特別報告者は「個人の資格」で「国連の総意でない」という言葉の意味は? 国連と無関係ではない特別報告者と、理事会システムなどの解説

111

まとめ

要するに何が言いたいかというと、「ケナタッチ氏は国連の名を借りて好き勝手している人」ではなく、国連への報告のためフリーハンドで動いてる専門家であり、「事務総長がケナタッチ氏の行動を批判した」というのはミスリードだという話です。

もちろん政府側の立場を取り、ケナタッチ氏の書簡に反対する人が居ても良いんですが(むしろ外圧に迎合して賛成一辺倒になるよりそういう人が居る方が健全だと思います)、「国連の名前を騙ってるだけだから話を聞かなくていい」みたいな論は間違いです。

※まとめ主の個人的な意見を言いますと、特別報告者にもソース無しの話をする死ぬほど酷い人は居ますし、国連により一方的に選ばれた報告者が国内の立法に関与していくということ自体への賛否はあると思います。

が、ケナタッチ氏は各国の立法などを批判している立場で、プライバシーの世界的権威でもあり、批判の内容も(賛否はあれど)極端な解釈に基づくものはないように見られます。

ケナタッチ氏が動いた時点で「国際社会から批判が!」とか言い出したアレな人はもうどうなってもいいんで(ただし報告者にまともに答えず抗議したことは批判されてる模様?)、ケナタッチ氏の意見が誤解だと言うなら何故誤解だと言えるのか政府には説明して欲しいです本当に。

【追記】実際の事務総長の発言と国内報道が異なっている可能性

💫T.Katsumi @tkatsumi06j

【抄訳】国連記者クラブ所属の「ICP」が安倍・グテーレス会談に関する事務総長スポークスマンのストーメントを公開(2017.05.28) tmblr.co/ZkaXPk2M7lAZ1

2017-05-29 14:19:22
💫T.Katsumi @tkatsumi06j

2.特別報告者の個人資格について 「特別報告者に関する報道について事務総長は,安倍首相に対し,特別報告者は人権理事会に直接報告を行う独立した専門家であると述べた。」 以上 pic.twitter.com/DtxZnCvNLl

2017-05-29 14:43:57
拡大

安倍首相と事務総長の会談、国連報道官が日本政府と異なる見解

 一方、共謀罪の構成要件を厳しくしたテロ等準備罪を新設する法案に懸念を示した国連の特別報告者について、日本政府はグテーレス事務総長が「国連とは別の個人の資格で活動していて、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」と伝えたとしています国連の報道官は、これについても、「事務総長は特別報告者について、国連人権理事会に直接、報告を行う独立した専門家だと説明した」と指摘したうえ、「特別報告者の意見は個人の意見だ。しかし、彼らは国連人権理事会の組織の一部でもある」とコメントしています。

独立の立場だとは言っていますが、外務省発表とは異なり「総意ではない」という言葉は使われなかった模様

※まとめの趣旨と無関係なので詳しくは述べませんが、特別報告者に関してと同時に報道された、事務総長による日韓合意発言の内容も国内報道の一部を否定。