-異聞『絶望ノ極大混沌再来期』- 死なずの焔鷹&黒矢流星

GC有志企画異聞『絶望ノ極大混沌再来期』にウリエルとオリオンでエア参加させていただきました。 ウリエル:自我を取り戻した屍兵の行く先は。 オリオン:死ねず、生きず、静寂の中に侍る弓騎士。その心に秘める想いは。 続きを読む
0

異聞ウリエル

正史同様7年前(異聞本編開始時点で10年前想定)のアルトゥーク侵攻で死亡、パンドラの魔法師ヴァルハラに蘇生され、屍兵として自我の無いまま使役されていた。
反英雄"魔法師虐殺者"の台頭によりヴァルハラが死亡、主を喪った屍兵はこの滅亡しかけた大陸を彷徨うが……。

プルテウス幼生 @lv100uni

死体を愛する屍兵造りの魔法師が光弾に呑まれて死んだ。 事象を見渡す半投影の魔女が光弾から彼を庇って死んだ。 双方実にあっけない死だった。どこかでズレた歴史の果てに現れた反英雄はあまりにも強かった。 光弾に身を灼かれながら、魔法師は己の最高傑作にある呪いをかけた。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:03:22
プルテウス幼生 @lv100uni

『ウリエル』 『お前を害する者は全て、殺せ!』 『お前は俺の最高傑作だ』 『お前を壊すものは俺が赦さない』 『だから、壊せ!殺せ!何人たりともお前を傷つける存在を赦すな!絶対に!』 『殺せ!!!』 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:05:40
プルテウス幼生 @lv100uni

魔法師が死んだ。 呪詛を、命令を遺して死んだ。 遺された屍兵――ウリエルは、どうしたものかと途方に暮れた。彼には自我が無い。彼には魂が無い。ただ肉体と感覚だけが中途半端に喚び戻され、混沌核を与えられて再び紛いの生命を得た。 彼に意志は無い。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:08:57
プルテウス幼生 @lv100uni

魂を得るに至る『共にあるもの』はこの世界には現れない。 故に、傀儡。 人の絶えた地と人の減る世界を彷徨い歩く、死体以下の何か。 ただ最後に与えられた命令のままに、放浪し、殺戮と破壊を繰り返す。 記憶は朧げ。心は虚無。ただ槍の扱いだけが練達した生ける屍。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:12:15
プルテウス幼生 @lv100uni

彷徨う。 戦場を。庭を。魔境を。 彷徨い歩いて、己に傷を少しでも付けた存在を自動的に破壊しようと試みた。 魔境からは吐き出された。静寂兵を倒し続けて庭からは追い出された。 そうしてまた、今日も虚無のまま彷徨う。 終わりの無いままに。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:14:37
プルテウス幼生 @lv100uni

誰か、何か忘れている気がする。 大切な誰かを――。 大切な、懐かしい、日々の――。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:17:59
プルテウス幼生 @lv100uni

思い、出せない。 思い出せぬまま、今日も槍を振るう。 その男はもうとうの昔に死んだ屍。 その男は胸に静寂の薔薇を咲かせぬ屍兵。 かつて死に、なお死にきれず、今死に損なった焔ノ傀儡。 異聞ノ傀儡。 彼は――かつて、ウリエル=トレーフルだったその残滓。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:20:22
プルテウス幼生 @lv100uni

屍兵が戦場を彷徨っている。 かつての親友が死んだとも知らずに。 誰より愛した妹も死んだと知らずに。 もはやこの世に自らを繋ぎ止める枷が何一つ存在せぬことすら知らず、男は。 彷徨う。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:22:30

プルテウス幼生 @lv100uni

ウリエル=トレーフル 28歳?/男/邪紋使い/アンデッド/エーテル:火 10年前のアルトゥーク戦役の際に死亡したはずの青年。 パンドラの魔法師に死体を盗まれ屍兵化されたが、その魔法師も反英雄魔法師虐殺者によって殺害された。 今ではただ自我も無いまま戦場を彷徨う傀儡。#異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:26:13
プルテウス幼生 @lv100uni

