「本を読まなくなっている」というのは昔は良かった論ではないかと思った個人的ブログ
- iciinoseyayoi
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米国から日本に帰ってきて、いちばん驚いたのは、電車の中で大学生やサラリーマンが、恥ずかしげもなくマンガを読んでいることだった。昔は、内心では大衆読物にひかれている年齢の時に、ドストエフスキーやパスカルを読んでいくうちに、ほんとうにのめりこんでいく、というケースが多かった 引用
2017-06-05 11:13:15今の日本では、この背伸びというのをせず、本能のままに口あたりのよいマンガを読みふける、やすきに流れているのだ。 という有名なコラムが週刊新潮に書かれた大昔から読書離れが叫ばれてきた。
2017-06-05 11:13:30本を読んでいると答えた者は19.2% 毎日新聞 読書世論調査 1951年 大学生の4人に1人は年に1冊も本を読んでいない 毎日新聞 読書調査 1977年 20代から30代はじめの人々の間で読書の習慣が急速に薄らいでいる 出版年鑑 出版概況 1978年
2017-06-05 11:13:41読書離れが叫ばれてから何十年もたちますが、さて現状どうですか? 毎年毎年、現代人がいかに本を読まなくなったかと言われます。 そろそろゼロに近づいてもいいような気がしますがどうなんですかね。
2017-06-05 11:13:51まあ、最初に統計を基にした結論だけ言うけど はっきりと今の若者は本を読むとか読まないとかいう便利な統計はない。 ごく一部の数字を切り取って、「ほら、数字が減ってる、読書離れだ」というのは簡単だけど統計ってそんなもんじゃないからね。
2017-06-05 11:14:01日本人の情報行動調査による「新聞を読む時間」「新聞行為率」「雑誌を読む時間」「雑誌行為率」は減少傾向が見られるが、 「読書時間」「読書行為率」はどの年代においても減少傾向が見られない。一定はしないが一貫した増加、減少は見られません。
2017-06-05 11:14:19「出版年鑑」による「書籍発行部数」「書籍実売総額」は上下しているのに対して「雑誌実売総額」「雑誌発行部数」は下降の一途 日本新聞協会による「新聞発行部数」下降の一途
2017-06-05 11:14:3295年から09年の一人あたり名目GDPの数値と書籍実売総額の相関係数は0.700で、雑誌実売総額のそれは0.486です。つまり、景気がどうあろうと雑誌離れは進んでるけど、書籍は景気によって売れなくなっているのであって、本から離れてるわけではないんじゃなかろうか、と統計は言ってる
2017-06-05 11:14:57文部科学省による「社会教育調査」公共図書館の貸し出し冊数と帯出者数を見ても児童はほぼ一定の数字です。 不況による増減、児童数の増減、交通インフラの整備やサービスの充実などによる利用しやすさによる増減 読書教育、様々な要因をあげられるけど、読書離れを示すような減少傾向は見られない
2017-06-05 11:16:27何で時間かっていうのは老人と若者だと読むスピード違うし、1冊ってそもそも何ぞやってことになるからね。 で、本が売れないとは言っても、著しい下降線を描いているのは雑誌だし、そりゃゾイドやビックリマンの情報は雑誌よりもサイト見たほうが早いししょうがないよな、出版社大変だなとは思うけど
2017-06-05 11:16:42公共図書館の利用は右肩上がりで、これだけ切り取ったら現代人は本を読むようになったといってもいいのに、これについては不況の影響ってことになっちゃうんだよね。 「図書館利用」は右肩上がりで「書籍実売総額」年によって上下してるから、そこから見えるのはこれで読書離れかどうかはわからん
2017-06-05 11:17:04「国語に関する世論調査」が毎年取り上げられて、読書離れが顕著って話になってるけど、「学校読書調査」をみると読書するようになってたりする。
2017-06-05 11:17:14要するに何が言いたいかって言うと、映画、ラジオ、テレビ、漫画、ゲーム、ネット、携帯、スマフォ、と色々登場しては「読書離れ」が叫ばれるけど、統計による読書の数字ってそれほど変わらんのよね、と統計はいってるわけだ。統計の上では「読書離れ」というような下降線はないってこと。
2017-06-05 11:17:29これから先、というか最近の統計だと、電子書籍は読書に含まれないし、小説サイトも含まないから数字の上では「読書」は少し減るのかもしれないけど、それは「読書離れ」に含めるんだろうか というのが2つ目の話。
2017-06-05 11:17:47先のコラムからもわかるように、「電車で本を読まなくなった論」は大昔からあって、スマフォのかわりに70、80年ぐらいは「電車でマンガ」が批判されてたけど、50、60年ぐらいだと「電車で雑誌」が批判されてたわけ。戦中は論外だし、じゃあ戦前はどうかっていうと
2017-06-05 11:18:01電車通勤者が大量に発生したのが昭和一桁ぐらいの時なんだけど、じゃあその時みんながドストエフスキーやパスカルを読んでいたのかっていうとそんなこともなくて、大衆読物なんか読書じゃないという批判はこの頃からあったわけ。
2017-06-05 11:18:12ライトノベルは含まれるのか論争なんて今に始まったわけではなく、赤川次郎、折原みとは含まれない論争とか、江戸川乱歩なんかの探偵小説や吉屋信子なんかの少女小説は含まれない論争とかこの頃からあった。
2017-06-05 11:18:20それと同じように「電子書籍は読書じゃない論」てのは大昔からあるわけなんだよね。活版印刷なにするものぞ、人の手で写本されたものを読んでこそ読書だとか、ページの書かれてない長々しい巻物を読んでこそ読書だとかね。
2017-06-05 11:18:40SNSなんつっても、はるか昔文通に時間とられてた人間が、交換日記、ワイシャツの形に折りたたんだメモ、長電話、ポケベルと進化していっただけで、そのために本を読む時間が削られていったという統計はないわけ。
2017-06-05 11:18:58自分がだんだん読書する時間が減っていったなという話と、時代とともに読書離れが進んでるなという話はベクトルが違うってことには注意ね。
2017-06-05 11:19:08読書の形態は変わってるのに期間の長い統計比べるには設問代えると統計取れないから、結果的にアマゾンとかスマホとかの出現で読書が減ってるような統計になっていくんだろうな。
2017-06-05 11:19:18さて面白い本が年間200冊出版されるとします。 同じ時代を生きている人はこれを全部読んで共有することは出来ます。 では、50年後に若者と共有することはできるでしょうか。 若者は50年×200冊の差を克服するところから始めなければなりません。
2017-06-05 11:19:35