吾妻吟個展「血は可能性を撒き散らしている」考察

吾妻吟@AgatumaGinさんの個展「血は可能性を撒き散らしている」についての@qothrの考察をまとめたもの
0
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 吾妻吟さんの個展、ステートメントは現代人の心理に普遍的に訴える問題意識だと思うけど、作品や作品名はゲンロン0に完全準拠していて (それは吾妻さんも認めていた) 、読んでおかないと文脈度外視の解釈になってしまいそうだnote.mu/agatumagin/n/n…

2017-05-30 09:53:14
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ ヌーソロジーというかOCOT情報によれば、人間の意識が天体 (マクロ) から素粒子 (ミクロ) までを一通り交差したことによって、人間の文明の物質的発展は極限を迎え、これ以上はほとんど革命的発見はなく、以後は精神的な発展の顕在化に転向するらしい

2017-05-30 13:59:07
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ そのことと、ステートメントで語られている問題意識とが重なってくるように思える。「今日の芸術は社会を何一つ変えてこなかった」「政治の本質は、様々に言うことができるけれど、ここでは「血」であると宣言する」「僕たちは、芸術で血を通わせることができる。それは政治になる」

2017-05-30 14:01:33
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ OCOTはユダヤ的精神性が人間の物質的発展を先導したという。精神性と血とは、大きく重なる。赤血球の核である鉄は、ヌーソロジーでは次元精神とよばれ、他の元素に比べると特別視されている。「鉄の力が精神に満ちたとき、鉄はその働きを人間を覚醒させるための働きへと転換させる」

2017-05-30 14:12:39
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ OCOTはもっと直接的な言葉を使う。ヘム核にある鉄原子の働きとは「人間の意識における力そのもの」だという。まさにこの個展にいう「血」の力だ。またこれは、太陽の中で鉄までの元素が生成されていることとも深く関係があるらしい。どの人間の意識にも太陽が必ず現れているはずだ

2017-05-30 14:27:04
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ OCOTはまた、世界についての認識に多様性を生み出す行為 (一般には創造と呼ばれている!) は、実は人間の認識の構造という普遍的原理についての知識を埋もれさせてしまう、いわば真の破壊だと伝える。グローバリゼーションを裏打ちする相対主義や多様性偏重主義もこれにあたる

2017-05-30 14:40:52
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 真の創造とは、世界についての多様化した認識を、より高次元の思考様式によって等化していくことだという。吾妻さんの「伝統的な芸術に回帰して、そこで論陣を立てて、引籠る、という決断主義が今の多くの芸術の主流」、twitter.com/AgatumaGin/sta…

2017-05-30 14:45:07
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 「その問題は外側にいないと解決できない」との問題意識と重なるように見える。ヌーソロジーに言わせれば、平面の中にいては平面の全体を一様に観察できない。観察とは直交性である。すなわち観察行為は一つ高次元の位置にある

2017-05-30 14:46:34
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ ゲンロン0にいう観光客もまた、幾何学的には国民国家と帝国の関係性に直交するように配置される概念だろう。そこでは、マルチチュードが中和であったのに対し、観光客は等化なのかもしれない。グノーシス主義者いわく、現世の光と闇は、闇の中の闇と闇の中の光の戦いにすぎない……

2017-05-30 14:53:00
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 問題の核心はこうだ。「僕たちの中にいったいどれだけ戦争や血統を欲し、望む人がいるだろう?」「僕たちは血を見るしかない。血を流すしかない。でもそれは、物理的な流血である必要はない」。では何が「血」の代替物となりうるか。ゲンロン0ではそれをひとまず「家族」と見定めていた

2017-05-30 15:01:59
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ メディアの中に血を流すとはどういうことか。現代において、ある概念が力を持つのはどういうときか。ステートメントでは、抽象的だが「そのために幾分かの「代償」を払う」ことだと書かれている

2017-05-30 15:06:08
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ ヌーソロジーに言わせればそれは、古代の神話に始まり、精神分析、量子力学、つまり精神と物質とを同じ言語で説明できるような高次元の思考様式だと答えるだろう。すなわちヌース (旋回的知性) だ。対立する方向性を回転させることで、回転軸として一つ高次元の方向性が生まれる……

2017-05-30 15:20:23
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ かと言ってそれだけでは、耳当たりがあまりに突飛で手を付けづらいのも確かだ。入り口において本当に力を持つのは、「家族」のような、誰にもすぐわかるような身近でかつ強制的なものでなければならない。ゲンロン0では「家族」に力を与えるものとして出生の偶然性と憐れみを挙げている

2017-05-30 15:34:19
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 逆に考えてみよう。現代人の多くが無批判に受け入れているものは何か? そこに接続することで社会が変わるようなものは何か?

