ベルナール・ライール『複数的人間』読書メモ集

ベルナール・ライール『複数的人間』(鈴木智之訳、法政大学出版局、2013)の読書メモ集をまとめました。Bernard Lahire, L'Homme Pluriel : Les ressorts de L'action, Armand Clin/Natathan, 1998.
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ベルナール・ライールの仕事を参照しているが、これこそ私がずっと求めていたものなのかもしれない、という期待感がある。思想の科学シンポでブルデューの文化資本論に言及したが、その決定論的な性格は、同時に話題にしたプラグマティズムと相反するようなものに見えた。

2017-05-20 15:58:15
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ブルデューを肯定しながらも、依然としてプラグマの可能性を信じることなどできるのか。ライールの複数的ハビトゥス論はこれの大きなヒントを与えてくれるのでは。

2017-05-20 15:59:58
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「エミール・デュルケムは、世界に対する非常に一貫した持続的な関係のとり方という意味でハビトゥス概念を用い、二つの特異な歴史的状況に関してこの概念に言及している。すなわちそれは、「伝統的社会」と「寄宿制度」である」(ライール『複数的人間』)。単一ハビトゥスは閉鎖空間でなきゃダメ問題

2017-05-20 16:53:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

文学テクストを書く者がおかれている状況は、友人や編集者や世俗の交際相手などを前にした時の状況と、まったく共通のものをもたない。そして、つまるところ、さまざまな場面で行動しているのは同一の人間ではないのである。byライール『複数的人間』

2017-05-20 18:34:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ボードレールは、サント=ブーヴから好意的な評をえようとして、彼に対してとてもうやうやしくおもねるような手紙を幾通か書いたのである」(ライール『複数的人間』)。オレもオレを褒めるように大澤真幸に手紙書いてみるかナ(棒)。

2017-05-20 18:39:19
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「潜在的なカ(puissance)を社会-発生論的にその力を生みだした諸行為から次第に切り離してしまったりする危険性はつねに大きなものである」(ライール『複数的人間』)。分かる。ケイパビリティアプローチにイマイチ納得がいかないのもココ。

2017-05-20 20:14:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「諺は「友だちの友だちはまた友だちである」と主張し、そこには人間同士の関わり合いに関するひとつの見方、すなわちそれはいつも同じものであるという見方が凝縮されているけれども、まったくのところ、友だちの友だちは必ずしも友だちとは限らない」(ライール『複数的人間』)。逆に気まずい。

2017-05-20 21:30:40
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

現実に、たがいに交際しあうのは、均質なハビトゥスを備えた行為者の「全体」ではなく、しばしば明確なポイントにおいて、非常に限定された状況の中で、たがいに適応しあい、同調しあう行為者たちなのである。byライール『複数的人間』

2017-05-20 21:31:17
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

反省的であるということ(ある事柄について、状況や作品を前にして、ある対象物や発言に関して)は、反省的にその反省を行なっていることを意味しない。byライール『複数的人間』

2017-05-20 21:53:30
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

行為の過程から切り離された受動的な活動などではなく、読書は行為を構成する一部分なのである。byライール『複数的人間』

2017-05-21 08:18:46
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ライールのメモ書き研究。実践感覚を重視してメモをみない(一般に学歴の低い)ハビトゥスを身につけた人も、公的・堅苦しい・緊張的な場面ではメモを活用する。ハビトゥスの一元的決定に服さない社会的文脈がある。面白い。

2017-05-21 09:47:27
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

カレンダーや、やるべきことのリストや、日記式の手帳や、買い物リストや、旅行日程などは、私たちが時間に形を与えるための手段、時間の社会的構築の手段であり、それはハビトゥスの状況に対する前反省的な適応に対してくりかえされる日常的例外を構成している。byライール『複数的人間』

2017-05-21 10:02:03
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ボクシングの動作に関する習慣の身体化の場合と同様に、その他の身体的実践についても、諸研究によって言葉の多形的で多機能的な介在が明らかにされている」(ライール『複数的人間』)。これに関係した本たしか前に読んだよな。なんだっけ。思い出せない。

2017-05-21 19:46:42
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「言葉はほとんどの場合に、それなしには存在しえないであろう実践や行為の構成要素である」(ライール『複数的人間』)。分かる。

2017-05-21 19:50:04
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

若者も大人も、厳密にいえば「社会構造」を身体化するのではなく、身体的、認知的、価値的、評価的などの諸習慣を、いいかえれば行為図式を、個別の社会的文脈に適用される(時には限定される)ふるまいや思考や感覚や発話の様式を身体化するのである。byライール『複数的人間』

2017-05-21 21:04:05
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ニーチェは、稲妻は雷の一つの現象形態に過ぎないのに、通常人々は雷と稲妻を二つの異なった現象と見なし、一方が他方の原因であると考えてしまうことに注意をうながしていた」(ライール『複数的人間』)。え、どう考えたら違うんだ?

2017-05-21 21:12:33
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ライール『複数的人間』読了。一言でいうと、ブルデューをもっと細かくやっていきましょう、ってことなわけだが、ハビトゥスの宿命論的な響きが緩和され(多元に決定されてるだけだけど)、かなり感化された。ゴフマンの参照が大事に思うが、米社会学と仏社会学とを折衷するとこんな感じになるのかな。

2017-05-22 13:28:42
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

あと複数的人間ってスゲー分人っぽいよな。

2017-05-22 13:31:33