ウリエルは基本的に法則性なく各地を彷徨ってます。ヴァルハラの最期の命令に従ってるので、自分の肉体を傷つけるものに対して自動的に反撃し、破壊するまで攻撃を続行します。そういうプログラムをされてる。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:37:46
プルテウス幼生 @lv100uni

初対面の相手(生前親交のあった相手含む)には必ず「お前、は、俺を、傷つける、ものか?」と訊きます。 はいと答えれば戦闘に。 いいえと答えればウリエルからは攻撃しません。 意志疎通はかなり厳しい。自我と人格が無いのでロボットと会話するようなもん。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:39:44
プルテウス幼生 @lv100uni

戦闘能力は高いです。自らの血と焔で作った槍を振るって攻撃します。聖印はオーディンが死んでるので持っておらず、分類上は邪紋使いになります。 邪紋は血液に刻まれているので、表面上は邪紋らしい邪紋は無いです。 #異聞ノ傀儡

2017-04-24 22:41:31

新秩序回復戦争まで

プルテウス幼生 @lv100uni

#異聞ノ傀儡 ふらふらと、どこかへ彷徨っている最中。 「ウリエル様!?」 どこかで出会ったらしい、相手がいた。 「ブールモンのシアンです。……私がお分かりになりませんか?」 どこか震える声のかつての知り合いは、ウリエルがその言葉に反応を返さないことに酷く肩を落とした。

2017-06-10 01:47:04
プルテウス幼生 @lv100uni

その時点でのウリエルには知りようもないことだが――シアンのかつての主人、ユベールは唯一悪を標榜する少女に殺され、同じく死者でありながら操られる静寂兵へと成り果てていたのだ。胸に花こそ咲かせぬが、同様に己の意志と関係なく死にながら生き永らえ、生ける屍と化していたウリエルを見て、

2017-06-10 01:52:25
プルテウス幼生 @lv100uni

シアンが二度も喪失感に苛まれただろうことは想像に難くない。 それは酷く残酷な絶望だった。 かつて仕えた主君。彼と並び立つその親友。どちらも共に喪われ、どちらも悪意の下に使役されている。怒りに打ち震え、悲しみに心折れるシアンを、ウリエルの心映さぬ瞳が暗く眺めていた。

2017-06-10 01:55:32
プルテウス幼生 @lv100uni

それからは、ウリエルはシアンと共に生活するようになった。自由意志を持たない傀儡はシアンに手を引かれるままに共に往き、共に戦い、時に彼の代わりに領民を守護して、幾度も彼の背中を護った。 時は巡り。 唯一悪との戦闘で一度心折れたシアンを見て、ウリエルの中で何かが罅割れる音を聞いた。

2017-06-10 01:59:40
プルテウス幼生 @lv100uni

自我の萌芽。傀儡とされた死体の人形に再び魂が宿ることはあり得るだろうか? シアンを介して出会う多くの人々がまた力を与えた。彼等は皆絶望の中にあって希望を諦めない者達だった。 かつて希望を託して死んだ男だからこそ、ウリエルの中の何かが反応したのかもしれなかった。

2017-06-10 02:02:59
プルテウス幼生 @lv100uni

ある時。 折しも『新・秩序回復戦争』なるものが英雄側で計画されていた時だった。 当然それに参加する勢いであったシアンに対し、付き従っていたウリエルは、初めて自分の意志で言葉を発した。 「……シアン」 ウリエルには領民の防衛を任せる気でいたシアンの目が大きく見開かれる。

2017-06-10 02:08:04
プルテウス幼生 @lv100uni

「俺も、連れて、いけ」 戦闘能力としてはウリエルは申し分なく、単純に手数が増えると考えれば確かに連れて行くのは打倒策とも思えた。何より、これまで出会って初めて彼が発した自らの意志だ。 シアンはそれを尊重した。 そして――。

2017-06-10 02:10:22
プルテウス幼生 @lv100uni

そして――ウリエル=トレーフルは、二度目の死を迎える事になった。 反英雄は確かにそこにいた。だが、居たのは魔法師虐殺者ではなかった。居たのは皇帝邪紋だった。『聖印』が容赦なく力を奪い、混沌によって死体を動かされている男は、なす術もなく無力化され、胴を斬られて死体に戻った。

2017-06-10 02:12:41
1 ・・ 6 次へ