個性教育のすすめ ~詰め込み教育とゆとり教育の矛盾、脱ゆとり教育の弊害を乗り越える『とりどり教育』~

近年、子どものいじめや自殺が統計的に見ても急増しており、「脱ゆとり教育」の弊害が疑われます。これに代わる教育として『子どもたちの個性に合わせた教育』=『個性教育』を提唱します。
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広夢 @scidreamer

今から連続ツイートを始めます。テーマはこどもの日にちなんで、教育についてです。

2017-05-05 16:22:09

詰め込み教育、ゆとり教育、脱ゆとり教育

広夢 @scidreamer

日本の学校教育は、かつて「詰め込み教育」から「ゆとり教育」へと転換したが、近年になって「脱ゆとり教育」へと回帰した。しかし、この脱ゆとり教育も弊害を生じている。脱ゆとり教育の問題点を指摘し、日本の教育を改善するための指針を示す。

2017-05-05 16:23:14
広夢 @scidreamer

第一に、「詰め込み教育」とは、1980年代以前の日本で学校教育に採用されていた教育方法で、「機械暗記による知識量の増大に比重を置く、あるいは知識の増大を目指す教育方法」(Wikipedia)とされる。

2017-05-05 16:24:11
広夢 @scidreamer

Wikipediaによれば、詰め込み教育の問題点は、「試験の点数は上がる反面、児童・生徒の学習の動機付け・持続に欠ける」、「テスト過ぎたらすべて忘れる」(『剥落学力』)、「「なぜ、そうなるのか」といった単純な疑問や創造力が欠如してしまう」等がある。

2017-05-05 16:25:14
広夢 @scidreamer

また、詰め込み教育の下で「授業速度の上昇や、現場の準備不足、教師の力不足もともない、落ちこぼれと呼ばれる、授業についていけない子どもが増加した」(Wikipedia)ともされる。この反省から、1980年代以降、日本の学校教育はゆとり教育へと路線を変更した。

2017-05-05 16:26:12
広夢 @scidreamer

第二に、「ゆとり教育」とは、「1980年度以降2010年代初期」に日本の学校教育で採用されていた「ゆとりある学校を目指した教育のこと」(Wikipedia)である。

2017-05-05 16:27:12
広夢 @scidreamer

より詳しくは、ゆとり教育は、「「詰め込み教育」と言われる知識量偏重型の教育方針を是正し、思考力を鍛える学習に重きを置いた経験重視型の教育方針をもって、学習時間と内容を減らしてゆとりある学校を目指し」た教育とされる。

2017-05-05 16:28:11
広夢 @scidreamer

Wikipediaによれば、ゆとり教育への批判として、「学力低下の危惧」「塾に行ける者と行けない者、参考書を買える者と買えない者、習熟度別授業で学力上位のクラスと下位のクラスなどでの格差を広げるのではという危惧」があった。

2017-05-05 16:29:11
広夢 @scidreamer

また、ゆとり教育の下で「国際学力テストでにおいて順位が下がったことなどにより、学力低下を招いた」「個性尊重が重視されたため、その考えを教えた世代にさまざまな人格的影響を与えた」という批判もある(Wikipedia)。

2017-05-05 16:30:12
広夢 @scidreamer

第三に、「脱ゆとり教育」とは、2011年度(平成23年度)から日本の学校教育で採用されている「ゆとり教育による学習量の削減から一転し、学習量の増加の方向へ進んだ教育」(Wikipedia)である。

2017-05-05 16:31:11
広夢 @scidreamer

文部科学省は、新学習指導要領を、「ゆとりでも詰め込みでもない教育」とし、「この学習指導要領の理念は、「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」を兼ね備えた「生きる力」をはぐくむための教育」としている(Wikipedia)。

2017-05-05 16:32:11
広夢 @scidreamer

また、新学習指導要領では、「勉強面では (1) 基礎的な知識・技能の習得、(2) 知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力の育成、(3) 学習に取り組む意欲の養育を育成しようとしている」(Wikipedia)とされている。

