釜石「狐崎一揆」(1601年/慶長6年)とその周辺

関ヶ原役の戦いの翌年、慶長6年(1601年)に現在の岩手県釜石市で生じた「狐崎一揆」について、Sひろし @1970er さんの考察をまとめます。 ■キーワード: 狐崎一揆、狐崎城(狐崎館)、遠野十二郷、鹿折信濃、阿曽沼広長(阿曾沼広長)、南部氏、伊達氏、大槌氏、葛西家再興、平田の戦い、赤羽根峠の戦い、樺坂峠の戦い、気仙横田佐々木家文書、釜石市誌概略、大槌町史、遠野市史
ログ 狐崎城 釜石市 住田町 鹿折信濃 狐崎一揆 気仙 岩手県 郷土史 阿曽沼広長
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Sひろし @1970er
東京都の図書館群が凄いのは大方の本なら、どこかに図書館にあって相互協定で借りることができる点。例えば、先日、関ケ原役後にあった岩手県の狐崎一揆を調べたときは、釜石市誌概略大槌町史遠野市史があっさり借りられた。
Sひろし @1970er
続> 狐崎城のある釜石市誌概略には記述がなく、大槌町史の方が章を作るほど詳しく載っていたのは意外でしたが。江戸期までは南部領三陸南部の中心は大槌だったらしいので文献の残り方に差があったのかもしれない。遠野市史は、南部氏による遠野阿曽沼領併合に力が入って狐崎一揆は触れる程度だった
Sひろし @1970er
続> 「大槌町史」には「気仙横田佐々木家文書」という南部家家臣で狐崎城主であった人物の記録という珍しい文書も紹介されていた。ただ当時の狐崎は阿曽沼領だし、一揆に城を奪われた上に伊達家に援助を求め、伊達領に亡命するというのは南部家家臣としておかしく、町史も内容を疑っている

  

Sひろし @1970er
続> 狐崎一揆は、葛西家再興を歌っていたとされるが、具体的にどんな軍事行動をしようとしていたか不明であり、阿曽沼領とは言え南部氏の勢力圏であるのに、伊達家が殲滅したのが謎とされているが、全体の流れを見ると別のものも見えてくるように思う
Sひろし @1970er
続> 狐崎一揆は、関ヶ原役に紛れた南部氏による遠野阿曽沼領併合の陰謀の中で発生した。狐崎一揆より前の平田の戦いは、かつては海岸沿いの伊達南部国境の平田(先日山火事があった所)とされたが、近年は世田米平田とされる。南部の支援を受けた遠野反乱軍が伊達領に侵入して起こした戦いとされる pic.twitter.com/xDuMyxYAHX
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Sひろし @1970er
続> 南部側が先に伊達領に侵攻しているのだから、伊達勢側も対抗して南部領に侵攻しても文句は言われないと考えた結果が、南部勢力圏に侵入しての狐崎城攻略するのに繋がったのではなかろうか。
Sひろし @1970er
続> 阿曽沼の分家である大槌氏は南部氏による遠野阿曽沼領併合には直接参戦していないため立場が不明確だが、南部氏を支援して岩崎一揆の鎮圧に参加していることから、遠野の反乱軍と同様、南部氏側と予想される。狐崎城は阿曽沼領遠野十二郷に含まれるが、大槌城に近く、南部氏側の支配下と思われる
Sひろし @1970er
続> 狐崎一揆の参加メンバーの首謀者鹿折信濃であり、彼の旧領は気仙沼市北方の鹿折鉱山近辺と思われる。となると「葛西復興」とは伊達家が支配する(鹿折を含む旧葛西領の奪還ではなかろうか。これは伊達氏の動きに掣肘を加えたい南部氏の利害とも一致し、伊達氏として優先して潰す理由にもなる
Sひろし @1970er
続> 狐崎一揆は伊達軍の急襲で潰えたが、これで支援を後回しにされた阿曽沼広長の遠野奪還は晩秋にずれ込んだ。広長は赤羽根峠の戦いに敗れた後、短期間で再侵攻を図って樺坂峠の戦いで大敗するが、南部氏の遠野併呑を徳川家が承認する前に、遠野を奪還しなければならないという焦りがあったのだろう
Sひろし @1970er
続> というのが、狐崎一揆についての私の見立て。

