【原発代替電源】今後の代替電源(発電事業)について考えてみた【やっぱり原発ただし水上で】
1)朝からアレな話。今後計画停電と節電を組み合わせて低電力社会を再構築したとしても、いずれ日本中で稼働中の原発の炉齢は限界に近付き、少しずつ廃炉にせざるを得ない。古い炉に無理をさせると福島第一の二の舞になりかねないため。
2011-03-17 07:57:352)そのとき、そのまま順次脱原発をしていくのか、最新型の原発に建て替えるのかの議論が起こるだろう。理想としては脱原発なのだが、CO2排出と原子力に替わり得る燃料資源で、今後3年以内に事業化できるものの目処が立たない限り、当面原発以外の選択肢はない。
2011-03-17 07:58:513)かつての省エネブームで日本は世界でも有数の省力化社会となっており、電力消費量をさらに削り込むとしたら、いろいろ不便を受け入れるか高コストを受け入れるかの選択を強いられる。ヤシマ作戦など高意識のモチベーションは習慣化が根付かないと長くは保たない。あくまで一時的でなら耐えられる。
2011-03-17 08:01:034)電力消費について言えば、オール電化住宅は旧来のガス利用などに引き戻される。太陽光発電の導入は家庭の消費電力の1/2~1/3程度を賄うが、実は導入コスト&ランニングコストは電力購入とあまり差はないので末端消費者のコスト削減にはなりにくい。(それでも発電所の負担減にはなる)
2011-03-17 08:03:135)中期的には休止中の火力発電所の再整備と再始動に向かうが、火力発電所が新造された場合、原油高から電力価格は大幅に上がる。現在の原油価格は火力発電所が発電の主役であった頃に比べて大幅に上昇しており、これはリーマンショック時のようにその他の様々な末端価格に上乗せされる。
2011-03-17 08:05:126)原発及び火力発電所の新造を選ばない場合、別の資源による発電が期待されるのだが、風力発電は将来有望ではない。日本の風土上の問題として、風力発電用風車は毎年来る台風、頻発する地震に弱い。立地専有面積の割に実効発電量も決して多いわけではない。ファンからの可聴域外騒音もある。
2011-03-17 08:07:397)潮汐発電については、かつて東京湾で潮汐発電をしたら、という思考実験があったが、潮汐差が12m必要、という結論だった。津波と同規模の潮汐差がないと、都市の実用需要を賄う電力供給はできず、これも実用的ではない。
2011-03-17 08:09:088)水力発電について言えば、既にあるダム計画の推進と同義語になるが、用地買収交渉と工事合わせて数十年掛かる。反対運動はここにもあり、それらは大いに長引く。
2011-03-17 08:11:039)原発、火発に替わるものとしては、メタンハイドレートは将来的に有望である。日本周辺の埋蔵量も多く、これらの採掘・事業化が実現できるなら、エネルギー問題は解決するし、日本は燃料輸出国にすらなれる。しかし、メタンハイドレートの鉱床(実際には鉱石ではない)は深海にあり、採掘は難しい。
2011-03-17 08:13:0710)技術試験としては既にメタンハイドレートの試掘、採取は行われていたと記憶しているが、これらを安全に事業化する目処はまだ立っていない。これを向こう3~5年以内に事業化できるかと問われたら、よほどの予算を投入して国家事業にしたとしても、恐らく10~20年は掛かると思う。
2011-03-17 08:14:3011)個人の節電、企業の節電、社会的な節電はもちろん電力需要を抑制できるし現実問題として効果的だが、削りようのない電力需要は少なからずある。今後、新規発売製品は自発給電ができるもの、超低電力が売りになっていくだろうけれども、需要をゼロにできない以上、代替電源の開発は不可避。
2011-03-17 08:16:0212)ちなみに、核融合発電はまだまだ先、宇宙で発電して地上にマイクロ波で送電するなどは、コスト対効果が見合わないので除外して考える。
2011-03-17 08:16:4913)どちらにせよ、今回の電力不足は都合3~5年前後以内に事業化・投入できる方法でなければ、現実的とは言えない。つまり、新規技術ではなくて「既存の枯れた技術の工夫」によるものが求められることになる。
