打越鋼太郞さんのEver17制作秘話
- kusanagiblade
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そうか、小笠原(劇中では確か駒ヶ原)まで船で24時間もかかるんだった…。もう15年も前の作品なのでいろいろと忘れてしまっているのです。ちなみにインゼルヌルに上陸したのが午前11時17分なのはぼくの誕生日が11月17日だからです、たぶん…。
2017-04-30 19:50:12まさか15年も経ってトレンド入りするとは!一緒にあの作品を作り上げたスタッフのみんなと、これまでずっと作品を応援してくださったファンの皆さんに心から感謝致します。本当にありがとうございます! #Ever17
2017-05-01 08:44:26「まさかここまでEver17の人気が続くとは思わなかった」とは思わない。なぜならEver17はこれまで一度も人気なんて出たことがないからだ。発売直後に大ヒットしたわけでも、半年かけて大ブレイクしたわけでも、アニメ化を機に大量のファンを獲得したわけでもない。 #Ever17
2017-05-01 21:10:00たとえるなら高校に入学したての頃「あの子、かわいいなぁ…。でもあいつのことかわいいと思ってんの、きっと俺だけなんだろうなぁ…」と思ってたら、15年後の同窓会で友達のみんなも実はその子に好意を持っていたことがわかって「え、お前らもかよ!」みたいな…。 #Ever17
2017-05-01 21:10:47その子は在学中一度も校内の人気ランキングに入ったことはないし、修学旅行で夜中に男子達が話す「おまえ誰が好きなのよ?」の話題にのぼったこともない。つまりブームになったことがない。一世を風靡とかも全然してない。なのにどういうわけか15年経った今でもみんなが覚えている。 #Ever17
2017-05-01 21:12:01ギャルゲー的に言うなら地味で目立たないメガネっ子キャラとでも言うか…。スマホゲー的に言うならSSRでもSRでもRでさえもない★ひとつのキャラ。だけどみんなの心の中にじわじわと確かな存在感を持ってしみ込んでいる…。そういう不思議な作品なんだと思います。 #Ever17
2017-05-01 21:13:31不思議と言えばあの作品、他にもいくつか奇妙なことが…。まず制作期間がおかしい。ぼくは2001年の8月ぐらいからネタ収集を始め、9月から本格的にプロットの作成に取りかかりました。911の事件があったのでよく覚えているのです。その後半年ほどかけてプロットを練り込み、 #Ever17
2017-05-01 21:14:14確か2002年の3月~5月の3ヶ月ほどで、全シナリオを(4人のライターで分担しつつ)書き終えたはずです。この時期も日韓ワールドカップの開幕と被っていたので記憶に刻まれています。今考えると、とてもじゃないけど信じられません。奇跡です! #Ever17
2017-05-01 21:15:07しかも発売日は2002年の8月29日。家庭用ゲームの場合、発売の約2ヶ月前にはマスターロムをupしていなければならないはずなので、6月末には音声収録もデバッグも諸々込みで開発を完全にfixしていなければなりません。5月末にシナリオが終わって6月末にマスターって…。 #Ever17
2017-05-01 21:15:45なんだこれ、絶対おかしいぞ!ぼくらは時空のゆがみにでも突入していたのだろうか?それとも精神と時の部屋にでも入っていたのか、なにかの間違いで5億年ボタンを押してしまったのか…。そうとしか考えられない!自分らで言うのもなんだが、これは人間のなせるわざじゃない! #Ever17
2017-05-01 21:16:37あるいはディレクターの中澤くんが超天才だったからかもしれない。天才であり、なおかつ寝る間も惜しんであの作品のために心血を注いでくれた。スタッフのみんなもだ。死ぬ気でがんばった。血を吐くような思いでぼくらはあのゲームを完成させた。 #Ever17
2017-05-01 21:17:29奇跡的な制作期間の背後には、そういったみんなの努力があったりするのです。他にも奇妙なことはいくつかあるのですが、長くなるので今日のところはこれまで! Ever17 Weekはまだまだ続きます。どうか気長にお待ち下さい。 #Ever17
2017-05-01 21:18:26とにかくこの作品が15年経ってもまだ生き延び続けていられるのは、ひとえにファンの皆さんが盛り上げてくれたおかげです。その意味ではみなさんの一言一言が、この作品にとってのキュレイウイルスになっているとも言えるでしょう。 #Ever17
2017-05-01 21:19:42さて、そんなわけで、このTweetを見る人もだいぶ限られてきたのではないかということで、ここからは少し深い話をしようと思います。まあ、そんなに深くもないのですが…。水深でいうと51mぐらいの深さの話です。 #Ever17
2017-05-03 17:13:40前回は「Ever17に関する奇妙な話は他にもいくつかある」というところで終わっていたかと思います。それらは一体なんなのか? #Ever17
2017-05-03 17:14:02まず物語の構成法が異常でした。「普通こんな作り方をしてたら破綻するよね」という、およそ教科書通りではない、セオリーを完全に無視した、真逆の構成法によってあの作品の骨子は作られました。 #Ever17
2017-05-03 17:14:29たとえばみなさん、Ever17はどうして主人公を2人にしたと思いますか?プレイして下さった方ならきっと「え、ああいう理由じゃないの?」と推測されると思うのですが、実はたぶんそうではありません。 #Ever17
2017-05-03 17:15:02当時ぼくはある作品で「打越はギャルゲーのことをなにもわかってない!ギャルゲーにおける主人公とはプレイヤー自身なんだよ!おまえの書く主人公はクセが強すぎて感情移入できないんじゃボケ!」とメッタメタに叩かれたことがございまして… #Ever17
2017-05-03 17:15:32「だったら主人公を2人にすれば、そのうち1人ぐらいは気に入ってもらえるんじゃね?」という安易な理由から2人の主人公という設定は生まれたのでした。そのことを取っ掛かりとしてEver17の壮大な物語は膨らんでいくことになったのですが… #Ever17
2017-05-03 17:16:27とにかくここで言いたいのは順番が逆だったということ。まず最初に「こうすれば面白くなる」という種の部分があって、そこから枝葉をのばしていったのではなく、先に葉っぱの方を空中に浮かべてから、枝や幹を遡るようにして種の部分を考えていった。 #Ever17
2017-05-03 17:17:06