津田大介さんによる『ゲンロン0 観光客の哲学』東浩紀についてのつぶやき(20170601)

省略
2
津田大介 @tsuda

ようやく『ゲンロン0』読了。傑作だと思う。相当野心的な論を展開しているにも関わらず先行研究への深い理解や洞察を示した上でそれらをBrexitやトランプ大統領誕生など現実の現象に接続する補助線を豊富に入れ込んでいるため大変読みやすい。j.mp/2qAjtO3

2017-06-01 00:05:56
津田大介 @tsuda

承前)本の要諦は3章と4章。3章で今の世界が抱えている矛盾の構造を鮮やかに暴き出した上で4章でそれを乗り越えるため、人文知ではない数学のネットワーク理論をマルチチュードの理論に接続する。この本の白眉はここなのだろう。読んでて興奮した。j.mp/2qAjtO3

2017-06-01 00:06:03
津田大介 @tsuda

承前)本書は著名な哲学者たちの思索が大量に参照・引用されているが、わかりにくい原典の引用の後、あずまんが超要約能力で端的に解説するので読者は最後まで迷わない。意欲的な哲学書でありながら最高の哲学入門書でもある「二層構造」になっている。j.mp/2qAjtO3

2017-06-01 00:07:16
津田大介 @tsuda

承前)俺っぽいことを言うと、あずまんは『ツイッター創業物語』j.mp/2qAOLUO 読むといいと思う。ツイッターの創業者エヴァン・ウィリアムズとジャック・ドーシーの泥々権力闘争を裏側から描いている本で彼らの対立構造は『ゲンロン0』の二層構造に近いと思った。

2017-06-01 00:08:10
津田大介 @tsuda

承前)というのも、エヴァンはツイッターの本質を「人々がどこで何をしているのか共有する手段(人間/グローバリズム的)」とみなし、ジャックはツイッターを「自分と自分のエゴを見せつける場所(動物/ナショナリズム的)」とみなしていたから。両者は経営方針で意見対立し、お互いを追い出した。

2017-06-01 00:08:58
津田大介 @tsuda

承前)著者のニック・ビルトンはエブの「情報ネットワーク」を「瞬間的でニュース速報としては貧弱」、ジャックの「感情ネットワーク」を「はかなく自己中心的だから長くは行き延びられない」と評した。「2つが組み合わさったからこそ、ツイッターは一味違っていた」と併存状況を肯定的に記している。

2017-06-01 00:12:14
津田大介 @tsuda

承認)当時これを読んだとき「個性や嗜好性のまったく違う要素が併存していたからこそ、ツイッターはほかに代わりのない魅力のあるサービスだったんだな!」と膝を打った記憶があるんだけど、『ゲンロン0』の二層構造論を読んだことで今のツイッターが抱えている問題がクリアに見えた感じがある。

2017-06-01 00:13:14
津田大介 @tsuda

承認)そのへんで思ったこととか、自分のこれから書く原稿にも入れ込んでいきたいなと思いました。いずれにせよ射程距離の長い、読んでいてワクワクする近年まれにみる傑作と思います。まだ未読の方はぜひ読んでみてくださいね>j.mp/2qAjtO3 (了)

2017-06-01 00:13:30
津田大介 @tsuda

『ツイッター創業物語』j.mp/2qAOLUO は『ゲンロン0』の3、4章とも対比できる物語だけどあの本で描かれたジャックの所業はまさに「不気味なもの」「幽霊」に取り憑かれているとしか思えないので第6章と接続するのが一番広がりそう。6章の続編早く読みたい!

2017-06-01 01:12:59