シロクマ先生（ @twit_shirokuma ）による日本人メンタリティ再評価

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

日本特有のメンタリティを散々バカにしている人がいるけど、今回の色々を見ていると、決してそうじゃないという気がしてならない。西洋人のメンタリティを持ち上げて日本人にダメ出しする筋には、再考を迫る現象多すぎ。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

そりゃ確かに、日本人は村社会気質だの、individualの意識が欧米に比べて希薄だの、散々言われているさ。でも、今回の首都圏での対応やtwitterでの自浄作用、被災地への心配など、これらはアメリカ等じゃ多分難しかったんじゃないか。この長所は意識して然るべきだろう。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

日本は、個人主義のメンタリティが進行しつつあるとはいえ、まだ集団主義的メンタリティが残っている国だからこそ、これだけ「モラルの維持」が全面的に起こっているわけで。今後、日本人を云々する際には、此度の皆の振る舞いはしっかり記銘しておくべきだろう。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

暴動や略奪がニュースになって流れることなく、災害中核地を心配し、首都圏でも皆が助け合って凌いでいる。これが出来る人達で構成されている日本という情況。少なくとも、アメリカ南部に台風が上陸した時より、よほど社会としてまともに機能していると言えそうだ。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

そして、災害に際していとも簡単に暴動や略奪が起こってしまうような社会よりも、よほど日本のほうが(特に個人のレベルにおいて)危機に際しての弾撥性を有した個人を涵養しているとも。これが、日本人のメンタリティに依るのか、総中流社会の遺産なのかは不明だ。しかし、間違いなく日本の財産だ。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

今の日本人の助け合いや相互心配のメンタリティは、見る筋から見れば「個人の確立というよりも自我境界の曖昧なムラ社会的メンタリティに依る」と見えるかもしれない。しかしアメリカ南部のようなメンタリティだったら、個人主義的ではあってもろくでもない風景になってたんじゃないか。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

西洋人の、西洋人による、西洋人のための思想をベースに考えるなら、日本人は「成熟していない」ということになるだろう。現在でも。しかし、危急に際してこんなに人々は団結し、精一杯助け合っている。いわゆる「日本的なるもの」が、今、最大限に機能している。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

個人というミクロ・社会というマクロのレベルで、此度の日本人は最大限の互助精神を発揮した。自我境界や個人主義の観点からすれば、イマイチな日本人集団であるにもかかわらず、だ。「正解は欧米人のメンタリティを猿真似する」ばかりが最適解とは限らないことを示しているように見える。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

「自分のことしか考えない人間の集団」ではなく、周囲の空気を読むメンタリティが、これほど良い方向で機能している情況は、あまり見たことが無かった。しかし現に、東日本全体がそのように意識を集中させている。これは、恥ずべきことではありません。立派だと思います。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

宮城県の人達の惨状は、想像がつかないし、そこはネット＆電力インフラの限界もある。けれども少なくとも首都圏レベルでは、大半の人が秩序立った振る舞いを見せていたし、同胞の心配をしまくって街でも秩序だった行動を示していた。知らない人でも互いに慮っていた。これからもそうであって欲しい。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

個人主義がひたすら粒状に集まった社会が理想的なのか、(多少自我境界が緩くとも)皆が或る程度、互いに共感と不安を共有しながら空気を尊重する社会が理想的なのか、よく考えたほうがいいと思う。粒状の個人主義が特化しすぎた社会でえは、これほど秩序立った行動はまず無理なんじゃないか。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

あ、いや、それでもキリスト教がほぼ共通理解になっているような情況(例えばフランスやイタリアやドイツのような)ではindividualと隣人愛は両立するのかもしれない。しかし、そうでない日本社会においては現行の日本人のメンタリティが最大限に発揮されている。

p_shirokuma(熊代亨) @twit_shirokuma

欧米人のテンプレやイデオロギーとははっきり異なった情況のなかで、東日本の人間の大半は、しっかりと危機に対応している。日本人のメンタリティでも、危機に結集することは可能で、現に危機に対応している。このことは、絶対忘れるべきではないし、失うべきでもない。