ユニバーサリズム 弘願 　～ナショナリズムとグローバリズムの統合～

広夢 @scidreamer

今から連続ツイートを始めます。テーマは「ナショナリズム」と「グローバリズム」についてです。

広夢 @scidreamer

2017年、世界は激動の中にある。イギリスが欧州連合（EU）からの離脱を決め、アメリカでは移民排斥を訴えるトランプ大統領が誕生した。いずれも、これまでの「グローバリズム」の流れに終止符を打ち、「ナショナリズム」を再興しようという気運が背景にある。

広夢 @scidreamer

過去の世界の歴史を振り返っても、「グローバリズム」が進んだ末に各国の内外で問題が蔓延し、各国が「ナショナリズム」に転換して各国の関係が悪化する、ということが繰り返されてきたとされる。先の世界大戦も、「グローバリズム」の破綻、「ナショナリズム」の急進によって起こったようだ。

広夢 @scidreamer

用語を説明すると、まず、「ナショナリズム nationalism 」とは、「自己の所属する民族や国家などの文化的共同体に対して、統一、独立、発展などを求める政治思想や運動」（Wikipedia）とされ、「国民主義」「国家主義」「国粋主義」「民族主義」等と和訳される。

広夢 @scidreamer

一方、「グローバリズム」とは、「地球上を一つの共同体とみなし、世界の一体化（グローバリゼーション）を進める思想」（Wikipedia）とされるが、これは実は「グローバリズム globalism 」と「グローバリゼーション globalization 」の混用となっている。

広夢 @scidreamer

「グローバリゼーション globalization 」は「社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象」（Wikipedia）とされ、「世界化」「国際化」「地球規模化」「地球一体化」と和訳される。

広夢 @scidreamer

一方、"globalism"は「地球主義」「世界主義」「汎地球主義」「地球共同体主義」「地球益主義」等と和訳される。すわなち、"globalism"は共同体思想を含意するが、日本の「グローバリズム」ではこの共同体思想が影を潜め、ほとんど「地球規模化」の意で用いられている。

広夢 @scidreamer

単に「グローバリゼーション globalization 」（地球規模化）を進めるだけでは"globalism"（地球共同体主義）とは言えない。地球共同体とは、経済だけでなく政治の統合も含意するものだからだ。日本でも諸外国でもこの点が忘却され、「グローバリズム」の弊害が生じた。

広夢 @scidreamer

アメリカでもイギリスでも、他の多くの先進国においても、国民はナショナリズム派とグローバリズム派に分かれて互いを非難している。ナショナリズムを推進するトランプ大統領にはマスメディアや著名人から非難の声が浴びせられ、一方でグローバリズムを擁護する彼らも人々から非難されている。

広夢 @scidreamer

ナショナリズムの問題点は、国家間や民族間の対立を生じることだ。ナショナリズムが行き過ぎて世界大戦に繋がった過去の歴史もある。 一方、グローバリズムの問題点は、国際競争や共同体の連帯喪失による国家間の不均衡や個人間の格差拡大、貧困だ。このためグローバリズムは支持を失った。

広夢 @scidreamer

ナショナリズムにもグローバリズムにも、それぞれに無視できない問題性がある。この対立する両者の一方を選ぼうとすることはおそらく間違いだ。これらは統合されなければならない。ナショナリズムとグローバリズムの統合とはいかなるものか？両者の利点を併せ持ち、両者の欠点を取り除くには？

広夢 @scidreamer

ナショナリズムの利点は、国民や民族の連帯を重んじ、集団内の構成員が相互に助け合う共同体を形成することにある。 グローバリズムの利点は、国家や民族の壁を越えて、ヒト・モノ・カネ・情報が自由に行き来できることにある。

広夢 @scidreamer

ナショナリズムの欠点は、国民や民族の中だけで連帯し、集団外の人間や他の集団と対立することである。 グローバリズムの欠点は、競争によってヒト・モノ・カネ・情報が一部の国家・企業・個人に偏ることを防げないことである。

広夢 @scidreamer

以上を要約すると、 ナショナリズム：欠点「自分たちだけで」　利点『助け合い』 グローバリズム：利点『みんなで』　欠点「争い合い」 ナショナリズムとグローバリズムの両者の利点だけを取り、欠点だけを捨てると、『みんなで助け合い』となるだろう。

広夢 @scidreamer

「ナショナリズム」と「グローバリズム」を統合する思想として、私が提唱するのは『ユニバーサリズム 弘願』である。『ユニバーサリズム 弘願』は、「ナショナリズム」と「グローバリズム」の利点と欠点を取捨選択し、『みんなで助け合い』を目指す。

広夢 @scidreamer

『ユニバーサリズム（弘願）』の言葉の由来を述べよう。「ユニバーサリズム universalism 」は、元々はキリスト教神学の「普遍救済説」（人類は結局全部救われるとする説）が原義で、「普遍主義」「福祉普遍説」「万人救済説」とも和訳される。私は『普遍救済主義』と訳そう。

広夢 @scidreamer

『ユニバーサリズム universalism 』は英語圏・キリスト教の言葉なので、日本人には馴染みが薄い。日本に古くから信仰のある仏教にも類似した言葉がある。それは『弘願（ぐがん）』で、『一切衆生を救わんとする仏の願い』という意味だ。この言葉を使っても良いだろう。

広夢 @scidreamer

『ユニバーサリズム』は『みんなで助け合い』にふさわしい言葉だ。"universe"（宇宙）は"nation"（国家）や"globe"（地球）よりも大きい。また、"universal"には『普遍的な』『万人に通じる』『至る所に存在する』等の意味もあり、これらも大事な概念だ。

広夢 @scidreamer

グローバリズムではヒト・モノ・カネ・情報が自由に行き来するが、このことは誰もがこれらを手に入れられることを意味せず、「偏る」可能性を孕む。実際「偏る」が故に、グローバリズムは不均衡や格差拡大、貧困を生み出した。これに対し『ユニバーサリズム』は『遍（あまね）く』の実現が目標だ。

広夢 @scidreamer

グローバリズムは国家の思想も制度も融解させた。世界中の人々が自由を手にし、世界と繋がった。一方で、共同体としての連帯を失いバラバラにされた個人は、弱肉強食の国際競争・国内競争を強いられ、多くの人が格差と貧困に喘ぎ、互いに憎悪し、あるいは孤立していった。ヘイトやテロが蔓延した。

広夢 @scidreamer

グローバリズムの問題を解決しようとナショナリズムが再興する。助け合いの絆を取り戻すことは必要だ。だが、その輪から他国民・他民族を排除するようになると、今度は国家間・民族間の対立が深まり、戦争・紛争・テロが深刻化する。科学技術が進歩した現代の戦争・紛争・テロは人類の破滅を招く。

広夢 @scidreamer

グローバリズムは限界だ。ナショナリズムは危険だ。ナショナリズム派とグローバリズム派とが手を取り合い、両者を統合する『ユニバーサリズム 弘願』＝『みんなで助け合い』を目指そう。世界中の人々が、かつての一国家や一民族のように、家族のように、互いに助け合って生きていく社会を創ろう。