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オウガ・ザ・コールドスティール #2

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
(親愛なる読者の皆さん:本日はニンジャスレイヤーの更新があります。なお、安全な地域の方々は活発に経済活動を行うことがひとつの支援です。積極的に外食し、イベントに行き、ワッショイ!ゴウランガ!)
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(前回あらすじ:最貧困階級の吹き溜まり、オオヌギ・ジャンク・クラスターヤード。ここには奥ゆかしい日本的タツジン技術を現在に伝える職人、有限会社ドウグが軒を構えている。ただひとりの社長にして従業員であるサブロ老人は、ニンジャスレイヤーのスゴイ便利ツールの数々を用立てていた。)
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(軒先で言い争い、追い出された者あり。サブロ老人の一人息子、マノキノだ。彼はネオサイタマの搾取産業構造の頂点に立つ巨大コングロマリット「オムラ・インダストリ」の社員だというのだ。再会を拒絶された彼の目には涙が光った。)
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(彼がチーフ・エンジニアとなって開発を進めていたのは、暴動鎮圧兵器「モーターヤブ」の後継機、「モータードクロ」である。プレゼンテーションルームに集まった関係者の前で、その悪魔的スペックが明らかにされる……!)
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「モータードクロ」。威圧的なカタカナ。その下にオムラ・インダストリの社紋が表示される。「えー、このモータードクロの革新的性能については、チーフエンジニアであるマノキノ=サンが、私にかわりましてご説明申し上げます」「ドーモ、皆さんありがとうございます、マノキノです」
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ナムアミダブツ!壇上に上がり、マイクを受け取ったこの若いサラリマンのことを、我々は知っている。サブロ老人の店から泣きながら出て行った息子その人だ……!
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「この、エー、モータードクロはですね、モーターヤブよりもさらに人間に近い動きと飛躍的に賢い人工知能を備え、よりフレキシブルなミッションを行う事を可能としております。このモータードクロの採用に伴って、155の特許を新たに我が社は取得しています」
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画面に太字のミンチョ体文字が躍る。「特許」「155」「我が社の先端技術」「実際安い」。「八本のアームと四本の脚は見事な安定性を誇ります。モーターヤブは転倒の危険を抱えており、それにともなう事故も残念ながら見られました。その点、モータードクロに転倒という概念は存在しません」
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「倒れそうになると他の脚でカバー」「とても倒れない」「これも特許」「真似が違法」。魅惑的な文言が矢継ぎ早にスクリーンに浮かび上がり、眩しく輝く。イヨオー、という効果音が鳴り響き、和太鼓サウンドが鳴った。プレゼンテーション!
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ダブルのスーツにメンポ姿の男が拍手を始めた。「これは革新的な話だ!良いニュースだ!」他の参加者も空気を読んで拍手に加わった。警察関係者が咳払いした。「私が一番気にしとるのは、その改善されたという人工知能だよ、君ィ。あれが実際に鎮圧に当たっている場をその目で見たことがあるかね?」
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「と、おっしゃいますと……」マノキノは緊張した面持ちで警察関係者を見た。メンポの男は苛立たしげに机を指でコツコツと打ちながら、警察関係者を睨んだ。警察関係者は言う。「君ィ、あれはねえ、敵味方の認識もロクにできんようなロボットだよ、あのモーターヤブは。現場はマッポー的殺戮の場だよ」
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警察関係者は続ける。「投降を受け付けん、味方を認識せず発砲、ネオン看板への手榴弾オート投擲。遺族への賠償金や年金はバカにならんよ?君ィ。カネはいいよ、オムラ=サンによしなにしてもらえばいい(当然してくれるね?)。でもねえ、イメージダウンは深刻なの!ウチの!僕は選挙に出たいの!」
