5/7~ 反英雄討伐イベント特殊リアクション

皇帝邪紋レオンハルトとの3度目の邂逅となる、討伐イベントでの特殊リアクション。
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万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 【特殊リアクション発生】 #反英雄との遭遇 それは、三度目の邂逅。 蜥蜴の魔境が一歩動く度、足下から姿勢を崩された邪紋使いの多くがあの男に斬られていく。噴き出す雷を避けられずに焼かれていく。 →

2017-05-07 13:11:27
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin しかし幸いにして、ルゥインには翼があった。故に、地上戦での不利を避けることができた。竜の飛ぶ高さまで届く地面からの雷撃さえ避ければ問題は無い。 地上を荒らし、嵐のように血煙で魔境の背を染め上げる男が空を仰ぎ見た。 →

2017-05-07 13:11:52
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 頬を、髪を、剣持つ手を、真紅の装飾で彩った黒獅子が――その竜の姿を認めて、狂気の笑みを浮かべる。 「降りて来いよ、なァ」 そう、囁き。 手に、黒い輝きが灯る。湧き出した混沌は素早く突剣の形を成せば、その矛先は空駆ける白黒のドラゴンへと向けられた。 →

2017-05-07 13:12:07
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「テメェは特別相手してやる、ルゥイン!」 投擲。 腕の筋肉が大きく軋み、撓った指先から槍投げの要領で突剣が離れ。 ルゥインと呼ばれた邪紋使いへ、飛来する。

2017-05-07 13:12:26
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 地面から噴き出す雷の刃は怖くない。危険を冒してまで地面に近づくのは、誰かを――地で必死に活路を探す邪紋使いをその刃から一瞬逃すために。 この魔境から己が逃れるだけなら簡単だが、レオンハルトの攻撃と魔境の雷、それから逃れる邪紋使いを、一人でも多く「外」へ送り届けなければ。 →

2017-05-07 13:59:23
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 竜は急上昇と急下降を繰り返す。 辺りに漂う強大な、忌まわしい、恐るべき、よく知った混沌の気配。その中心に向かうことも何度か考えたが、しかしそれは二の次と、「できること」を必死に続けていた竜の耳に。 「降りて来いよ」 逃れようのない、声が届いた。 →

2017-05-07 13:59:56
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 竜は首を貫かれた痛みで、まるで突然時を止めたかのように全身を引き攣らせて固まる。 「っぐ、ああっ」 翼を広げて落下の速度を緩め、爪を動かす。引き抜く。首に刺さったそれを、神経に直接擦れるような痛みに耐えて、引き抜く。 それはもはや執念。惨状の根源。己の総ての痛みの根源への。 →

2017-05-07 14:01:54
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 黒の剣が姿を外に現わせば、べったりと付着した竜の血が炎と化す。黒に輝く炎という矛盾物を纏う剣を、竜はその主へと投げ返し、それに追随するように翔けた。 「レオンハルト!!」 黒の咆哮をあげながら、黒の青年の元へ――空から投げ落とされる槍のように。

2017-05-07 14:02:05
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 竜の豪腕で投げ返された燃え盛る突剣は、しかし戦闘のために神経を研ぎ澄ませた獅子にとっては止まって見えた。 素早く作り出した別の黒剣で燃える飛来物を弾く。甲高い金属音が叫んだ。 続いて天から一直線に急降下してくる竜本体。 以前よりずっと速く、鋭い動きだ。やはり強くなっている。 →

2017-05-08 07:42:41
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin だが。 「まだ遅い」 己が与えた混沌を扱いきれていないことは明白だった。 返す刃で横凪ぎ一閃。 金に吼え猛る、双眼目掛けて。

2017-05-08 07:44:16
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 己目掛け突き込まれる竜爪を、レオンハルトは避けなかった。左腕でそれを受ける。 己自身が与えた混沌で強化を重ねた一撃は、男の邪紋を切り裂き、その腕を易々と引き裂いた。レオンハルトの返り血が竜の腕や胴にかかった。 「痛ってぇなァ」 のんきな声がする。 「いやはや、久しぶりだ」 →

2017-05-08 16:03:05
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 筋肉や神経の断たれた骨剥き出しの左腕が、不自然に動いてルゥインの爪へ絡み付く。混沌で無理矢理動かしているのだ。 「久しぶりだ、俺にここまでの傷を付けた奴は。――だから、」 血が蠢く。返り血が蠢き、宿す混沌が蠢き。 形を変え。 血杭となって、ルゥインの肉体を貫いた。 →