2017-05-30 16:19:37
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 「人間は人間が好きではない。人間は社会をつくりたくない。にもかかわらず人間は現実には社会をつくる。なぜか」。ヌーソロジーは次のように言っている。「個体とは、人間が持った社会性の反映として成立しているもの」。次元観察子ψ11〜12の位置だ

2017-05-30 16:24:24
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ ここで社会としての人間の意識にはそれぞれの主義主張という連帯が生まれる。さらに言えば国家の対立も善悪の対立もここで生まれる。マルチチュードは結局のところこの構図 (社会の中での私) に同一化してしまうが、観光客は誤配の機能によって差異化される、と読める

2017-05-30 16:29:23
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ ヘーゲルは国民国家が人間の精神的発達に必要な段階だと教えてくれた。ヌーソロジーは人間の物質的発展は無意識的な精神的発展の反映であり、さらにはその顕在化の基盤となることを教えてくれた

2017-05-30 16:34:49
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ この構図をそのまま踏襲するならば、現代人の世俗的関心の先にあるVRゲームが有効かもしれない。少数の哲学者ではなく、娯楽を享受する大衆の、VR空間への「没入」についての現象学的思惟 (おそらくこれは誤配として無意識的に起こる) によって、社会が変化するのではないか?

2017-05-30 16:40:07
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ VR体験が世俗的な好奇心や欲望を満たしてくれるのは明らかだ。観光よりも圧倒的に低コストで体験できる。そこでは誤配も起こりやすいだろう。しかしそれは、身近にはなったとしても、強制的なあるいは「そのために幾分かの「代償」を払う」ようなものかと言われれば踏み留まってしまう

2017-05-30 16:45:55
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ SAOが描いたのはまさに強制的で代償的なVR世界だったが、もしVR世界がオンライン技術によって、同一化の被膜で全世界を常に繋いでいるような状態になれば、脳や命のような何らかの重たい代償が取り扱われるようになるのだろうか

2017-05-30 16:52:24
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 身体感覚を電子的なもののなかに移すという、ニューロマンサー的な状況はいかにも悪魔的だが、やはり人間の精神的発展の定石通り、進化のためには必要な影だということかもしれない。何よりVR空間への没入は家族や観光よりも、意識の構造について重要な示唆を人間の意識に呼び起こす

2017-05-30 16:58:39
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 一方でデジタルネイチャーは、VRに比べてより身近かつ強制的なものとして働くだろう。落合氏のいう「マジカルに見えるもの」は、ゲンロン0の文脈でいう「不気味なもの」をまさしく体現するような、ヴァリス的世界観のように思える

2017-05-30 17:11:29
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ 例えば目の前でものが浮いていたら、それはそれは不気味なものとして受け取られるだろう。それは初めのうちは現実世界への観光客にとって誤配として機能し、その時点で物質世界の構造について人間は思考を巡らせるだろう。「なぜ浮いているのか?」

2017-05-30 17:18:51
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ デジタルネイチャーはVR世界よりも遅れて登場する。娯楽を享受する大衆はまずVR空間によって自分の身体性について再考し、デジタルネイチャーによって物質的世界について再考する。興味深いのは、どちらも私的な体験というものを人間に強いてくることだ

2017-05-30 17:24:19
怪文書 @exograph

ʕ•͠ω•ʔ VR世界は、オフラインでは完全に私的なものだし、オンラインとなっても、没入体験そのものは私的であり続ける。デジタルネイチャーにおいても、特定の人間にしか聞こえない指向性の音波でアナウンスするという状況が構想されていたりする

2017-05-30 17:25:30