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「エー、そのあたりについては、実に万全なのです」マノキノは冷静に回答した。「なにしろ人工知能のシステムが根本から違います。これも特許ですが、人体のニューロンを利用しています。これにより、エー、数値に関する説明は避けますが……つまりですね。実物が、来ております」
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室内がどよめいた。マノキノはスクリーンを振り返る。「ドーゾ!ご覧ください、これがモーターヤブです!」キリキリと音を立て、スクリーンが上へ巻き取られて行く。そこにはオムラの社章がレリーフされた鋼鉄製の円形ドアがあった。
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バシュッ!蒸気を噴き出し、ロック機構が解除された。鋼鉄のドアが左右に開くと、更にその奥の二重ドアが上下に開いた。奥から重い白煙が漏れ出し、異形のシルエットは背後の光を受けて逆光として浮かび上がる。そして鳴り響く合成音声、「ドーモ、ミナサン、ハジメマシテ、モータードクロ、デス」
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「なんと、もうロールアウトしているというのですか?」御用ジャーナリストの一人が興奮して叫んだ。「これは大スクープになります!スゴーイ!」ガシン!ガシン!蜘蛛めいて生える鋼鉄の脚は、真上から見ればXの字に見えるだろう。それをしなやかに動かし、モータードクロが室内に進み出た。
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「オオ……」「何とこれは……」「ブッダ……」「悪魔……いや、ブッダ……?」「ナムアミダブツ……!」「ブッダエンジェル……!」出席者が口々に感嘆の声を漏らす。彼等の目の前にいるのは、まさに古事記の世界から召喚されたがごとき、悪魔めいた鉄のオニであった。
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まずはゴリラめいた屈強な鋼の胸板を見よ。そこには威圧的な赤い毛筆体で「秩序」、さらに補足的に「敵を許さないです」と書かれている。恐るべき上半身の上に乗る頭部は、神話の戦士、ブッダを守って戦ったガーディアン・ニンジャ達の伝承を記号的に取り入れた、畏怖を呼び起こすデザインだ。コワイ!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
八本の腕はどうか?これもまた恐るべきデザインである。無骨な鋼のシャフトやシリンダーが剥き出しで、ところどころにカギ爪が生えている。触っただけで負傷せしめることは確実だ。そして背中には恐ろしげな武器が伝説のベンケイ・ニンジャめいて大量に背負われている。殺戮の意志が形をとったようだ!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ドーモ、モータードクロ、デス!」「エー、このデザインはですね、我が社の特別顧問であるそちらのラオモト=サンの意見を取り入れ、当初のものからかなり……」マノキノが不安げに、メンポの男を一瞥した。読者の皆さんはすでにご存知だろう。彼がラオモト・カン、ネオサイタマの闇の王だ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「実践的に」ラオモトが低い声で補足した。「そ、そうです。当初のものより、かなり実践的に、より鎮圧対象の戦意を削ぐような外見、格闘能力に関しても相当の調整が加えられた形なのです」なるほど、その言葉に嘘はない。この場の何名かは既に、恐怖のあまり、無言の内に失禁している。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ドーモ!モータードクロ、デス!」モータードクロはモーター音と共にオジギしてみせた。「なんと!完璧なアイサツだ!あ、いや……」警察関係者は思わず腰を浮かして叫んだが、すぐに咳払いして冷静を保とうとした。「どうやら人工知能の改善はしっかりやったようじゃないか、君ィ」
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011-04-05 05:48:57
オウガ・ザ・コールドスティール #1 http://togetter.com/li/109984 オウガ・ザ・コールドスティール #3 http://togetter.com/li/113223
クォ @quo_te 2012-02-21 21:12:32
RT @NJSLYR: 画面に太字のミンチョ体文字が躍る。「特許」「155」「我が社の先端技術」「実際安い」。「八本のアームと四本の脚は見事な安定性を誇ります。モーターヤブは転倒の危険を抱えており、それにともなう事故も残念ながら見られました。その点、モータードクロに転倒という概念は存在しません」
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