたのに。

2017-04-11 12:40:37
加藤典洋 @ten_kato

批判と解説と報道9:〈批判〉がないと、〈解説〉は批判されるべき違法な行為を「理解」する糸口となり「容認」への抜け道を開く。〈報道〉が垂れ流し映像で人を動かし、その「容認」を「支持」へと誘導する水路となり、そしてその操作性を隠してしまう。時には目を閉じ、耳を塞ぎ、考えよう。

2017-04-11 12:41:26