被ばくすると,人体に何がおきるのか?

ブログ記事にまとめました↓ 「被ばくすると,人体に何が起きるのか?」 - I'm not a scientist. http://d.hatena.ne.jp/popeetheclown/20110315 ----- 続きを読む
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tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

要するに、現在想定される「第二原発において最悪の事態(それはチェルノブイリ型ではありえない)」が起きた後、さらに南側に、それなりに強い風が吹いた時に、原発の「100km南方(遠い)」で起きうる「最悪の被害」を科学的に考察する判断基準が、調べても偶然要素が多すぎてさっぱりわからん。

2011-03-15 01:48:45
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

@tricken その,歴史上最悪の原発事故であるチェルノブイリ原発事故では,これくらいの範囲が放射性物質(セシウム137)によって汚染されました.この値の解釈は,ちょっと計算を待ってください http://bit.ly/dJ3l3w

2011-03-15 01:51:19
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

東さんが今苛立っている問いと、僕の問いは多分同じ。気になる人が100km南方にいるか、250km南方にいるかの違いだけ。で、それは多分、「ある特定の専門家が、『容器は壊れるはずかない』あるいは『風が吹いても大した被曝にはならない』と言った」だけでは満たされない。

2011-03-15 01:52:56
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@hazuma 僕には今の東さんの問いがわかります。100km南に大事な知合いが働いています。東京の250kmよりは近く、福島の20kwよりは遠い。スリーマイルより変数が多く、どう危険かシミュレーションする材料が何処にもありません。でも、今知りたいのは確率的な危険ではない。

2011-03-15 02:11:10
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

やはりこういう時に,分かってもらえないのがつらいなと思う.放射線による人体への影響は「確定的影響」と「確率的影響」に分かれる.仮に,福島第一原発でチェルノブイリ級の事故が起きたと仮定して,適当な仮定を付け足しつつシミュレートしてみる.妥当性は誰かが評価してください.

2011-03-15 02:29:27
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@popeetheclown 今連続RTしたようなシミュレーションが欲しかったのですが、NASAの人ではデータが足りず、一意の結果を出したとはいえないことを理解しました。炉が止まっているからチェルノブイリ型の事故にはならないと考えてますが、それでも、推論の手掛りが欲しかった。

2011-03-15 02:35:13
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

まず現地で作業している人達は,大線量の被ばくを受ける.大線量の被ばくを受けた人たちには確定的影響が生じる.これは受けた線量に従って,多いほど重篤な傷害をもたらす.一時的不妊,リンパ球の減少,脱毛から骨髄死,腸管死まで.受ける線量は事故地点との距離及び作業時間に比例する.

2011-03-15 02:35:17
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

@tricken 分かります.ただ,やはり正確なシミュレーションには変数が多すぎるんですよね.そして,今知りたいのは「確率的な危険ではない」とのことだったのですが,なぜ放射線被ばくが「確率的な危険」という形でしか議論できないのか,ということも,それ自体に理由があるのです.

2011-03-15 02:36:54
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

あ,チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の量をやっと見つけた.「放射性物質の放出量は、事故後10日の1986年5月6日の時点に半減期補正した値に希ガスが約5000万キュリー、それ以外のよう素131等が3000~500… (cont) http://deck.ly/~cYaEO

2011-03-15 02:40:54
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

但し,確定的影響を受けるような高線量被ばくを避難区域外にいる人が受けることはない.チェルノブイリ事故の場合ですら,原発内にいた600人中,0.7-13.4Gyの高線量被ばくを受け,放射線症(確定的影響)となったのは134人にとどまる http://bit.ly/fiNdhW

2011-03-15 02:48:16
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

これに対し,チェルノブイリ近郊から避難を余儀なくされた116,000人の平均線量は30mSvであり,汚染した地域に住み続けている人達は,事故後最初の10日間で10mSvの被ばくを受けている. http://bit.ly/fiNdhW

2011-03-15 02:50:00
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

駄目だ、多分この広域影響は先端の問題なんだ……。自分ごときが短期で解ける問いじゃない。データ取りから始めないと科学的推論として成立しない問いの答えを欲しがってる。後は被曝量が「(福島原発において)最悪の状況」になっても「健康には大したことない」という専門知に委ねるしかない。

2011-03-15 02:52:01
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

平均30mSvの被ばくを受け避難した発電所周囲30kmの住民は,事故後36時間以上経ってから避難を開始している(事故は突発的だった).仮に,福島原発で同規模の事故が起こったとしても,既に避難している住民や避難区域の外側にいる住民の受ける被ばく線量は30mSvを下回ると考えられる.