2011-03-17 08:17:3614)個人的には、結局どう転んでも原子力発電という選択肢からは逃れられない、当面の需要を満たすのにそれ以外の選択肢はない、故に稼働中の残存原子炉が炉齢を迎えて安全に閉鎖され廃炉となった後も、社会的総論としては原子力発電を選ばざるを得ない、という結論にはなると思う。
2011-03-17 08:19:1715)ただ、福島第一の事例を見た後で、新たな原発の建造を引き受ける自治体は少ない。ちおうより皆無だと思う。感情的な反原発運動の盛り上がりとは別に、現在の「水で炉を冷やす、温熱排水を海に流す」という原子炉を使う限り、原発は海沿いにしか作れず、海沿いに作る限り津波災害からは不可避。
2011-03-17 08:21:2016)浜岡原発(静岡県御前崎)が既に取り組んでいるように、防波堤を高くする、冷却水ポンプの周囲の隔壁を強化すると言った工夫はされて然るべきだが、根本解決にはならない。地震・津波の恐れがある海岸沿いに原子炉を新造するには、よほど分かりやすい説得力のある解決策が講じられない限り難しい
2011-03-17 08:24:0217)ただ、それであっても原子力発電以外の選択肢を、現実的な(継続的な事業として)選ぶのは難しい。メタンハイドレートが事業化(実用化ではなく「事業化」)されるまでの20年間を繋ぐための選択肢としては、原発以外の選択肢は選びがたい。
2011-03-17 08:25:4018)「枯れた技術(十分に実用されている既存技術)」「津波・地震の被害を受けない」「原子力」この条件を組み合わせた場合、以下は個人的考えだけど、【発電給電だけを目的とした原子力発電艦】または【原発を乗せたメガフロート】という選択肢になると思う。SFでは使い古されたアイデアだけど。
2011-03-17 08:27:5719)三陸沖に展開中の米空母ロナルド・レーガンは、それ一隻で100万kw、街一つ分の発電力を持つ。現在、関東で不足している電力は概ね300万kw。原子力空母が3隻あれば賄える。または、発電のためだけに原子炉をもう2機積んだ原子力発電艦があれば、1隻で賄える。
2011-03-17 08:30:02※空母の発電能力について、謹んで訂正します。ニミッツ級で6.4万kw、ターボエレクトリック方式の大戦中の空母で14万kw。となると、原子力発電船は数が必要になりますね(´・ω・`)
2011-03-17 08:39:1320)地表に接していないのだから地震にも強い。地震発生後の津波に対しても、沖合への待避ができる。空母クラスの大きさとなると横波にも強い。原子炉の緊急閉鎖技術は、原潜などへの搭載実績からもある程度の信頼が置ける。
2011-03-17 08:32:2121)ただ、日本はかつて原子力船むつの開発を断念した経緯があり、また航空母艦(他国への打撃力)を持たないという前提から、原子力空母の開発をしてこなかったため、そうした技術を持っていない。提供を期待できるのはアメリカだが、原子力空母は軍の中核技術であり供与の期待は難しい。
2011-03-17 08:33:4222)原子力発電所をメガフロートに乗せてしまえ、というのは、こちらは日本国内の既存技術で実現可能だ。自力航行能力はないものの、沖合に半着底型メガフロートとして設置しておき、いざというときは「浮かす」。発電電力は海底ケーブルで陸送する形で、これは原子力発電船でも同じ。
2011-03-17 08:35:5523)基本的には地上に作っている原子力発電所を、海の上の人工浮き台の上に載せるというものになる。メガフロートの建設実績はあり、技術的に実現可能だ。ただ、メガフロートに原子力発電所を乗せた場合の課題は、テロ対策。
2011-03-17 08:39:3924)沖縄の普天間基地代替施設でメガフロートが断念された理由(工法とかコストとかいろいろあったけど)のひとつに、防衛の難しさがあった。浮体構造物の海面下は守りにくく、破壊工作を防ぐための警備が非常に難しくなる。
2011-03-17 08:41:48