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Erotic Love 〜 side S 〜 小夜子・中学二年

【R18】 手芸部に初めて入った男子部員。周囲の人たちに囃し立てられて、小夜子はその新入生が徐々に気になってゆく。 男主人公、透 視点の side T はこちら→ https://togetter.com/li/1100130
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Erotic Love 一覧

 
 

S-1. 出会いの日
夢乃 @iamdreamers
新入生が入ってきて一週間、今日からが部員の掻き入れ時とばかりに、部長は張り切っていた。 「じゃ、この手筈で行くよ。部紹介は三年生四人で担当、その時には二年生五人は渡り廊下に分散して配置、ビラ配りの準備。三年も紹介が終わったら二年に合流」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「はーい」 「紹介の順番がもうちょっと早ければ良かったんだけどね」 副部長の河盛先輩が言った。 「後ろの方だから、みんなだれてるよね」 「悪かったわね。クジ運なくて」 梶川部長がブーたれる。 「ま、翔子の運の無さは今に始まったことじゃないし」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
河盛先輩はニヤニヤしながら言う。 「ま、そんなわけで、二年のみんなはできるだけ分散して、手芸部のビラを多くの一年に受け取って貰うように。咲良さんと木之本さんは二人一組。他の二年には紹介の終わった三年が合流するから」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
それから河盛先輩は私のところに来た。 「私は司さんのとこね。いい所取っておいてよ」 「どこがいい所か、判らないですけど・・・」 「そうね、渡り廊下の曲がり角の内側なんかいいかな。来た時と曲がった時の二回渡すチャンスがあるし」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「なるほど。頑張ってみます」 「他の人も同じこと考えるから難しいだろうけどね。それより、司さんの携帯のGPS、見えるようにしておいてくれる? それで場所探すから」 「あ、はい。えーと」 私はスマートフォンを取り出した。河盛先輩の番号は登録してあるはず・・・ #twnovels
夢乃 @iamdreamers
あった。これね。GPS検索を有効にして。 「これで見えます?」 「どれどれ。うん、大丈夫。よし、それじゃ、出陣と行きますか」 先に三年生が体育館へと向かった。私たちは部紹介が終わる頃を見計らって渡り廊下に並べばいい。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
・・・のだけれど、あまり遅いと他の部に良い場所を押さえられてしまう。ここは、一年生が体育館に移動した直後くらいに行っておくべきだろう。 「そろそろ始まる時間だよ。もう行っとく?」 二年の中でリーダー格の白河さんが言ったのを機に、私たちも部屋を出た。 #twnovels

夢乃 @iamdreamers
まだそんなに人はいない。それで私は、運よく河盛先輩の言っていた『良い場所』に陣取ることができた。幸先がいい。まだ少し寒さの残る中、腕を擦りながら体育館内で行われている部紹介が終わるのを待った。体育館の扉が開く。終わった? と思ったら休憩か。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
体育館のトイレが溢れているのだろう、校舎のトイレに急ぐ子が数人。まだ初々しい。私たちと一年しか違わないのに。ここでビラを渡すこともできるけれど、それはルール違反。私たちは肌寒い中、部紹介の終了をひたすらに待った。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
休憩が終わると、渡り廊下で待ち構える人数が途端に増えた。隙間なく、まではいかないけれど、沢山の二年生、三年生で埋まってくる。体育館の出入口の前なんか、ぎゅうぎゅう詰めだ。 「お待たせ。あと二つくらいだから、そろそろ出てくるよ」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
振り向くと、河盛先輩が立っていた。手芸部の紹介は終わったらしい。 「わかりました。えーと、それじゃこれ、お願いします」 隣に並んで立つ河盛さんに、予め半分にしておいたビラを渡す。 「オッケー。おっと、これは先生の最後の挨拶かな? そろそろくるよ」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
その言葉に違わず、数分後には渡り廊下に繋がる体育館の出入口が大きく開いて、新入生たちがドッと溢れてきた。途端に。 「野球部どう?入らない?」 「今人気のサッカー部へ!」 「動物好きなら生物部へ!」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
出口付近に陣取っていた部から、嬌声が上がる。 「私たちも負けずにやるわよ」 河盛先輩の言葉に頷き、私は一年生が前を通るのを待ち構えた。最初の一人が通りかかってから。 「手芸部いかがですか? 手芸部よろしく。手芸部に入らない?」 自分でも何を言ったか判らない。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
兎に角、手芸部アピールをして、女子を狙ってビラを渡しまくる。 「手芸部、どうです?」 そう言って渡した相手が、私の前で足を止めた。男の子だった。ちょっと可愛い感じの顔のその子は、私の顔を見つめている。どうしたの? と言う思いで首を傾げた。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「司さん、男の子に渡してどうするのよ!」 河盛先輩の声に、あっと気付いて「ごめんなさい。つい」とビラを取り返そうとした。 「いいんです。貰います」 男の子は慌てたようにビラを引っ込めた。 「ありがとう」 貰ってくれたことに、一応礼を言っておく。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
男の子はあたふたと私の前を去って行った。私はそのまま、ビラ配りを続けた。 #twnovels

夢乃 @iamdreamers
ビラ配りも終わったら、今日の仕事もほぼおしまい。部室として使っている家庭科室で残ったビラを纏めたり、明日から始まる部活見学の準備状況を確認して、今日は解散。帰り際、河盛先輩に呼び止められた。家庭科室には私と河盛先輩と部誌をつけてる部長の梶川先輩だけ。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
部屋の反対側に、調理部の人も何人かいるけれど。 「司さん、今日、男の子にビラを渡してたでしよう?」 「あ、はい、なるべく女子を選んでいたんですけど、あまりよく確認はしてなかったから。すみません」 「ノンノン」 河盛先輩はチッチッと顔の前で指を振った。 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「そんな有象無象はどうでもいいのよ。一人、司さんを見つめてる子がいたでしょう?」 「何何? なんの話?」 部誌をつけ終わった梶川先輩が会話に入ってきた。まるで噂好きのオバサンのよう。 「今日ね、一年の男子に、司さんをず〜っと見つめてる子がいたのよ」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「確かにいましたけど」 私はその時のことを思い出した。 「手芸部のビラを渡されて戸惑っていただけじゃありませんか?」 「いーや、違うね。あれは恋する少年の瞳だった」 河盛先輩、腕を組んでうんうん、と頷く。 「そんなことがあったんだ。私も見たかったな」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
「そんなことないと思いますけれど。私ってほら、この通り地味な方だし、あそこで一目見て恋してしまうなんて」 言っててちょっと恥ずかしい。 「いーや、司さんはそういうの疎いから気付かないだけね。間違いなく、あの子はあなたに恋してる」 #twnovels
夢乃 @iamdreamers
そんなこと言われて、なんだか顔が火照ってきた。あの時のことを思い浮かべる。私を真っ直ぐに見つめる二つの瞳。一途といえばそうだったかも。顔も、ちょっと可愛いかったし。ど真ん中ではないけれど、ストライクゾーンには入っているかな。・・・って私、何考えてんの。 #twnovels
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