本好きリレー小説第2段

ちょっとしたおふざけ
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みくりさんはそろそろ痩せたい @kurumiris

ココカラ→桜の花の、あの、心の隙間を埋め尽くすような淡い色が透き通るような緑に変わり始めるころになると、新入生は通学路に慣れ始める。そして部活動だとか、委員会活動へ本格的に参加し始める。 空気までもうっすらと上品な紫に染め上げるような、良い香りのする藤棚の下に彼女はいた。

2017-04-11 01:06:16
みくりさんはそろそろ痩せたい @kurumiris

夜の闇の加護を得たような、美しい髪が肩から落ちるのを時折耳にかける。満月を嵌め込んだような金色の瞳は手にした本にのみ向けられている。 まるで、そこだけ時の流れが違うようだと青年は足を止めた。 幸せそうな笑みを浮かべる少女の近くを、大きな蜂が飛んでいる。 → @imoan_01

2017-04-11 01:09:04
いもあん @ssmkkak

@kurumiris まるで絵画のように美しい光景に目を奪われてしまったが、あのままではきっと刺されてしまうだろう。幻想的な空間に足を踏み入れることに少し罪悪感を覚えつつ、そっと側に近付き声をかける。しかし彼女は本に夢中で気付かない。仕方なくポケットに入れていたハンカチを、

2017-04-11 02:45:06
いもあん @ssmkkak

読んでいた本の上に置くと、彼女はハッとしたようにこちらを見上げてきた。遠目からでも美しかった金の瞳には、私が写っていた。「...あの?」不思議そうな顔をしている彼女は首をこてりと傾げている。「もうすぐ授業が始まる。はやく教室に戻りなさい。」 →@asou_myako

2017-04-11 02:47:27
みやこ/朝生 @asou_myako

@imoan_01 本の上に置いたハンカチを回収しながら伝えると、彼女は「あっ」と慌てて本をとじながら立ち上がった。 「ありがとうございます」 こちらを見てふわりと微笑み、会釈をして校舎に向かって走り去っていった。それを見送り、私も校舎へ戻ることにする。後には停止飛行するクマバチだけが残された。

2017-04-11 08:46:49
みやこ/朝生 @asou_myako

うふふん、と小さく鼻歌を歌いながら放課後私は図書室に向かっていた。 私の通学圏内で一番の蔵書数を誇る学校だけあって、ここの図書室は広い。 その割に利用者が少ないのが不満だ。この素晴らしさをどうすれば広められるか考えながら、私はカウンターの定位置におさまった。 @takenoo2

2017-04-11 08:52:08
たけの @takenoo2

@asou_myako 「貸し出しお願いします。」 そう言って本を差し出して来たのは、昼間の親切な美青年だった。本好きならお友達になりたい!! 「昼間はありがとうございました。もしよければ名前を教えて頂けませんか?」 ……お友達になるために名前を聞くのは基本だよね。 その青年は少し驚いて答えてくれた。

2017-04-11 18:58:36
たけの @takenoo2

「フェルディナンド、2年生だ。君の名前はなんという?」 私は名乗るのを忘れていたことに気付き、慌てて名乗った。 「ローゼマインです!よろしくお願いいたします。2年生ということは同級生だったのですね、先輩だと思ってました。」 @sailor_rosemine

2017-04-11 19:03:23
パエリア @sailor_rosemine

@takenoo2 「君も2年生だったのか。てっきり…新入生かと思っていた。」 そういえば、去年隣のクラスにすごいイケメンが居るって一部クラスの女子が騒いでいたような気もする。 残念ながら本以上の魅力は感じられなかったため興味は持たなかったのだけれど。 しかし、そっか。私は1年生に見えていたのか。

2017-04-11 22:19:20
パエリア @sailor_rosemine

1年生が一人でカウンターに座ってるなんてまだありえないもの。 喋りつつも図書委員としての責務は果たすべく貸し出し処理はしっかりと行う。図鑑や新書ばかりで物語は見当たらない。 「調べ物ですか?」 本好きさんとの会話のチャンスは逃すまいと声をかける。 @cacao_honnzuki

2017-04-11 22:24:54
*ハイカカオ* @cacao_honnzuki

@sailor_rosemine 「ああ、部活動で必要なものだ。」 そっか、部活の調べ物か。 それにしても植物や自然科学のものが多いけど、科学部の人なのかな… 「そうだ。1年生から科学部に所属している。君は、何か部活に入っているのか?」 え?今の、声に出てた?しまった、つい心の声が…

2017-04-11 23:00:04
*ハイカカオ* @cacao_honnzuki

「わ、私はなんの部活にも入っていません。本一筋です。」 うん、我ながらいい回答。 すると相手が、フッと笑った。 固い表情を崩す姿に心臓の音が大きくなる。 「同学年なのだから、敬語ではなくてもいいだろう。君は本が好きなのか?」 @IoKunugi

