映画「息の跡」の佐藤貞一さんが著した"The Seed of Hope in the Heart"まとめ:その2

実は「其の弐」もあるのだよ。 じっくりと読んで、陸前高田の「佐藤たね屋」の佐藤貞一さんの思いを感じてほしい。なぜ英語で書いたのか…。 そうそう、佐藤さんのギターの演奏もすごいですよ。
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「映画「息の跡」の佐藤貞一さんが著した"The Seed of Hope in the Heart"をふぅさん(@PzlSJDp6RFY437G)が抄訳しています。追加の前半部分をまとめました。

ふぅ リボベジではありません @PzlSJDp6RFY437G

息の跡:佐藤さんの本。とばしてしまった最初の方を少しずつアップいたします。 第1章 津波からの脱出 見ろ!津波が目の前に!ここから逃げろ!早く!早く!

2017-05-08 18:56:50
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1-1章1 「震災2日前」 震災2日前の3月9日11:45、佐藤さんが歯医者さんにいたとき強い揺れがあります。津波注意報が出されましたが、そこは海から1.5キロも離れていてチリ地震津波でもたいした被害がなかったところですから、誰も気にとめませんでした。

2017-05-08 18:58:36
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1-1章2  この日はご夫妻の23回目の結婚記念日。ごちそうを楽しみにしていたのに治療中の地震で歯に違和感があります。「何てこった」。別にお金持ちではないけれどこんな平凡な日々がどれほど幸せなことか、そのときはまだ知るよしがありませんでした。

2017-05-08 18:59:23
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1-1章3  数分後、海が50センチほど持ち上がります。災禍の種が蒔かれ、育ち、ひたひたと近づいていました。2日前の地震がその前兆だということが解析され避難指示が出されたならたくさんの命が救えただろうに。でも、現代科学にはまだ、そこには至らないのです。

2017-05-08 19:00:53
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息の跡 佐藤さんの本 1-2章1 「包装資材店(原文:PACKAGE STORE)周辺」(海から約1キロメートル地点) *キロメートルは地図上の直線距離ではなく、高田松原からの避難ルートの車の走行距離を指します。

2017-05-09 09:13:12
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1-2章2 3月11日午後2:46、東日本を巨大地震が襲ったとき、佐藤さんは海から1キロほどのところにある包装資材店にいました。この日は春一番の大売り出しで、お店は業務用のレジ袋や包装紙、ポップの材料などが山と積んでありました。

2017-05-09 09:14:09
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1-2章3  外を見ると道路にひび割れができ、そこから噴水のように水が吹き出していました。「水道管が破裂したぞ!」という声が聞こえましたが、そこには水道管なんてありません。今思えばそれが津波の前兆だったのです。佐藤さんは急いで車に向かいました。

2017-05-09 09:15:18
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1-2章4 車はゴムボールのようにバウンドし、停電で信号は消えています。次々と襲ってくる大きな余震。「落ち着け、落ち着け」自分に言い聞かせながら車に乗り込み、ガタガタと震える手で何とかキーを差し込みエンジンをかける佐藤さん。

2017-05-09 09:16:05
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1-2章5 この店の駐車場は狭くて車を出すときはいつもイライラするのですが、この日はたまたま道路のすぐ脇に駐車していて、すぐ道に出ることができました。佐藤さんは種屋へと急ぎます。「妻は、店は無事だったろうか?」 津波がこの地区を襲ったのはそれから数分後でした。

2017-05-09 09:17:06
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1-2章6 この地区は1933年に昭和三陸津波、1896年に明治三陸津波に襲われています。その到達地点がこのあたりでした。防波林に加えて2つの防潮堤もありますから、皆、津波がきても海岸線からせいぜい1キロくらい、ましてや大船渡線を越えるなんてあり得ないと思っていたのです。

2017-05-09 09:18:06
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1-2章7 けれど2011年の津波は過去に起きた津波なんかと比べものにならないものでした。たかだか100年の経験に基づく思いこみが問題だったのです。 市街地に流れ込む巨大な波は荒れ狂う怪物のようだったに違いありません。

