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アトミックタンク(原爆戦車)のエピソード

460mの距離で核爆発に曝された後にも使われ続け,ベトナム戦争でも実戦に参加したオーストラリアのセンチュリオンの話です
軍事 センチュリオン 核兵器 アトミックタンク 核爆発 ベトナム戦争 戦車 核実験 原爆
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このまとめの後の話
(一部重複あり。趣旨は違うので続けて読む必要ないです)

至近距離で核爆発を受けると何もかもプラズマ化するようです。

{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
地下核実験の経過。 炸裂→岩石/地下水の蒸発・岩石の溶融/破壊・空洞形成→圧力減少・崩落 S&TR | Modeling the Subsurface Movement of Radionuclides str.llnl.gov/str/May05/Pawl… pic.twitter.com/QQ1CaSjQp7
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{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
地下核爆発,もっと細かく見ていくとこんなことが起きている。 最初のマイクロ秒で核反応は完了し,厖大なエネルギーが解放される。 続く数マイクロ秒で核爆弾と近傍の岩石が蒸発,数百万度・数百万気圧のガスになる。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
ミリ秒スケールで高温高圧の岩石蒸気の気泡が形成され,この熱と衝撃波で周囲の岩石も蒸発,さらに外側は溶融し,空洞が形成される。 衝撃波と高圧はこの空洞を押し広げる。膨張によって温度と圧力は低下,起爆から1秒未満で空洞の成長は止まる。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核爆発で形成される空洞の半径は,概ね核出力の三乗根に比例し,1メガトンでは100mほど。 この空洞の外側,空洞半径の約3倍までの領域の岩石は破砕され,さらにその倍程度の距離までは放射状に亀裂が入る。そのさらに外側には塑性変形を受けた岩石が広がり,
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
これら破砕域,亀裂域,塑性変形域で大量の岩石の変形にエネルギーが使われたことになる。 塑性変形域の外側の岩石は弾性変形を受け,地震波の形で地球規模にエネルギーを運搬する。この地震波によって核実験の事実が他国に察知される。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
地下核爆発で形成される空洞が,出力10キロトンでも10mはあることから,例えば戦車の至近で広島以上の核兵器が炸裂したら,破片も残らず文字通り消滅(蒸発)することになる。 かつてソ連が核攻撃に耐えられる戦車を計画したらしいけど,どんな材料でも核兵器の直撃を受ければ消滅するほかない。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
ソ連の耐核戦車といえども核の直撃には耐えられないが,空中核爆発であれば,爆心地付近の普通の戦車であっても耐えられるのではないだろうか。 戦車上面の装甲は薄いとはいえ,数百m上空から球状に放射される衝撃波・熱線では,機関砲ほどのエネルギー密度は得られないのでは?

アトミックタンクの物語

{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核兵器と戦車について調べていて,一台の英国戦車がたどった数奇な運命を知った This Atomic Tank survived a nuclear test, <i>then</i> went to war io9.gizmodo.com/the-atomic-tan… @io9から
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核実験の標的にされた後も生き残り,アトミックタンクと呼ばれベトナム戦争を戦ったセンチュリオンの話。 そんなことが…!
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
1953年10月,オーストラリアの砂漠で,英国の核実験オペレーション・トーテムが行われた。 51年に製造され,英陸軍から豪陸軍に引き渡されていたMk.3 Centurion TypeK,番号169041も,新鋭戦車ではあったが実験の標的に供される。核爆発による被害を調べるためだ。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
460mの距離で正面及び砲塔を爆心方向へ向けたこの戦車は,エンジン稼働・弾薬満載の状態で,核出力9.1キロトン(広島の約半分)の爆風・熱線・放射線を浴びる。 タワーに設置された原爆は地上31mで炸裂,地面に火球が接する地表核爆発である。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
空中爆発の直下にいる戦車なら,脆弱な上面装甲を爆心に晒しているはずだから,このセンチュリオンはそれより楽な条件ではある。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
とはいえ,調べてみると,50トンの車体は爆風で1.5m後退し,エンジンは稼働を止めていた。車外のアンテナ類は失われ,布類は燃え尽くし,車体と砲塔の前面はサンドブラストされ激しく傷ついてペリスコープはおしゃか,側面の装甲板(シュルツェン)は引きちぎられて180m吹き飛ばされた。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
事前予測より軽微な被害だったようで,なんとセンチュリオンは走行可能な状態を保っており(エンジン停止は燃料切れだった…),自走して回収された。 ただし,車内に設置されたマネキンと計測器は,仮に乗員がいれば衝撃波で全員即死だったことを示していた。閉じられていたハッチが全て開いていた。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
「戦車は無事でも乗員が無力化される」というと,中性子爆弾がそれを意図した核兵器なのだが(電気的に中性で透過力の高い中性子線は戦闘室まで届く),通常の原爆でもこれが起こり得るというわけだ。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核実験に耐えたこのセンチュリオンは後に実戦を経験することになる。ベトナム戦争に従軍していた1969年,RPGに左側面装甲を撃ち抜かれる。戦闘室を破片が飛び回るが,乗員は辛くも戦死を免れた。 現在このセンチュリオンはオーストラリア・ノーザンテリトリーの陸軍基地に置かれているという。
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核実験の標的→ベトナムで実戦参加し被弾という苛酷な運命を辿ったセンチュリオン。も少し詳しめの記事。 Atomic Tank: The Unique History of Centurion 169041 freerepublic.com/focus/news/273…
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
核爆発前後の写真を見比べると,戦車の向こうの原爆を設置したタワーが蒸発してなくなっている。 pic.twitter.com/jXq4E3ibMk
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{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
ドイツ戦車じゃないからシュルツェンとは言わないのかな? 200ヤード吹き飛ばされてひしゃげた側面増加装甲板。 pic.twitter.com/46QvShRYFi
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ちょっとした疑問

{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary
閉じたハッチが開いていた,というのは不思議な気がする。衝撃波が襲ったときに,車内>車外の圧力差が生じたからなんだろうけど,一気圧程度ではまさか開かないよね?砲口から入った圧力と外圧に時間差があって,ハッチが開く程になったってことかな twitter.com/Polyhedrondiar…
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コメント

九十九 @hakqq 2017年5月16日
ハッチの件は、外からロックをかける機能がないからあけっぱだった説はどじゃろ?
水面計@いつのまにかオッサン @W_L_G 2017年5月16日
原爆の爆風は「圧力は爆心地で1平方メートルあたり35トン、最大風速は秒速440メートルに達するという強大なもの」であり、さらに「爆風がおさまると、中心部の空気が希薄になり、周辺部から爆発点に向かって強烈な吹き戻し」があったみたいね(参考:広島市HP)。直後に熱線と爆風で車内圧力急上昇⇒ひと段落したら空気が逃げ難い車内と全てが吹き飛ばされた希薄となった周囲との圧力差でボカン! って感じじゃないのかね?
{3,5/2} 大二十面体 @Polyhedrondiary 2017年5月16日
あ,なるほど。ロックかかってなかったってのはありそうです
nekosencho @Neko_Sencho 2017年5月16日
アトミックって言葉、けっこう気軽に使うよね。たとえば電波時計なんかもアトミックって言ったりする(電波のもとの時間を作るのが原子時計だから)
潔癖症ニート @8165_4_65A 2017年5月18日
せめて戦車に入ったら骨位拾ってもらえると しかし実践可能なほど原型とどめられるとは