【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第128話「舌戦」の巻。 みんなで叫ぼう「黙らっしゃい!」 ※解説はbotさんの個人的見解です。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」01】 前回、魯粛の訪問を受け、孔明は一人で呉に行くことになりました。一人でっていうのは、玄徳陣営の中でっていう意味です。実際には、魯粛の荊州訪問団の帰りに同行するという形です。趙雲あたりに護衛を、ということは無かった模様です。

2017-06-15 12:41:23
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」02】 長江を下ること千里。夜が明けても日が暮れても同じような風景が広がっておりまして、中国大陸の雄大さを物語っています。魯粛らの呉の船に乗る孔明。魯粛はやせても枯れても玄徳は一方の勢力であり、その軍師である孔明は死をも覚悟の上だと見ます。

2017-06-15 12:45:33
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」03】 こうして呉に帰還した魯粛は、ひとり孫権のもとに報告に向かいます。いきなり孔明は連れてきません。孫権はいいところに戻ってきたといい、荊州の様子を尋ねます。魯粛は、それがよくわかりませぬ、と答えます。?マークを出す呉の重臣たち。

2017-06-15 12:47:32
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」04】 孫権も、はるばる荊州まで行ってながら何も見てこなかったというのか?と言うと、魯粛は、はいと答え、しかし、考えるところもあるので後ほど報告すると、実にあいまいな答弁を。それを聞いた孫権は、一旦魯粛の件は置いといて会議の続きを宣言します。

2017-06-15 12:49:16
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」05】 じつは曹操から最後通牒が来たという孫権は、魯粛に手紙を見せます。降伏するか、一戦交えるか即刻回答しろという高飛車な曹操の言い分です。高飛車という言葉は将棋の飛車から来ていますが、中国の将棋みたいなゲームにシャンチーといのがあります。

2017-06-15 12:55:01
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」06】 シャンチーにも飛車ではなく「車」という駒があり、動きは「飛車」と同じ。現在式のシャンチーが確立したのは宋代とのことですので、三国志の時代に将棋の概念があったかどうかは疑問ですが、ともかく、曹操は上から目線で呉を恫喝したということです。

2017-06-15 13:00:26
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」07】 さて、その高飛車な手紙に対し、呉では対応を協議せざるをえません。現在の状況だと、戦わない方がいいという意見が大半のようです。曹軍は百万、呉の兵力は10万でとても歯が立たないと。一旦曹操に降って他日を期すしかないという主張がなされます。

2017-06-15 13:02:42
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」08】 しかし、武官は降伏に反対します。曹軍の百万といっても、荊州で降伏した兵も含めた数字。また戦の勝敗は水軍であり、呉は強力な水軍を擁しています。しかし、荊州にも水軍があり、今はそれが曹軍に加わっています。

2017-06-15 13:04:44
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」09】 たとえ勝ったとしても、呉の兵馬軍船の半分以上を失うことは確か。呉の総力戦となるわけで、もとの国力を取り戻すのに数年はかかることは間違いないと、経済的観点からも反対論が噴出します。この様子を見た魯粛は、一旦休憩したらどうかと提案します。

2017-06-15 13:07:07
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」10】 孫権は、魯粛の案を受け入れ、皆にしばしの休憩を宣言します。こうして孫権と魯粛は二人で話す時間を設けました。ここでようやく魯粛は本心を孫権に明かすことになります。

2017-06-15 13:08:17
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」11】 二人きりなら本心が話せるだろうと孫権が水を向けると、魯粛は、もしここで孫権が降伏を申し出たら、孫権自身がどうなるのか、と言います。降伏した将は、せいぜい家来十人、車一乗、馬数匹の生活を許されるのが常、と言います。

2017-06-15 14:38:58
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」12】 もしかしたら、曹操が孫権を人材と見て、曹操陣営で優遇される可能性もなくはないですが、一国の王としての扱いではないでしょう。翻って、家臣はというと、それぞれの役に付けられ、今までの生活は続けられます。出世することもあり得るのです。

