デマ/陰謀論生成の背景

社会学者 鈴木謙介(@kskszk)さんによる根拠の薄い主張(デマ)が、強化され、流布されてゆく背景についてのツイート
6
Kensuke SUZUKI @kskszk

「政府は重要な情報を隠しているのではないか」という批判と、「この非常にがんばっている人を批判するとは何事だ」という論調が出てきています。批判は非常にこそ大事ですが、それが非常対応の足を引っ張るのも問題です。ただ、こうした批判が出てくるのにはそれなりの理由があります

2011-03-15 07:11:03
Kensuke SUZUKI @kskszk

噂の公式によれば、噂の量は情報の重要さと曖昧さの積として表されます重要なのに曖昧にしか出てこない情報を前にすると、その曖昧さを埋めるための憶測が出回ったり、「隠している情報があるんじゃないか」という疑いが生じたりするのです。

2011-03-15 07:13:29
Kensuke SUZUKI @kskszk

ネットで主体的に情報を検索できる環境下では、特に「隠している情報がありそうだ」という憶測を強化する断片的な情報を得やすくなります。また「認知的不協和」(相互に矛盾する情報は不快感をもたらす)が生じ、断片的な情報を整合するシナリオへの信頼感が高まります。

2011-03-15 07:17:49
Kensuke SUZUKI @kskszk

まとめると、重要なのに曖昧な情報しか出てこないと、ネットで検索した情報も含めた曖昧で断片的な情報を使って、その人の不安を軽減し、またそれらの情報を整合的に解釈するシナリオが必要とされるのです。「陰謀論」と呼ばれる言説の多くは、こうしたメカニズムで生じると思います。

2011-03-15 07:19:54
Kensuke SUZUKI @kskszk

根拠薄弱なシナリオを棄却するには、受け手が重要だと感じている事柄についての公式見解を発表することが重要です。しかし非常対応の中、その点が後手に回ってしまいがちです。信頼できそうなシナリオを探すより、どんな点について公式見解が必要なのかを意識することが大事だと思います。

2011-03-15 07:26:05