- eightmaruter
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今日は上司×丸山の続編を流したいと思います! まずはこちらから前作をどうぞ! 10時頃流しますね💕 togetter.com/li/1102041
2017-05-05 21:37:44*続 上司×丸山 《「今日の夜…空いてる?」》 そう丸山さんに誘われたのは、今日の午後2時のこと。 突然の出来事に、胸が高鳴ってる。 みんなの憧れの丸山さんに誘われるなんて… 緊張しながら、言われた店で彼を待つ。 お洒落で静かな、ダイニングバー。
2017-05-05 22:04:402 カウンターに一人座っていると、重い扉がガチャッと鳴って、丸山さんが入って来た。 「遅れてごめんなぁ。会議長引いてもうた。」 黒いジャケットを脱いで、気だるそうにネクタイを緩める。 そんな仕草が、いつもと違った彼に見えてドキッとしてしまう。 『いえ。大丈夫です!』
2017-05-05 22:05:083 隣の席に丸山さんが座る。 「お洒落にワイン…といきたいとこやけど、まずはビールでもええ?」 『私も…ビールがいいです。』 「へぇ〜飲めるんや。」 『弱いですけど。』 「じゃあ今日は酔わしたろ。」 と、頬杖をつきながら、私の瞳をじっと見つめた。 pic.twitter.com/9VGaNME5i7
2017-05-05 22:05:384 丸山さんはずるい。 そう言って、私がどんな気持ちになるのかも全部分かってる。 「まさか今日来てくれると思わへんかったわ。 ありがとうな。」 『丸山さん…色んな女性にそんな事言ってます?笑』 「え?そんな事ないで〜」 と、とぼけた表情でビールをグイッと飲む。
2017-05-05 22:06:025 「そんな事言うて、君もモテるんとちゃう?」 『全然モテません…』 「俺の同期、みんな君のこと狙っとんで。」 『絶対嘘。』 「…彼氏は?おる?」 『少し前に別れました。』 「そうなんや。 なら俺も可能性アリやな。」 ほら、またサラッとそういう事言って。
2017-05-05 22:06:276 丸山さんは、どうして今日私を誘ってくれたんだろう。 もしかして… いや、そんな期待しない方がいい。 女性に自然と優しく、紳士的に接する丸山さんだもん。 彼女や、良い人がいるに決まってる。 ただ飲みたかっただけ。 口が上手いだけ。 絶対… 期待なんかしちゃダメ。
2017-05-05 22:06:437 テーブルに置く手が時々触れて、そんな些細な出来事で顔が熱くなる。 カウンター席でお互い顔を見て話すと、その近さに目を何度も逸らしてしまう。 優しく微笑む赤ら顔の彼がセクシーに見えて、 このまま丸山さんといると、彼に惹かれて抜け出せなくなってしまいそうだった。 pic.twitter.com/Dz6wIaOUry
2017-05-05 22:07:088 気付くと、時計はもう12時を回っていた。 もう少し一緒にいたいけど… 『丸山さん…終電が』 「あぁ、そやな。」 あれ? なーんだ。そこはあっさり。 ほらね、やっぱり思った通り。 「家まで送るわ。」 『いや駅までで大丈夫です。』 「…そうか。」
2017-05-05 22:07:129 店を出て、少し伸びをした。 終電の事を言えば、その先の展開があるかとちょっと期待した自分。 ドラマや映画みたいに上手くいくわけ… ないか。 そんなロマンチストな自分を惨めに思いながら、丸山さんの後ろを歩く。 「あっと言う間やなぁ。 楽しいと、時間経つのって。」
2017-05-05 22:07:3110 何の発展もないんだとしても、丸山さんとお酒を飲めた事はすごく楽しかった。 『私も楽しかったです!』 「…あのさ、」 丸山さんが立ち止まる。 『はい?』 「…やっぱ何でもない! あ〜、酔ってもうたぁ。」 『丸山さん、少し飲み過ぎですね。笑』 pic.twitter.com/MDGVpjngbH
2017-05-05 22:07:5711 駅は、あのコンビニを越えたらすぐ。 もうすぐ着くというところで、急に丸山さんの歩くスピードが遅くなった。 『丸山さん。』 「ん?」 『もうちょっと早く歩かないと、終電行っちゃうかも…』 時間を気にして時計を見る私を無視するように、丸山さんのペースは変わらない。
2017-05-05 22:08:1112 「酔ってもーて、上手く歩けへん…」 甘ったるい声で丸山さんが言った。 『ん〜、じゃあ私ここで大丈夫なんで!行かないとっ…』 迫る終電時刻に、焦って別れを告げようとした時 「…なんで分からへんの?」 『…え?』 「こんなん、帰って欲しないからに決まってるやん。」
2017-05-05 22:08:3913 予想外の言葉に、立ちすくむ私。 『…それはどういう…』 「だーかーらっ、」 丸山さんが私の元にスタスタと来て、腕をぐっと引き寄せた。 「今日は帰したくないねん。 一緒におりたいの! こんな風にはっきり言わんと分からへん?」 驚いて見上げた彼の顔は、
2017-05-05 22:08:5514 耳の方まで真っ赤に染まっていた。 女性を惑わす言葉は沢山知ってるくせに、 いざとなるとこんなに照れちゃうんだ。 そんな姿見せられたら私… 「もう終電行ってもうたで。 どうする?」 『…はい。』 「…うち、この近くやねん。 良かったらこぉへん?」
2017-05-05 22:09:4215 『…はい。』 丸山さんに見惚れて骨抜きになった私が空返事をすると、 彼はふふっと笑って 「ほんまにええの? …なら、遠慮なく。」 腕を握る手を、今度は私の指に絡めて歩き出した。 目の前にある、広い背中を見て思う。 私… やっぱり彼にハマってしまいそうです。 pic.twitter.com/vX3lmRD2VF
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