2017-04-11 23:13:18
維緒 @IoKunugi

@cacao_honnzuki この美しい人はずいぶん大人びて見えるので、つい敬語のまま話してしまっていたのだ。しかし同級生から敬語を使われると距離を置かれたように感じるものだ。 それは寂しい。 申し訳なく感じると共に、この人にもっと近づきたいという温かな欲望に気づいた。 「うん。この世の何よりも本が好きなの」

2017-04-12 01:53:47
維緒 @IoKunugi

@cacao_honnzuki 砕けた口調で伝えると、彼はくっと喉の奥で笑い、美貌とちぐはぐな男らしい手で私の髪を梳いた。 「本が好きなのは良いが、外での読書はほどほどにすると良い」 するりと引き抜かれた手には瑞々しい若葉が握られていた。 「君は読書をしていると周りが見えなくなるだろう?」@kushi_h2_1

2017-04-12 02:06:05
志乃@休み @shino_h2_1

@IoKunugi そのあまりにも優雅で滑らかな仕草に驚いてしまう。 「いつもは、幼馴染か姉が迎えにきてくれるの。今日は別人で驚いたわ。改めて、ありがとう」 「そうか。それならばよかった」 そう言うと、彼は踵を返して教室棟に向かって行った。 それが私と彼との出会いであり、新たな物語の始まりだった。

2017-04-12 06:30:04
志乃@休み @shino_h2_1

@IoKunugi 夏服にすら暑さを感じ始めた頃、私はもはや特等席になっている中庭の端のベンチに腰掛け、読書をしていた。柔らかな風と適度な木陰が心地よい。なのに、いきなり隣に人が座ってきた。 「お前か?最近弟がちょっかいをかけてるのは」 にやにやと笑う変な男の登場だ。 @chaines_dance

2017-04-12 06:35:55
ハナ @chaines_dance

@kushi_h2_1 @IoKunugi 弟と言うと誰だろう。ルッツにお兄ちゃんは居たけど、こんな人だったっけ。 変な男は私の顔を見つめていたかと思うと、つんつんと突き出した。 「ぷひ」 「へ?」 つんつんしながら、 「ぷひって言え。ほら、ぷひ」 「ひええええ?!」 なんで絡まれているのか分からないけど、上級生のようだ。

2017-04-12 23:32:15
ハナ @chaines_dance

@kushi_h2_1 言っていることは滅茶苦茶で粗野だけど、王者のような気品に逆らえない気がする。 しばらくぷひぷひされていると、ふと夏の暑さが思い出された。しまった、これはーー 気がつくと保健室だった。閉まったカーテンの下から男子の大きさの上靴が見える。この上靴は @Aquariumay130

2017-04-12 23:49:31
アクア @Aquariumay130

@chaines_dance 「…ルッツ?」 小さな頃からローゼマイン係と呼ばれ、何かと面倒を見てくれている幼なじみの名を呼ぶ。 「…目が覚めたのか」 カーテンの向こうから聞こえた声は、ルッツのものではなく、フェルディナンドの低く若干不機嫌なものだった。 「え?フェルディナンド様?」 どうしてここに?

2017-04-13 01:03:10
アクア @Aquariumay130

@chaines_dance ちなみに様付けなのは渾名である。どうしても貴公子然としたオーラがフェルディナンド君、っていうより様って感じなのだ。 「兄が、すまなかった。君をつつき回して倒れさせたと聞いた」 「ああ、あの人お兄さんだったんだ?」 …なんで彼はこんなに不機嫌そうなんだろう? @van0902

2017-04-13 01:23:32
ねぎにゃん @negi_honzuki

@kushi_h2_1 @van0902 「それで、君はもう大丈夫なのか?」 再びこちらを向き、目をしっかりと合わせながら尋ねてきた。 心配してくれているのは分かるのだが、フェルディナンド様の端麗な顔立ちでそのような事をされると流石の私でも少しドキッとするものがある。

2017-04-14 02:11:27
ねぎにゃん @negi_honzuki

…普段から恋愛とは程遠いと言われる私ですらそうなんだから、他の女子達が騒ぐのも無理ないよね。 「あ、うん。大丈夫。いつものことだから。」 安心させようとなるべく明るく言ってみたのだけれど、逆効果っぽかったらしく、心配の色がより濃くなった。 @wakameimo1001

2017-04-14 02:11:56
わかめ芋 @wakameimo1001

@negi_honzuki 「君は本当に…」 そう言いながら私の額に額をあわせ呟いた 「熱は無いようだな」 「な、ななな無いですよ!大丈夫です!いつものことだし!」 それより早く離れてほしい、と思う @felmai_guriko

2017-04-14 19:34:40
椛饅頭@固定に今後のお知らせ @felmai_guriko

@wakameimo1001 早く離れようと顔をあげると、彼の金色の瞳と視線が交差する。 私のことをまっすぐ見据え、意志の強さを感じさせる金の瞳。 わ、すごく綺麗だなあ…。思わず見惚れていると、 彼の頬に赤みが差し、耳まで真っ赤に染まっていく。 どうしたんだろうーと少し考え、今の体勢を思い出す。

2017-04-14 20:15:28