「人文学は役に立つのか?」という問題について

「人文学は役に立つのか?」という問題について、KASUGA, Sho(@skasuga)さんと話し合いをTwitterでさせて頂いた時のまとめです。
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KASUGAさんによる2015年の指摘

KASUGA, Sho @skasuga

↓2015年の投稿をRT。もう手遅れっぽいですかね。

2017-04-03 02:34:05
KASUGA, Sho @skasuga

人文社会系学振PDにも博士号が必要となる件、以前から予想されて来たことだし、なにも手を打ってこなかった大学側が悪いんじゃないかな。元々「博士号は研究のための免許みたいなもん」という米国型博士と「博士号はライフワークを完成させたものに出す」という旧欧州型博士が並列していて(続)

2015-11-18 18:27:05
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)米型にそろえますよ、という流れなのは20世紀後半から判っていたことで、じゃ、人文系の場合「何か新しいことを言えた訳じゃなくても、この程度の能力があれば博士号に値する」というラインをどこに引くか、という議論を早めにしなければいけなかった。言い換えれば(続)

2015-11-18 18:28:40
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)「博士課程」というのが、入学者にどのような要求をし、それが何年ぐらいかかるか(また学費以外にいくらぐらいかかって、それはどこから調達すべきか)、という議論がまずあるべきで「ゆえに三年では無理なので、たとえば五年間まで博士課程が延長できて、学費や生活費の補助が(続)

2015-11-18 18:30:26
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)得られる、学振PD以外の制度を設置してください」というような要求を、主要な学会で取りまとめて政府に提出すべき。今からでも遅くはないので、この機会にやらんもんかね?

2015-11-18 18:31:23
KASUGA, Sho @skasuga

目の前で我が国の人文学は滅びていっているように見える訳ですが、それに対してエラい先生方はなんの危機感もないように見えるのが大変不思議としかいいようがない。自分たちの蓄積を受け継ぐ人がいないのは、学者として悲しくないのだろうか??

2015-11-18 18:32:54

KASUGAさんに「人文学は役に立つのか?」という疑問をぶつけた

まとめ者・仲見がKASUGAさんの2015年のツイートを拝読し、KASUGAさんに「人文学は役に立つのか?」という疑問をぶつけた

仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@skasuga 初めまして、このあたりの問題に問題意識を持つ者です。拙ブログで、近いテーマの記事を更新しました。不躾ですが、ご意見を頂けたら、有り難いです。 人文学の「価値」を「正面から問うこと」の一連の議論について - 仲見満月の研究室 naka3-3dsuki.hatenablog.com/entry/2017/04/…

2017-04-03 02:50:36
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki おしらせありがとうございます。ちょっと出先でして、また後日落ち着いて拝読させていただいて、コメントさせていただければと思います。よろしくお願いします。

2017-04-04 00:16:20
仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@skasuga お忙しいところ、返信ありがとうございます。ご無理なさらないで、下さい。失礼致しました。

2017-04-04 00:58:50
仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@skasuga 年度始めのご多忙なところ、急なツイートをしてしまい、失礼致しました。お時間のあるときに、お読み頂きけたらと思います。

2017-04-04 01:00:56

KASUGAさんとの話し合い

KASUGAさんからのお返事とご意見

KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki お返事忘れていました。申し訳ありません。この議論に関する、回答は「人文学は役に立つか?」という問いは「Yes/No」で答えられるようなものではなく、この「役に立つ」ということを問い直す契機であるべきだ、ということです。 twitter.com/naka3_3dsuki/s…

2017-04-15 14:53:45
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki んで、ピンカー流の回答も成立しないわけではないと思いますが、(1)私自身はベイトソン主義者であり、ピンカー的な「進化」概念には元々懐疑的だということもあり(2)いささか過剰に功利主義的であり、それが成立するにしても「人文学」の長い歴史からすれば極めて短い期間のことだろう、と(続)

2017-04-15 14:55:40
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki (承前)思います。スピノザやトーランドであればそれを「危険思想」だと感じつつ意義を認めるかもしれませんが、それより古くは遡らないでしょう。つまるところ、それらは非常に無神論的な世界観を前提としています。また、ベイトソンであれば、内田樹の立場とピンかーの立場は(続)

2017-04-15 15:01:19
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki (承前)論理階梯が異なると整理するでしょう。その観点に立てば、もちろん我々の社会・経済的エコシステム内で人文学が生きているのは「役に立つ」からですが、個々のエージェント(専門家や読者)が上位階梯に置いて「役に立つ」ことを構想して人文学に取り組めば、それは「役に立たない」(続)

2017-04-15 15:03:07
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki (承前)ものになるかもしれません(っていうか、そうなると私は思っています)。社会の制度設計という意味では、この上位階梯のことを考えるのは重要ですが、これはあくまで創発的なものであり、下位階梯の個別の動きを操作することで最適化されるという類のものではないでしょう。という前提を(続)

2017-04-15 15:05:13
KASUGA, Sho @skasuga

@naka3_3dsuki (承前)置いた上で、各エージェントが誠実に振る舞うとすれば、最初に述べたように「役に立つということ自体を含めて、全てを問い直し続ける」ということだと思います。これがデリダの述べた「条件なき大学」ということだという記事は書きました→。blog.talktank.net/2015/06/blog-p…

2017-04-15 15:07:24

まとめ者・仲見の意見

仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@skasuga リプ、ありがとうございます。実は、私は敢えて哲学的な議論は避け、「Yes/No」で答えられるようにしました。正直に言いますと、経済的な資金を研究費、若手の雇用問題を引き出すため、一般の人にもセツメイデキルノように、分かりやすい答えを求めたから、です。

2017-04-15 16:27:45
仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@skasuga 訂正:セツメイデキルノ➡説明できる 確かに、人文学の長い歴史からすれば、功利主義的に人文学の価値を議論することは、先達の学者たちからすれば、危険でしょう。ただし、それはその偉大な先達たちが学究活動をしても、何とか食べていける環境にいたからではないでしょうか?

2017-04-15 16:33:33