2017-05-08 16:06:08
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「礼をしねぇとな。生きてることを後悔するくらいに!」 バチン。 そう、空気が爆ぜる音がして。 血杭が雷を放つ。 竜の鱗を焼き、体内の神経を焼いて雷が暴れる。 内側から電流に舐め尽くされる、肉体の痛みとしては最も耐え難い部類の激痛がルゥインを襲った。

2017-05-08 16:09:05
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 一撃、黒の獅子の腕を切り裂く。 しかしこれで終わるはずのないことなど当然のように知っている。 返り血を浴びながら狙うは心臓。身体の中の竜の血が、己を取り戻せと叫ぶのに従って。 返り血に濡れた竜が警戒を、全身の殺気を増すと共に、左翼の黒が爆ぜるように広がる。 →

2017-05-08 16:58:49
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 「山海の祝の名に、劫火狂い咲け!」 余裕のある彼の声を上書きするように竜が咆えれば、まだ空高く残る尾の更に上空から、ただ一点、レオンハルトの身体のみを狙って無数の黒炎の弾丸が降り注ぐ――その瞬間だった。 →

2017-05-08 16:59:32
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 混沌が、レオンハルトに直接形を与えられた混沌が、直に竜の爪を絡めとる。全身に黒の粘着質な縄が這うような感覚の後、どこから伝達されたのか分からない痛みが、膨らんで脳にまで突き刺さった。 「…………っ!」 ばちばちと雷の奔る音を撒き散らしながら、腹を血杭に貫かれた竜が落ちる。 →

2017-05-08 17:00:21
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 竜は悲鳴をあげなかった、否、全身が引き攣るような激震に声を発することができなかった。ただ激痛に暴れて闇雲に黒炎を撒き散らすだけ。 刹那その炎が燃え上がり、白鱗が漆黒の極光を放つ。杭に穿たれたまま、息を荒げ、左の眼を取り戻した竜はまだ屈せぬと言いたげに身体を起こした。

2017-05-08 17:00:48
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「業火には生温い、この程度!――我が身に巣食う混沌の焔に比べれば!」 薙いだ剣閃が黒炎を引き裂き、切り裂き、弾き返した。全方位から撒かれる炎弾を黒い剣が、男から放たれた黒い混沌そのままの弾丸が、踊るように撃ち落としていく。 →

2017-05-08 17:14:43
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 心臓へ伸ばされた爪は遥か前で止まり、落ちた。音もなく悶え苦しむ竜が暴れ、巻き込まれた周囲の邪紋使いが数人吹っ飛んだ。 それでもなお屈せぬ様子の竜へ、獅子が嗜虐的に微笑む。 「良い目だ。……ところで、どうだよ?俺の混沌は」 レオンハルトの左腕がめきめきと再生していく。 →

2017-05-08 17:15:10
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin その質問がただの時間稼ぎではないことは分かるだろう。 指す言葉も、今の攻撃のことではない。先日直接混沌核に注ぎ込んだ混沌――竜の身を侵す身中の虫のことだ。 「どうだ?自我を侵食される恐怖は。……殺して欲しいと言えば、今ならその首を刎ねてやってもいいんだぜ」 →

2017-05-08 17:15:27
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin あるいは。 その言葉は――魅力的にも、聴こえるだろうか。

2017-05-08 17:16:03
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 「まだだ」 全ての攻撃を阻まれて、竜は憎悪だけを見せつけるように答える。 憎悪と、怨嗟、そればかりを燃やし続けるように問う。 裏に渦巻く澱みのような、黒の混沌よりも暗く暗い、凍えるような炎を抑えつけて。 死ぬのは怖くない。むしろ、このまま死ぬことができるのであれば―― →

2017-05-08 17:32:01
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart そうだ。このまま死ねるならば、どれだけ救われるか分からない。 日毎に増していく懼れ、日毎に増していく非我、それは黒の青年より遥かに小さいに違いないが、人が人のままで「その」瞬間まで耐え続けることができるものだと、誰が言えるだろうか。 →

2017-05-08 17:33:48
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 忌まわしき混沌の黒が塗りつぶしていくのは、鱗ばかりではないのだと。 それを一秒、一瞬も絶えることなく識り続けさせられることは、紛れもなく。 その言葉に屈しそうになる。殺せと、首を落とせと叫びたくなる。 それをひた隠して竜は咆える。それを誰にも知られぬようにと叫ぶ。 →

2017-05-08 17:35:21
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 「黙れ」 全身を黒炎それ自体に転じた竜は、己の腹に突き刺さったままの血杭を炭に変えた。 「貴様にこの身を殺させてなどやらぬわ!!」

2017-05-08 17:36:14