ピエール・ブルデュー『パスカル的省察』読書メモ集

ピエール・ブルデュー『パスカル的省察』(加藤晴久訳、2009)の読書メモをまとめました。Pierre Bourdieu, Méditations pascaliennes, Éditions du Seuil, 1997.
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ノージックとブルデューは、ともに2002年1月23日に死んだそうだ。

2017-05-24 13:13:34
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

レクトールというのは、アカデミックな注釈を政治的行為と、あるいはテクスト批判を抵抗の行動と取り違える、そして、コトバの次元の革命をモノの次元の革命として生きる輩である。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-24 14:04:02
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

真理を発見した者が真理を発見することに利害関係を持っていたと発見したからといって、真理発見の意義が低減するわけではない。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-24 14:08:38
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

無意識とは歴史である。われわれの思考カテゴリーを作り出した集合的歴史であり、また、それらの思考カテゴリーをわれわれに教え込む過程にほかならない個人的歴史である。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-24 14:25:11
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ハイデガーが言う科学の平民的な道具の象徴が統計学である(ダス・マンについての有名な箇所ではっきりと統計学に触れている)」(パスカル的省察』)。面白い。

2017-05-24 15:11:51
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「野蛮」とは、はしなくもカントの「野蛮な趣味」という概念が思い出させてくれるように、内部の野蛮に他ならない。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 10:20:12
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「(わたしが何度も、とりわけアルジェリアの下層プロレタリアートについて、彼らを生み出した矛盾した形成条件の痕跡を緊張と矛盾の形でとどめている分裂ハビトウス、引き裂かれたハビトゥスが存在する、と言っているのに)」(ブルデュー『パスカル的省察』)。言ってたんかーい!

2017-05-25 10:48:24
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

多くの普遍主義的マニフェストや普遍的処方は個別的ケースの普遍化の産物、すなわち、スコラ的条件を構成する特権の(無意識的)普遍化の産物にすぎない。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 10:57:20
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

国際関係においても国内関係においても、抽象的普遍主義は、多くの場合、既成の秩序を、つまり権力と特権の現行の分布を、つまり異性愛者、欧米(白人)、そしてブルジョアである男性の支配を正当化する役目をはたす。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 11:09:16
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

芸術界のノモス(「芸術のための芸術」)は十九世紀後半に確立されたが、これは経済の界のノモス(「ビジネスはビジネス」)の逆転である。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 13:39:17
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ジェンダー、国民、民族、人種、いずれも社会的構築物だと指摘するのはよいが、これら社会的工作物を遂行的発話で「抵抗」を歌いあげて「脱構築」するだけで破壊できると信じる、あるいは信じさせるのは素朴、したがって危険である。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 15:03:32
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

人間は決定されている(悲惨)、しかし自分がどう決定されているかを認識することができる(偉大)、そして諸決定を乗り越えようとすることができる。これらすべてのパラドクスがその根源を反省性という特権のうちに見出す。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-25 19:31:56
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「厳密な人間学が前提とする権利がある(ドゥルーズが解釈したヒュームによれば)この唯一の傾向性は非自然的な、恣意的な諸能力を獲得する自然的な能力としての被条件づけ可能性にほかならない」(ブルデュー『パスカル的省察』)。ブルもドゥルーズ読んでんだな。ちょっと意外。

2017-05-26 10:33:52
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

もっとも真剣な社会的強制は知性でなく身体に、メモ帳として扱われる身体に向けられる。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 10:41:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ハビトゥス変革の原理は期待と経験とのあいだのギャップ、プラスあるいはマイナスの驚きとして体験されるギャップにあると認めるならば、このギャップの大きさとギャップに帰属される意味はハビトゥスに左右されると想定しなければならない」(ブルデュー『パスカル的省察』)。ここ大事。

2017-05-26 10:59:45
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

相続者が遺産を所有することができるのは、まさに、遺産が相続者を所有したときである。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 11:06:25
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

物事ははっきりさせるに如くはないから言うが、運動選手のトレーニングとおなじような反復的な練習を含む真の逆訓練だけが、ハビトゥスを持続的に変革することができる。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 12:05:44
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

既成秩序への服従は、集合的歴史(系統発生)と個人的歴史(個体発生)が身体のなかに書き込んだ認識構造と、それら認識構造が適用される世界の客観的構造とのあいだの一致の産物である。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 12:11:55
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

恐怖は未・来(襲いかかってきそうな犬、突進してくる車)を、すでにそこに在るものとして、取り返しの利かないものとして(「もうだめだ」「おしまいだ」)生きる。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 13:56:32
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ハビトゥスとは現在への過去の現存であり、この現存が現在への未・来の現存を可能ならしめるのである。byブルデュー『パスカル的省察』

2017-05-26 13:59:28
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

つぶさなければならない空っぽの時間が、ビジネスに熱中する者のフルタイム(あるいは充実した時間)に対立する。時の経つのを忘れるとよく言うが、逆に無力は、パラドクサルなことだが、直近未来への没入関係を断ち切るから、何かを待っている時のように、時間の経過を意識させる。byブルデュー

2017-05-26 14:22:46
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ブルデュー『パスカル的省察』読了。超面白かった。理論書に分類されるだろうが、『実践感覚』よりリーダブルなのでは。「引き裂かれたハビトゥス」や「ハビトゥス変革」に関して明確に語っている所が参考になった。只、「イルーシオ」が最後までなんなんだかイマイチ分からなかった。

2017-05-26 14:38:14