2017-05-05 16:33:11
広夢 @scidreamer

以上が「詰め込み教育」「ゆとり教育」「脱ゆとり教育」の概要である。次に、2011年度から本格的に始まった脱ゆとり教育の問題点を分析する。

2017-05-05 16:34:12

脱ゆとり教育の弊害

広夢 @scidreamer

さて、一般的には脱ゆとり教育は評価されているようだ。文部科学省もOECD生徒の学習到達度調査(PISA)や国際数学・理科教育調査(TIMSS)で日本の順位が上がったとして、脱ゆとり教育の成果を誇っているようである。子どもの学習意欲も改善しているらしい。

2017-05-05 16:35:11
広夢 @scidreamer

しかし、その陰では由々しき問題が進行しているようである。文部科学省が公表している『平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における 「いじめ」に関する調査結果について』 mext.go.jp/b_menu/houdou/… を見てほしい。

2017-05-05 16:36:11
広夢 @scidreamer

「調査」のp.4にある「いじめの認知(発生)件数の推移」のグラフを見ると、平成23年度(2011年度)から平成24年度(2012年度)にかけて小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の全てでいじめの認知(発生)件数が急増し、その後、高止まりしている。

2017-05-05 16:39:11
広夢 @scidreamer

いじめの認知(発生)件数の実数は、平成23年度から平成24年度にかけ、小学校では33,124件から117,384件、中学校では20,749件から63,634件、高等学校では6,020件から16,274件へと急増、小学校は3.5倍、中学校は3.0倍、高等学校は2.7倍となった。

2017-05-05 16:40:11
広夢 @scidreamer

平成23年度(2011年度)は小学校で、平成24年度(2012年度)は中学校で、新学習指導要領が完全実施された年である。また、平成24年度の高校1~3年生は1994年度~1996年度生まれで、学習指導要領の移行措置で授業数の増加が始まった最初の3年間に中学教育を受けた年代だ。

2017-05-05 16:41:11
広夢 @scidreamer

すなわち、2011年頃に脱ゆとり教育が本格的に始まってから、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校でいじめが急増したのである。その後、いじめの件数は高止まりしている。これは、学習量の増加が負担となって子どもたちに大きな精神的ストレスを与えたことによる副作用ではないか。

2017-05-05 16:42:11
広夢 @scidreamer

この仮説への反論として、「いじめの認知(発生)件数の急増は、調査する側の意識の変化が調査の結果に影響を与えたことによる」とする見方もあろう。2011年10月には大津市中2いじめ自殺事件があった。このような大事件が調査を徹底させ、いじめの認知件数が急増した可能性もある。

2017-05-05 16:43:11
広夢 @scidreamer

しかし、そもそも中学生がいじめで自殺するという大事件が、なぜこの時期に起こったのだろうか。今度は子どもの自殺に目を向けよう。内田良さんの「「逃げる」という選択肢 中学生の自殺 17年ぶりの年間100件超に向き合う」 news.yahoo.co.jp/byline/ryouchi… を見る。

2017-05-05 16:44:11
広夢 @scidreamer

「中学生と日本全体における自殺死亡率の推移(10万人あたり)」のグラフでは、「日本全体の自殺死亡率」は1998年に急増、高止まりが続いた後、2010年から減少が始まっている。これは1997年の消費増税による経済低迷、近年の少子高齢化による雇用改善という経済要因で説明できる。

2017-05-05 16:45:11
広夢 @scidreamer

一方、「中学生の自殺死亡率」を見ると、年による変動が大きいものの、2011年までの傾向は「日本全体の自殺死亡率」と一致している。子どもの自殺も経済要因があるようだ。ところが、2012年から「中学生の自殺死亡率」は「日本全体」の傾向から外れ、急増を始めている。

2017-05-05 16:46:11