武士と騎士と弓の話
時代も地域も狭い範囲しか知らないけど、とりあえず飛び道具が卑怯って認識は今まで見たことないなぁ…日本でもそんな認識ない気がするんだけど、時代劇とか発祥ではないのかな… お芝居でならサシの斬り合いで飛び道具出したらそう言うのよく聞くけど
2017-05-19 01:58:22あー、うん、でも、一定のルールの下に行われる「決闘」であれば古代北欧でもそうなるかもな。右手に剣くくりつけて牛の皮の上で戦えみたいなやつ。 それは飛び道具だからというんではなくて、単純に決められたルール以外のものを使ったから、てことでそう認識されるんだと思うけど。
2017-05-19 02:01:29話が戦争だと、卑怯って発想がそもそも通じないものだからなぁ。 ヴァイキング時代だと弓に限らず槍も基本的に投げて飛ばすやつだもんね…でも最初の投げ槍が開戦の合図という慣例みたいなものがあったようだし、少なくとも槍飛ばすのは誉れある行為だったろうと思う
2017-05-19 02:05:47なんていうか、どの国でどの文化だとしても、飛び道具が卑怯か卑怯でないかの認識は闘争のシチュエーションによりけりな話だ、と思うんだけど、文化でひとくくりにされてしまうとふむーん?てなるなぁ。
2017-05-19 02:14:13厳格なルールが設定された場で、ルール外のものを使用したのであれば、それはいつ何時の何処であっても、物が何であっても卑怯と言われるのは同じだろうしなぁ。
2017-05-19 02:17:48決闘の話をしたけど、ヴァイキング時代の決闘に関して言えば、正しい者が勝つので神の立会いのもとそれを決めてもらおう、という裁判みたいなものなので、戦争とはだいぶ違う守るべきルールが色々あった。 他の時代でも、決闘と戦争では話が違うだろうよね。
2017-05-19 02:21:09元ツイを覗いてきたけど、「飛び道具は卑怯」って知る限り決闘のシーンで使われる台詞に思えるけど、言っている人はどうも戦争における弓の話をしてるようで、そもそも意味が違う気がするがなぁそのシチュエーション、と感じたとかなんとか
2017-05-19 02:24:01卑怯というんではないけど、北方民族文化誌に、効果的すぎて「ずるい矢」と書かれてる鉄鏃の矢の話は出てきた。 上に向けて撃つものなんだけど、自重で落下する時に突き刺さり、外れて地面に刺さったら柄が折れて鏃が撒き菱みたいになり、これを踏んだ馬の蹄に刺さって足をダメにするという
2017-05-19 02:36:16古典期ギリシアにおいても「飛び道具は卑怯なもの」という認識が支配的だった。これが飛び道具が重装歩兵の社会的地位を脅かすのを防ぐための防衛機制だったのか、あるいは飛び道具を蔑視する考えが先にあってそれが重装歩兵の発展に関与したのかという「鶏が先か卵が先か」的な議論がある。
2017-05-19 12:31:29面白いのはホメロスにおける飛び道具の描写に関する議論。『イーリアス』において、飛び道具は戦士たちが使う投槍を除いてほとんど出てこない。弓の名手であるピロクテテスはレムノス島に置き去りにされ、戦争に参加する事すら出来ないという逸話が触れられるだけという扱いだった。
2017-05-19 12:34:28しかし、『オデュッセイア』においては一転して弓がプロットで重要な意味を持つ。オデュッセウスの館にある、彼以外には引く事すら出来ない強弓が彼の正体を証明し、彼はこれを引いてみせたあと求婚者らを片っ端から撃ち殺すのである。
2017-05-19 12:36:27『イーリアス』と『オデュッセイア』における、飛び道具への態度の違いは何を示しているのか?という議論だったが昔に読んだ話だったので結論が思い出せない。
2017-05-19 12:38:23なお、注意すべきなのは「飛び道具は卑怯である」という認識があった事=飛び道具が戦場で用いられなかった、ではないという事。熟達した飛び道具の使い手が極めて有用だった事はギリシア人も認識していた。
2017-05-19 12:40:47問題なのは、文献史料における重装歩兵以外の戦場での描写が少ないということ。こういったものの著者らは基本的に重装歩兵階級かそれ以上の人間だったので、社会的地位の低い飛び道具の使い手らの行動に興味が無かったか、重装歩兵の行動を強調したがったのだろう。
2017-05-19 12:43:25