2017-05-09 09:19:18
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1-2章8 町の中心部は周囲を建物に囲まれていて海の様子は見えません。津波に気がつくはずもなく、突然の巨大な波に凍りついた次の瞬間、たくさんの人が波に飲み込まれていきました。この店は4人家族で営まれていましたが、たった一人、屋上の手すりにしがみついて助かったきりでした。

2017-05-09 09:19:57
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1-2章9 周辺500メートルくらいの範囲に何カ所か避難場所に指定された建物がありました。体育館は地震の約20分後、15メートルを超える津波に襲われ80人以上の人が亡くなりました。市民会館やコミュニティセンターに向かった人もいました。それはマニュアル通りの全く正しい行動でした

2017-05-09 09:25:04
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1-2章10 しかしこれらの避難場所は前の津波の最終到達点の近くの平坦な土地で津波からの逃げ場がありません。規則に従順なのは国民性なのでしょうか。たとえ危険だとわかっていたとしても自治体が定めた避難場所に向かったかもしれません。思わず戦時中の「玉砕」を思い起こしてしまいます。

2017-05-09 09:29:27
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1-2章11 もちろん玉砕とは違いますが、人々がルールに従って避難場所に向かった、でも、そこを避難場所としたのは間違いだった。これは事実です。 この付近では80%以上、1000人くらいの方が亡くなりました。

2017-05-09 09:30:59
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1-2章12 亡くなった人の中には佐藤さんの高校の同級生、種屋の常連さん、近所の人、友人、先生、包装資材店のご家族、叔父さん夫婦も含まれています。悲しみに言葉を失い、心から冥福を祈るしかありませんでした。

2017-05-09 09:32:46
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ご自分が助かったことを偶然に過ぎない(only by chance)という佐藤さん。第一の偶然は、「たまたま道路のすぐ脇に駐車していて、すぐに道に出ることができた」ことでした。幸運なる偶然に感謝します。

2017-05-09 09:40:10
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息の跡。佐藤さんの本。第1章の続きです。迫り来る津波に気がつかないまま、佐藤さんはまず、種屋さんへと向かいます。 1-3章1 旧今泉付近(海から1.5キロメートル)

2017-05-14 16:01:07
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1-3章2 佐藤さんは包装資材店を出て陸前高田駅付近に差し掛かりました。渋滞していたわけではありませんが、信号が消えていたので車はそろそろと走っていました。その頃すでに東日本に大規模な停電が起きていましたが、何が起こったのか知らないまま、とにかく佐藤さんはできる限り急ぎました。

2017-05-14 16:01:32
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1-3章3 何とか国道340号線に入りお店の方まで続くハナミズキの並木を見て、佐藤さんはほっとします。不思議なことに渋滞していなかったのは、大きな地震に驚いて多くの人がいったん運転をやめたからではないかと考えます。

2017-05-14 16:02:22
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1-3章4  窓の外にはのどかな地方の風景が広がっていました。氷上山もその麓の風景もいつものままです。気仙川の流れにもかわりはありません。気仙川の対岸、海から1.5キロのところに、江戸時代の中心市街地で剣士の千葉周作を生んだ今泉の町があります。

2017-05-14 16:04:33
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1-3章5 このあたりには川岸に彼の銅像や19世紀を中心に建てられた歴史的な建造物がたくさんあります。そのためこの地区には津波はこないものと考えていました。津波の歴史はもっと遡って調べるべきでした。佐藤さんはいつものスピードで川を渡りました。

2017-05-14 16:06:43
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1-3章6 その頃、潮が引き、砂浜が少しずつ現れていました。河口では川底の砂利が見えてきました。忍び寄る津波の影でした。沖合では引いた潮がはじき返され膨らんでいました。危険が迫っていました。でも、佐藤さんはそれに全く気づくことなく通過していきました。こんな光景をみることなく…

2017-05-14 16:13:55
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1-3章7 数分後、この気仙川沿の地域を津波が襲います。津波は高田松原を一撃で押し倒し、堤防を破壊し、あっという間に気仙川はあふれました。波の高さは15メートルに達し、谷間を巨大なヘビのように遡っていきました。

2017-05-14 16:15:57
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