分岐まとめ②【解説】国連人権理事会の特別報告者の「個人の資格と権限」を支える制度(その2)特別手続きとしての公開状(Open Letters)
- tkatsumi06j
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全体まとめ
人権特別報告者とは
「国連人権理事会により任命された個人の独立専門家で、特定の国における人権状況やテーマ別の人権状況について調査、監視、公表を行います。通常5名からなるワーキンググループと合わせて「特別手続き」と総称されます。いずれも個人の資格で任務につき、中立的に職務を遂行できるよう給与その他の金銭的報酬を受けません。特別手続には、国別とテーマ別の2つの手続があります。 (国連広報センター『用語集』より)
「公開質問状」の情報収集形式による対話
国際社会ではごく当たり前の対話形式
【解説】「公開質問状」という情報収集形式の適切さについて 国連人権理事会の特別報告者による「公開質問状」という形式が不適当だと主張するものが現政権内外にいるようだが,多くの特別報告者がこれまで,既に説明した「特別手続き」に基づき国際機関・政府機関・政府首脳に公開状を送っている。 twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-30 23:06:01【解説】「国連の総意」が意味すること 「個人の資格」については制度的解説も含めてこれ👇で論じきったと思うので,次に「国連の総意」なる,いまとなっては真偽も不明な国連事務総長の発言の真意を(事実だと仮定して)紐解くとしよう。 twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-29 18:13:40さらにこれは,2016年4月に「恣意的拘束に関する国連作業部会」と複数の分野の特別報告者(3名)が薬物問題に関する国連総会特別会合に向けて総会議長とUNODC専務理事に向けたもの。 ohchr.org/EN/NewsEvents/…
2017-05-30 23:13:24たとえばこれは,2015年12月に「達成可能な最高水準の身体および精神の健康を享受するすべての人々の権利に関する特別報告者が」が薬物問題に関する総会特別会合に向けた準備としてUNODC専務理事に向けたもの。 ohchr.org/Documents/Issu… pic.twitter.com/Vqc8y47Q91
2017-05-30 23:10:55政府に向けたものもある。これは,2014年9月に複数のマンデート保持者(SR=特別報告者)らが連名(実に8名)でコロンビア共和国政府及び議会に宛てた公開質問状。これも議会で【問題法案が採択される前に懸念を表明するもの】だ。 ohchr.org/EN/NewsEvents/…
2017-05-30 23:18:01そして極めつけは,2014年11月に同じく複数のマンデート保持者(SR)が連名(6名)+「恣意的拘束に関する作業部会」でCIAの秘密刑務所での尋問形態について問題についてアメリカ合衆国大統領(オバマ大統領)宛で送った公開状だ。 ohchr.org/EN/NewsEvents/…
2017-05-30 23:22:56上記の例はすべて,"open letter special rapporteur"とぐぐれば簡単に出てくる最初の検索結果だ。その下を見ればわかるが,逆に特別報告者「への」公開質問状の例もある。主にACLU,FIDH等の人権団体から送られていることがわかる。
2017-05-30 23:24:46こうした公開状を送り合うことの意義は,秘密裏にやりとりが行われていないこと,その過程を透明化すること,公益に対する責任を内外に示すこと,情報の歪曲,改ざん,改編などを追跡できるようにすること等,様々な社会的意義があって行われる。
2017-05-30 23:25:32ためしに,特別報告者の事務的支援を行うUNOHCHR(国連人権高等弁務官事務所)のサイトで"open letter"で検索してみよう。単純に3800件ヒットした。 search.ohchr.org/results.aspx?k… pic.twitter.com/sIseurfZf6
2017-05-30 23:27:59公明正大な文書開示のドキュメンテーション文化を持たない日本では理解しにくいのかもしれないが(とくに最近の政治スキャンダル絡みの文書管理状況をみると),こうして国際機関・政府・市民社会間のやりとりを国際公益のために可視化するのは,国際的には一般常識である。
2017-05-30 23:28:59公開状にも様々な形式があり,単に懸念を訴える「アピール」から,具体的な行動を求める「要請」もあれば,具体的な質問への回答を求める「質問状」もある。これを「不適切」と捉えるのは,【端的にいって「行政政府として答える能力がない」と判断される。】
2017-05-30 23:30:06ためしに,日本政府の「抗議」の内容を振り返ってみよう。「不適切であると言わざるを得ない」「直接説明する機会を得られてしかるべき」「強く抗議する」 mofa.go.jp/mofaj/fp/is_sc… 泣き言である。 pic.twitter.com/wYdQ5FlOoY
2017-05-30 23:34:14これは問題法案の説明能力のない国家政府(よく非民主国家にみられる)が行う「物言い」である。伝統的に公開書簡は相手側の事前の了解を待って送られるものではない。また具体的な法案に懸念があり,その内容が国際人権法に違反する恐れがあるという旨の,具体的な質問状なのだから,➡
2017-05-30 23:36:21➡新共謀罪法案に国際法違反の恐れがないのならば,”一つずつ”懸念を払しょくして疑惑を解消すればよいのである。それが,本年度の人権理事会理事国であり,本年度UPR(普遍的定例人権審査)の対象国であり,ほんの年前にこのような「誓約」を行った責任ある国に当然求められる姿勢だろう。 pic.twitter.com/xBkGCK9PrD
2017-05-30 23:46:39果たしてこの「抗議」の形の「見解」は,プライバシー権に関する特別報告者が挙げた5つの懸念(とくに保護措置の不在について)と4つの要請に個別具体的に回答する内容となっているのだろうか?「建設的な対話実現」に努めているだろうか? tkatsumi06j.tumblr.com/post/160905707…
2017-05-30 23:48:53ところで,この「泣き言」のような抗議文は,【なぜ英語では公表されていないのだろうか。】"special rapporteur"で検索しても一切ヒットしないのだが。日本語でのみ発信してどうする? mofa.go.jp/searchresult.h… 私が見落としているなら仕方が無いが。
2017-05-30 23:53:46