2011-03-15 02:56:50
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

チェルノブイリ事故の場合,放射性物質を含む煙(雲?)が風向きを変えて,ほぼ360°全ての方向に拡散した.その結果,ベラルーシ,ロシア,ウクライナ以外でも最初の1年に1mSvの被ばくが生じた.しかし,これらは自然放射線によるそれと同程度 http://bit.ly/g5kW30

2011-03-15 03:07:08
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

ここまでで,チェルノブイリ事故を参考に,原発事故の避難区域外にいる人(例えば僕)が受ける被ばく量は,多くとも平均で30mSv程度だろうと考えられる.これは平均なので,もっとも多く被ばくを受けた人は,100mSvくらいなのかもしれない(適当な仮定).

2011-03-15 03:10:58
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

ちなみに,チェルノブイリ事故の避難住民の平均被ばく線量30mSvは,内部被ばく・外部被ばくを合わせた値だと思う.たぶん.

2011-03-15 03:14:54
{白,黒}のカピバラの左随伴右随伴 @ainsophyao

@popeetheclown 直感的に避難区域外にいる人が 100 mSv は多すぎると感じます。

2011-03-15 03:15:14
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

.@ainsophyao ものすごく大きな値を持ち出しました.ただ,この場合ですら確定的影響は生じないんですけどね.でもやはり,仮定として大きすぎる気がするので,30mSvに戻します.

2011-03-15 03:16:19
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

避難区域外の人が受ける最大の被ばく量として,100mSvと仮定を置いたことにツッコミが入ったので(100mSvは多すぎる<僕もありえないと思って書いた),30mSvくらいで考えます.

2011-03-15 03:17:32
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

放射線がなぜ人体に悪影響を与えるのかを説明します(ここからしばらくは事実).放射線の生物作用の標的は,人体の細胞内のDNAのみです.なぜならば,他の構成要素(例えばある種の酵素)が放射線により破壊されても,その効果は蓄積しないからです.

2011-03-15 03:20:27
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

(ものすごい高線量の被ばくを受けた場合,人体が分子レベルで崩壊して死ぬ「分子死」というものが考えられますが,数百グレイという原発事故でもありえない量を浴びないといけないので,人間で分子死した人はいません)

2011-03-15 03:23:05
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

放射線が人体を構成する原子に当たると,原子は電離・励起される.電離・励起された原子は,自己の原子の共有結合を切断したり,周囲の別の分子と結合したりすることで,分子に損傷を与える.

2011-03-15 03:31:46
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

細胞内のDNA以外の生体高分子(例えばタンパク質)に何らかの損傷があったとしても,その損害は損傷を受けた生体高分子だけに留まる(注:とされているのですが,例えばDNAポリメラーゼが損傷を受けたら,そのDNApolによって複製されるDNAに損傷が生じることは?なんて思ったりはする)

2011-03-15 03:34:29
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

しかし,DNAへの損傷,遺伝情報への損傷となるため,致命的である場合は細胞死,致命的ではない場合はDNA情報が変化したまま細胞分裂が繰り返される.実際には,DNAに損傷が生じても,DNA修復系があるためほとんどのものは修復される.

2011-03-15 03:39:00
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

放射線障害に限らず,通常の体細胞でDNA損傷が蓄積した結果としてがんが生じる(発がん).この点で,放射線は生物作用だけを見れば,発がん物質(のように振る舞う物)として働く.

2011-03-15 03:44:22
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