2017-06-15 14:40:55
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」13】 魯粛は、降伏を申し出る者は我が身可愛さ故であり、呉の将来を考えてるわけではないと思うと言います。それに対し、むむ、と応える孫権。思い当たる節がありそうです。ここで魯粛、実は…と諸葛瑾の弟の孔明を連れてきていると明かします。

2017-06-15 14:42:41
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」14】 孔明、と聞いて孫権は明日にでも早速会おうと言います。こうして魯粛は孫権に孔明と合わせるアポイントを取ることに成功するわけです。曹操からは即刻返事しろと言われていますが、ひとまず保留。

2017-06-15 14:44:52
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」15】 翌朝、魯粛は孔明を連れて呉の宮殿を案内します。とそこには呉の重臣たちが並んで待っていました。重臣達は、孔明が呉を口説いて曹操と当たらせようとしていると見て、警戒しています。呉を危険には巻き込ませぬと意気込んでいます。

2017-06-15 14:47:47
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」16】 上座に案内された孔明。孫権と会う前に、重臣達と対論することになりました。ここから壮絶な舌戦が繰り広げられるわけです。 まずは、玄徳と孔明との関係から話が始まり、なにゆえ玄徳は荊州を奪わなかったのか、という問がなされます。

2017-06-15 14:50:41
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」17】 玄徳がさっさと劉表から荊州を禅譲されていれば、少なくとも曹操が荊州攻略をするのに時間がかかり、現状で曹操と呉が直接対決することはなかったわけです。そのチャンスがあったのは孔明も存知であり、なぜそうしなかったのか、と尋ねる呉の重臣。

2017-06-15 14:53:05
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」18】 孔明は、ここで言い負かされるようでは呉を動かすことは出来ぬと考えた孔明は、呉の重臣たちを論破することを決意します。まずは、玄徳が荊州を奪おうと思えば簡単に奪えたが、同族である劉表の死を待っていたように領地を奪うことは出来ぬと答えます。

2017-06-15 14:55:05
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」19】 それはおかしなことだ、と重臣。天下万民の害を除くためには小さな私情を捨て、大義のために立ち上がらなければならぬと孔明自身が言ってたではないかと。それが、婚戚だ同族だとかというのは私情であり、それで大義が成し遂げられるのかと言います。

2017-06-15 14:57:21
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」20】 孔明は一笑して、万里を駆ける大鵬の気持ちは小鳥にはわかりますまい、と返します。たとえば、重い病人を治すのはまず粥を与えて穏やかな薬を飲ませ、五臓が整い体が回復するのを待って肉食を持って元気をつけ、強い薬を与えれば病気は治ると言います。

2017-06-15 14:59:37
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」21】 しかし、体のことも考えず、いきなり劇薬を用いればかえって病気を重くします。と例え話を持ち出します。ここでの病人は玄徳が置かれている状況を指しています。

2017-06-15 15:01:12
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」22】 玄徳は汝南の戦で敗戦し、劉表のもとに身を寄せました。その時の兵力は千人にも満たない状態。大将といっても関羽、張飛、趙雲ぐらいのものです。さらに新野は小さな城で、食糧の蓄えもなく武器も乏しい。まるで重病人のようなものだったと。

2017-06-15 15:03:07
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」23】 これで曹軍とまともにぶつかるとは、自ら死にに行くようなもので、それを避けるのは兵家の常、また逃れて身を隠すのは体の回復を待つためのもの。そのような状況にも関わらず、博望の焼き討ち、白河の水攻めと、曹軍と五角以上の戦いをしてきたと。

2017-06-15 15:05:05
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」24】 ここで、楚漢戦争の故事を引く孔明。楚の項羽はたびたび戦に勝ったが、垓下の一戦に敗れ滅ぼされます。韓信はほとんど勝ったためしのない大将だったが、最後の勝利を高祖皇帝に導いたと言います。

2017-06-15 15:07:56
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【横山光輝「三国志」講座128「舌戦」25】 「項羽と劉邦」で見るように、実際に負け続けたのは高祖・劉邦であって、韓信はむしろ常勝の将と言えますが、ここで劉邦が負け続けたと言うと、漢王室の復興を願う立場としては具合が悪い。なので、韓信が負け続けたという表現になったと思われます。

2017-06-15 15:10:54