たゆさいオリジナル妄想 『テシナプス』 第二話 『ロードノル』その2

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たゆさい @tayusai

たゆさいオリジナル妄想『テシナプス』第二話 『ロードノル』その2

2017-04-15 22:34:31
たゆさい @tayusai

ヒルデンでの会談から翌日。おたまとすくよは飛行機でロードノル国際空港に到着した。空港の滑走路は広い草原の中にあり、そして周囲は高さ数百メートルにもなる大樹が連なる大樹海が広がっている。1

2017-04-15 22:42:52
たゆさい @tayusai

ロードノルはその大気に漂うエーテルの作用により植物が異常発達した土地であり、ここに住む「エルト族」も独特の外見と文化を持つ。二人は空港に併設されてあるレンタカー屋で車を借り、樹木の間を縫うように作られた空中道路を走り、ロードノル大学へと向かう。2

2017-04-15 22:56:37
たゆさい @tayusai

「おい見ろよあれ。樹の上に街があるぜ」車を運転するすくよが大樹の枝にしがみつく様に建てられた建物と入り組んだ道路の数々を見て言う。「別にロードノルじゃよくある光景だろ。それにお前ここ初めてじゃねえだろ。驚く事か?」おたまは助手席で寝そべっている。3

2017-04-15 23:10:37
たゆさい @tayusai

「言ってみただけだよ。折角だから観光っぽい事しようぜ観光。人生楽しまなきゃ損だ」「目的忘れてんのかお前は? こちらはシリアスだぞ」「それでも楽しまなきゃって話だよ」二人は他愛ない会話をその後もしつつ車を走らせる。4

2017-04-15 23:17:10
たゆさい @tayusai

やがて太陽をも閉ざす樹海の中に穴が空けられたかの様に陽射しが差す場所が二人の前に現れた。その光の中心部に巨大な建造物がこれも枝の上にある。世界の魔術研究の本場、ロードノル大学だ。5

2017-04-15 23:29:00
たゆさい @tayusai

「ひひひ、そろそろ来ると思ってたよぉ二人ともぉ」駐車場の前で、白いロングカールヘアーからエルト特有の長い耳を出す白衣のエルト女性が、煙草を吸いながら手を振った。「あいつまだアレキメてるのか」おたまが煙草を見て苦言を漏らす。6

2017-04-15 23:38:08
たゆさい @tayusai

二人が降りるとその女の目のクマのひどさがよく見える。彼女の吸う煙草の麻薬成分が効いているようだ。「ライリちゃーん!」車から降りるやすくよはライリに駆け寄りぎゅっとハグした。「久しぶりだねぇ。元気ぃ?」「うん元気だよぉ。スーちゃんも元気そうだね」二人は仲よさそうだ。7 pic.twitter.com/os9nI96jgQ

2017-04-15 23:55:17
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たゆさい @tayusai

「あれが元気に見えるかよ」おたまは二人の後ろでぼやき、そして声かけた「おいあんたら。久々の再会の所悪いけどさ。さっさとここに呼んだ理由を聞かせろよ。デカい発見があったんだろ」「おたまぁ、ここはおめえ空気読めよ」すくよがおたまに向かいベーと舌を出す。8

2017-04-16 00:07:05