福島原発の状況を、原子炉の元・技術者が語る
3月12日午後8時〜 原子力資料情報室が緊急記者会見 出席者は、元東芝の原子力技術者 後藤政志氏 http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi
2011-03-12 20:00:03後藤「自分の専門は格納容器です。原子炉建屋、これはコンクリート、次に格納容器、数十mm厚の鉄製、さらにその中に圧力容器がある。原子力の基本は三つ、1)核反応の制御、制御しそこなうと核暴走になる、チェルノブイリがこれ」
2011-03-12 20:27:472)冷却、核反応が止まった燃料棒は崩壊熱で大変大きな熱を発する、冷却する必要がある。通常は、外からの電気で冷却水を循環させる、それが地震でダメになった。非常用ディーゼル発電機で冷却水を循環させる。ところが、2つあったディーセルが両方とも起動しなかった。理由は公開されていない。
2011-03-12 20:29:26一般的に、普段止まっている機械は起動に失敗しやすい。だから時々立ち上げて試験している。それでも毎日使うものとは違う。非常用ディーゼルが起動できなかった時点で、原子力プラントの設計として破綻している。そこからは付け足しです。
2011-03-12 20:30:43放射性物質が出ているということからすると、燃料棒が融けたらしい。サプレッションチャンバーの水が限界、100℃になっている。海水取水口も壊れている可能性。
2011-03-12 20:32:34格納容器が健全であれば、放射能は外に出ません。格納容器は4.35気圧の設計条件。しかし格納容器の圧力が2倍になっている。定格までは絶対持つ。2倍は保障できない。そういうところに突入したというのが大事な点。
2011-03-12 20:34:00圧力が上がっている、炉心が溶融している、この条件でから考えると、冷却ができなければスリーマイル型事故になる。スリーマイルの場合ECCSが作動したが、みなし安全弁が開いたまま固着。その結果水が出て、燃料が溶けた。首の皮一枚で、圧力容器が持った。だから放射能が漏れなかった。
2011-03-12 20:35:51格納容器は、設計条件を越えたら壊れる。温度が上がると色々な壊れ方のパターンがある。人が入る穴のシールが熱でやられるとか。格納容器が壊れるということは、最後の安全が突破されるということ。建屋は閉じ込め機能が弱い。
2011-03-12 20:37:24爆発について。建屋が骨組みだけになっている。今回は、建屋に充満した水素が爆発(水素が出る)の可能性があるとみる。基本的に格納容器は窒素を詰めているので、そう簡単に爆発しない。今、格納容器がむき出しになっている。今、格納容器の内部の状態が全く出ていない。
2011-03-12 20:39:37可能性2つ、格納容器内部の状態が分からない。これはありうる。それで間違った対応する可能性がある。人間だからありうる。巨大システムでは全部を理解することが難しい。
2011-03-12 20:41:20もうひとつの可能性は隠している。爆発の報道が1時間半も遅れた。これはおかしい。今の被害が、これからどっちにいくか大変な重要点。1)きちんと冷やせるか、2)格納容器が壊れないか。
2011-03-12 20:42:53格納容器の話。写真が出ている。形が2種類型。Mark IとインプルーブMark 1 。1号機はGEの設計したMarkI 。サプレッションチャンバーの機能。上記が出た時に、サプレッションチャンバーにたまっている水で冷やされて、圧力が下がる。
2011-03-12 20:45:51一番危険な可能性。溶融した燃料が水と接触して爆発する水蒸気爆発。 爆発の可能性は2つ。水素が出て爆発する水素爆発と、水蒸気爆発。
2011-03-12 20:47:00資料室「東電は海水で冷却する決断をしたそうです」 後藤「炉心が熱的に制御できていると格納容器の強度が保つ。制御できていないと水漬けにするしかない。そうしないと冷えない、なりふりかまってないということです」
2011-03-12 20:48:17また話が資料室側に、現在進行している枝野長官会見の要旨、 後藤「水漬けですか、最後の選択ですね。昔、最後の手段として考えました。溶融物があれば爆発しますが…溶融物の量によるが」
2011-03-12 20:50:18後藤 「コントロールできているかが問題です、水漬けにするというのは普通のやり方ではない」、岩見「いちかばちかですか?」 後藤「水蒸気爆発の可能性があるが、やってしまうということか」 後藤「判断は難しい、ただ溶融しているところに水を入れるというのは、究極の選択」
2011-03-12 20:52:17後藤「冷やさないと床が抜けて、溶融物が落ちて水蒸気爆発が起きる。溶融物が少なければ、保つだろうが。非常事態なんですよ、これは」
2011-03-12 20:53:19枝野長官会見要旨を読み上げている。後藤「今の状況は、原子力発電プラントの設計からは完全に逸脱している。コントロールできていない。冷却機能を失い、放置すると格納容器が破壊する可能性がある」
2011-03-12 20:59:42質問「どうやって海水を入れるのか」 後藤「どこかの配管から入れるしなないが、簡単ではないでしょう」 質問「誰が入れるのか、線量は半端ではないはず」 後藤「あらゆる方法を使うでしょうね、すべての配管を試すはず。設計の状況を超えているんだから」
2011-03-12 21:02:16質問「溶融すると核反応が起きるんじゃないのか」 後藤「溶融物が集まると再臨界を起きる可能性がある、それを避けるにはホウ酸水を注入する」
2011-03-12 21:04:31質問「炉内の放射性物質の量は?」 後藤「わからない、私は格納容器という容器の専門家であり、専門外」 質問「本来なら海水を入れるシビアアクシデント用配管を作るべきだったと考えるか」 後藤「普通は設計をなるべく変えないようにする」
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