  
探訪 2017年8月

Sひろし @1970er
(8/10)は遠野側の大峯鉱山や釜石鉱山を探索する計画もあったが、事務所見学で時間を使いすぎたし、雨で中止。他に見たのは阿曽沼内訌の縁の地のみ。 まずは、阿曽沼広長が遠野に帰ろうとして阻まれた五輪峠、当時の北上盆地=遠野を結ぶ主街道。車道は蛇行するが傾斜は緩やか。 pic.twitter.com/4eGlw6F2tX
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Sひろし @1970er
(阿曽沼内訌)鱒沢らが広長方を奇襲した平田古戦場(8/10) 1枚目:右の家が平田砦(外根岸館)跡、鱒沢らは中央の丘を右に曲がった谷から侵入 2枚目:平田砦救援に動き戦死した浜田喜六の上有住城跡、曲輪も大きく段差等も見られる 3枚目:平田砦から上有住城(中央の丘)は見える距離 pic.twitter.com/I51sSyrVNU
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Sひろし @1970er
(阿曽沼内訌)1601秋冬の古戦場(8/10) 1枚目:1回目の戦い・赤羽根峠。坂はなるいので、遠野と気仙を結ぶ主街道だったのだろう 2枚目:2回目の戦い・樺坂峠。遠野側はなるいが、世田米側は深めの谷。広長方は正面から吹雪に吹かれて不利になったと言うから遠野側の坂で戦ったか? pic.twitter.com/N3XREW2pnC
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Sひろし @1970er
忘れてた、通りすがりにこんなのも見つけた「葉山めがね橋」。周囲に義経の北行伝説も残るが、建設自体は昭和初期(8/10) pic.twitter.com/QFWVZT8os9
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(参考)

 →▼狐崎城(岩手県釜石市)の詳細情報・周辺観光|発見!ニッポン城めぐり https://cmeg.jp/pc/391
 →▼狐崎(中世)|角川地名大辞典(旧地名編)|JLogos http://jlogos.com/ausp/word.html?id=7253567
 
 →▼[mixi] 伊達政宗の野望と南部利直「釜石の陣」 壱〔2007年12月22日〕|北斗英傑録http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=1422821&id=26284948
 →▼[mixi] 伊達政宗の野望と南部利直「釜石の陣」 弐〔2007年12月27日〕|北斗英傑録http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=1422821&id=26437606
 →▼慶長5年和賀一揆の発生時期と、伊達南部抗争に至る過程に関するちょっとした疑問と思考の垂れ流しメモ〔2014-11-12〕|Privatter http://privatter.net/p/497586
 
(狐崎城/狐崎館)
 →▼狐崎館 (釜石アラモ砦)〔2007-12-16〕|「じぇんごたれ」遠野徒然草 http://blog.goo.ne.jp/jengo2/e/8ecd7868ed3bb1b873855cb0b3eaa196
 →▼狐崎館・戦慄の釜石の陣〔2009-11-24〕|遠野郷中世城館録 http://blog.goo.ne.jp/jengo5/e/e17feb97b161602b1abda357a56af1dd
  

(平田の戦い)
 →▼平田の戦い〔2016-02-17〕|「じぇんごたれ」遠野徒然草 http://blog.goo.ne.jp/jengo2/e/1406bc5a9e9804d1ed66186b772830b4
 →▼平田合戦〔2007-06-18〕|「じぇんごたれ」遠野徒然草 http://blog.goo.ne.jp/jengo2/e/fcbd332c28feb1fd8295a5bf3be17618
 →▼きろく解読館:一、遠野家之次第/慶長六年、阿曾沼氏再興ならず没落|近世こもんじょ館 http://www.komonjokan.net/cgi-bin/komon/kirokukan/kirokukan_view.cgi?mode=details&code_no=57224
 
(赤羽根峠の戦い)
 →▼刃金館・赤羽根合戦 - 遠野郷中世城館録 http://blog.goo.ne.jp/jengo5/e/38bf89f4fd2f11c7ac3e1dee62a66c62
 →▼日門城(気仙郡下有住)探訪〔2010-12-08〕|「じぇんごたれ」遠野徒然草 http://blog.goo.ne.jp/jengo2/e/000f1283471e981f4396a246e58a207f
 →▼「やさしい遠野の歴史と伝説」 第二回<中世篇>報告|取り組み|遠野文化研究センター http://tonoculture.com/dealing/public-lectures/1012/
 
(樺坂峠の戦い)
 →▼古戦場・樺坂峠〔2006-12-01〕|「じぇんごたれ」遠野徒然草 http://blog.goo.ne.jp/jengo2/e/a35f63443fd6fd111725017f23e80014
 →▼樺坂峠〔2015年9月14日〕|みちのく悠々漂雲の記/岩手県 http://mitinoku.biz/hist_walk/hist_iwate/?p=976
 →▼田中清六と南部氏 其の四〔2016-02-04〕|「遠野」なんだり・かんだり http://blog.goo.ne.jp/fuefukidouji_2006/e/baaea11e196a9f575974aad35b70910d
  

(阿曽沼広長)
 →▼Category[ 阿曽沼広長 ] - 戦国ちょっといい話・悪い話まとめ http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-category-1417.html
 →▼武家家伝_遠野阿曽沼氏|戦国大名探究 http://www2.harimaya.com/sengoku/html/m_asonu.html

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