公文書『労務調整令事務取扱関係通牒集(1)』を解説する今田真人氏の連ツイ

『労務調整令事務取扱関係通牒集(1)』は、「酌婦、女給」を動員対象にあげ、「〇ノ要求ニ依リ慰安所的必要アル場合ニ厚生省ニ稟伺(りんし)シテ承諾ヲ受ケタル場合ノ当該業務ヘノ雇入ノミ認可ス」と書いており、国民学校未卒の年齢14歳以上の日本人女子(朝鮮人を含む)を軍慰安所の「酌婦」等に雇い入れることを認可することが書かれた資料である。太平洋戦争の勃発とともに、朝鮮人慰安婦の動員は急増するがこれはその根拠資料ともなる。 労務動員に関して言えば、1939年7月 総督府の労務動員計画の施行により朝鮮から労働者が日本に渡るようになった([河棕文『日本本土移住の朝鮮人の生活と動員』p440、http://www.jkcf.or.jp/history_arch/second/3-19j.pdf続きを読む
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今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

国会図書館によると、同館所蔵の戦中の公文書『労務調整令事務取扱関係通牒集(1)』を2日付で、内閣官房副長官補室に提出した。国民学校未卒の年齢14歳以上の日本人女子(朝鮮人を含む)を軍慰安所の「酌婦」等に雇い入れることを認可するもの。 twitter.com/ianfu_kaiketsu…

2017-06-17 18:20:55
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 @ianfu_kaiketsu

慰安婦「強制連行資料」を提出したがネトウヨ政府はこれを認めるのを拒んでいる - 河野談話を守る会のブログ - Yahoo!ブログ blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawoma…

2017-06-17 17:49:27
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

国会図書館の広報担当者によると、同文書の提出は、内閣官房が1996年7月24日付で、国の各機関に「慰安婦」関連資料があったら情報を寄せるよう指示した事務連絡を受けたもの。同図書館がこの事務連絡に基づき、「慰安婦」関連資料に該当するかどうかを検討した結果、提出を決めた。

2017-06-17 18:39:22
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

この文書には、1941年12月16日付の「労務調整令ニ関スル件依命通牒」(いわゆる第186号通牒)が含まれる。「酌婦、女給」を動員対象にあげ、「〇ノ要求ニ依リ慰安所的必要アル場合ニ厚生省ニ稟伺(りんし)シテ承諾ヲ受ケタル場合ノ当該業務ヘノ雇入ノミ認可ス」としている。〇は軍の隠語。

2017-06-17 18:53:12
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

詳しくは以下を参照してください。 ①私のHP masato555.justhpbs.jp/newpage124.html ②共著『「慰安婦」問題の現在』(三一書房)所収の拙稿「『吉田証言』は本当だった――公文書の発見と目撃証人の登場」 amazon.co.jp/%E3%80%8C%E6%8…

2017-06-17 18:59:04
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

戦中の大日本帝国の臣民(内地人、朝鮮人、台湾人)を対象にした戦時労務動員の対象業務に、「軍慰安所の酌婦・女給(「慰安婦」を指す)」があったことを示すこの通牒の存在は、日本政府が1998年に復刻本として発行した『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成④』P32とP41で示唆されていた。 pic.twitter.com/xEZquBVK9k

2017-06-17 19:51:56
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今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

上記の公文書(第4巻P41)には、墨で塗りつぶされた個所がある。国立公文書館で原本を透かして見れば、「〇ノ要求ニ依リ」と読める。その下の「根拠法令」には「第186号厚生次官ヨリ各地方長官宛通牒」とある。「慰安婦」と軍との関係を隠ぺいしたいのは戦中の政府も現在の政府も変わらない。 pic.twitter.com/RtpeqvsHzT

2017-06-17 20:20:53
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今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

ところで、「酌婦」という言葉は当時、「慰安婦」のことを指した。政府が「慰安婦」関係資料として公表している次の公文書(復刻本第1巻P43)もそれを示す。女性を「慰安婦」として連行する際に親権者に求めた承諾書の書式。「指定ノ陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業(娼妓同様)ヲ為スコト」云々とある。 pic.twitter.com/m4X6uBc3sH

2017-06-17 21:04:25
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今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

ついでの発見。1941年12月16日付の「労務調整令ニ関スル件依命通牒」には「酌婦、女給」だけではなく、「藝妓」も戦時動員対象にあげている。「本令施行ノ際ニ現ニ14年未満ノ仕込中ノモノノ14年トナリタル場合ノミ認可ス」。14年とは14歳のこと。官憲は未成年でも平気で連行したのだ。 pic.twitter.com/zFGeNrxSov

2017-06-17 21:22:07
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今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

日本政府が1939年度からの「労務動員計画」で、朝鮮人を鮮外に強制連行したことは周知の事実。その中に女性が確認できるのは1941年度から。当時の「朝鮮人労務者移入雇傭願(斡旋申請書)記載要領」に男女別の内訳数を記入する項目がある。(樋口雄一編『戦時下朝鮮人労務動員基礎資料集Ⅱ』)

2017-06-17 22:56:54
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

朝鮮人女性は労務動員で、日本内地や戦地へ「官斡旋」方式で連行された。徴用ではないので強制ではないと言う学者がいるが、その指摘は当らない。「官斡旋ハ徴用ニ準ジ官庁ノ責任ニ於テ動員スルモノナリ」(1944年当時の内務省管理局民政課「朝鮮労務事情」から。外交史料館・茗荷谷文書I59)

2017-06-17 23:06:11
今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) @masatoimada2

1944年7月31日、朝鮮の現地調査をした内務省嘱託・小堀泰用氏の復命書はいう。「動員ノ実情――徴用ハ別トシテ其ノ他如何ナル方式ニ依ルモ出動ハ全ク拉致同様ナ状態デアル。其レハ若シ事前ニ於テ之ヲ知ラセバ皆逃亡スルカラデアル」(外交史料館所蔵)。官斡旋も「拉致同様」だったのである。 pic.twitter.com/UmTPaPBKva

2017-06-17 23:25:40
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