メディア影響論がポルノに転用できない理由

メモ的な私的まとめです
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鳥山仁 @toriyamazine

【メディア影響論がポルノに転用できない理由】 (1)最近になって、またメディアの悪影響を研究した論文があるので、ポルノを危険視すべきと言う規制推進派の意見が散見されるので、両者の関係を否定する根拠を挙げておく。それは、性的興奮が発生する医学的な序列である。

2017-05-04 23:30:01
鳥山仁 @toriyamazine

(2)性的興奮は興奮という名称はついているものの、実際には精神的にリラックスした状態でしか起こらない。医学的には自律神経の一種である副交感神経の亢進が、内臓への血流を増やし、これが性器への充血につながって男性器の場合は勃起、女性器の場合は愛液の生成が起きる。

2017-05-04 23:30:30
鳥山仁 @toriyamazine

(3)性的興奮がリラックスした状態でしか起きないようになっているのは、戦闘中、あるいは闘争中に性行為を始めると、敵に襲われ死亡する確率が上昇するからだ。闘争、あるいは逃走を司るのは同じ自律神経の一種である交感神経で、これが亢進すると筋肉への血流が増え、痛みへの耐性が増す。

2017-05-04 23:31:00
鳥山仁 @toriyamazine

(4)つまり、交感神経が亢進して筋肉への血流が増えると、相対的に内臓への血流が減少して勃起が困難になってしまうのだ。この前提を理解した上で、ポルノ問題で引き合いに出される心理実験内容の多くが「メディアに影響され、暴力的になるかどうか?」を調査していることに気づくと……

2017-05-04 23:31:29
鳥山仁 @toriyamazine

(5)……メディア影響論がポルノには当てはまらないという結論を出さざるを得なくなる。何故なら、暴力的になると言うことは交感神経の亢進に他ならず、仮にメディアと暴力行為の因果関係が証明されたとしても、それを性的興奮の医学的な説明に当てはめるのが不可能だからだ。

2017-05-04 23:32:00
鳥山仁 @toriyamazine

(6)それでは、どうしてメディア影響論を唱える人間が、このような間違いを犯すのかというと、これも何度も言っているようにきちんとした性教育を受けていないからだ。社会学や犯罪学を勉強するのは結構だが、それ以前に性医学の知識が無い状態で理論の正否を判断するのは難しい。

2017-05-04 23:32:31
鳥山仁 @toriyamazine

(7)また、仮にポルノと性行動に因果関係が証明されとしても、ポルノに触れる以前の段階で性教育を受けさせ、何が現実的で何が非現実的か、何が犯罪行為でその結果どのような罰を受けるのか子供たちに教えておけば良いだけの話だ。フィクションからの「影響」は格段に落ちるだろう。

2017-05-04 23:33:00
鳥山仁 @toriyamazine

(8)それ以前に、きちんとした性教育は表現規制派の荒唐無稽な疑似理論の「影響」を削ぐことは確実で、だから規制反対運動の一環として性教育の必要性を訴えていこうというのが私の考え方である。暴力的な興奮と性的な興奮は同じ興奮でも医学的には真逆なのだ(完)

2017-05-04 23:33:24
電気屋 @thedenkiya

@toriyamazine あと、きちんとした性教育はいわゆる「悪影響」を受けずに済むためにもものっそ有効な方策であるはずなんだよね。性的な局面にだって、メデイアリテラシーってヤツはとーぜんある。んじゃ、それはナニによって育まれるの?てハナシ。

2017-05-04 23:59:16
鳥山仁 @toriyamazine

@thedenkiya まったくもって仰る通りですね。

2017-05-05 00:12:12

英国は10代の妊娠率をどうやって半分にしたか

コメントより追加しました。

リンク the Guardian How the UK halved its teenage pregnancy rate Political support at all levels, long-term commitment and changes to social norms behind success of public health strategy 5228