北野勇作さんの【ほぼ百字小説】その2

【ほぼ百字小説】 https://togetter.com/li/898026 が1000篇を超えましたので、その2に移行しました。 『じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説』2018年9月1日発売です。 https://www.amazon.co.jp/dp/4909689060/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_hA-HBbC861M8J 続きを読む
文学 Twitter小説 書籍 北野勇作
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北野勇作 『じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説』発売中! @yuusakukitano
【ほぼ百字小説】(1001) お椀の中にアラビアの夜が入っていた。知らないうちに入っていた。遠慮なくいただくと、翌日もお椀に入っていた。そういうシステムらしいな。まあおかずが一品増えたようなものか。いつまで、と尋ねると、死ぬまで。
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というわけで、ぼちぼち再起動。どのくらいのペースでいくかはまだわかりませんが、次の岩を目指します。
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いや、私が開拓したわけじゃない。140字とか、だいぶ前からありますし。私は開拓者というよりは隙間生物です。まあそれでも、1001はなかなかのもんだとは思いますけどね。 twitter.com/tilifiyal_ver0…
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@youchan_togoru 1001を超えたら、あとはもう全部オマケですからね。というわけで今後、私の小説はすべてオマケです。オマケとして生きていけるって、なんて素敵なことでしょう。オマケのQ太郎。
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【ほぼ百字小説】(1002) おれ、こんど茸になるんだ。昔からの友人が言う。そうか、とうとう決心したのか。まあ食うには困らないそうだから。でも、食われたりすることもあるんだろ。うん、だからできるだけ気持ち悪くなるつもりなんだけど。
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【ほぼ百字小説】(1003) 昔は公園だった窪みに昔は砂場だった水溜まりと昔はジャングルジムだった塊と昔は滑り台だった塊と昔はブランコだった塊と昔はなんだったのかわからない塊があって、今日もやっぱり昔は人間だった何かが遊んでいる。
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【ほぼ百字小説】(1004) 潮が引くと砂の道が現れる。ここは遠浅だからどこまでも歩いて行ける。さくさく歩いて、よさげなところを掘ってみると、砂の下から出てくる出てくる。懐かしいものから忘れていたものまで。ここはそういう海だから。
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【ほぼ百字小説】(1005) 動物園の動物たちが芝居を始めたというのは知っていたが、どういう事情からかその芝居への出演を依頼される。稽古に行ってみると、今回は衣装無しでね、と。それで自分が今までヒトの皮を被っていたことを思い出す。
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【ほぼ百字小説】(1006) 潮が引くと砂の道が現れる。ここは遠浅だからどこまでも歩いて行ける。さくさく歩いていると、掘ってもないのに、砂の下から出てくる湧いてくる。忘れたいもの忘れたはずのもの。周りから砂を噛む音が聞こえてくる。
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【ほぼ百字小説】(1007) 古い商店街の奥で、演じたり踊ったり歌ったり思い出したりするのを観る。左右のシャッターはすべて閉じているからやりたい放題だ。まあ我々が閉店しても、誰かがシャッターの前で何かやってくれるのだろうなと思う。
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【ほぼ百字小説】(1008) 尻尾の多い生き物だ。少々切っても大丈夫。かなり切っても大丈夫。危なくなったら尻尾を切って、本体だけは逃げられる。尻尾の数だけ逃げられる。そう考える頭だが、はたから見れば尻尾の頭。尻尾の中のリーダーだ。
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【ほぼ百字小説】(1009) かなり細長い空間なのだが、そこはさすがその道のプロ、細長く出した声を細長い隅々まできちんと届ける。細長い声で編まれた細長い話に満たされることでその密度を増した今夜の細長い空間は、どこか羊羹に似ていた。
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【ほぼ百字小説】(1010) 動物園で見られる。せっかく見てくれるのだから、といつもより声を出したり動いたりしてしまう。そこが動物園の他の動物と違うところであり、ダメなところ。ありのままで勝負できない。ヒトという動物としてダメだ。
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【ほぼ百字小説】(1011) イヌもネコもイタチもゾウもライオンも連日の蒸し暑さにぐったりしていて、もちろんヒトだってそうなのだが、しかしぐったりしてもいられないのがヒトの身分であり、それで仕方なく科学を作りエアコンを作ったのだ。
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【ほぼ百字小説】(1012) 漬けたり染めたり干したり寝かしたりするうちに複雑な意味が生じるらしい。しかし手間だな。まあこういう手間を文化として受け取らなければダメなのだろう。えっ、最低五年は漬けるのか。そんな言語があるんだなあ。
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【ほぼ百字小説】(1013) 世界の容量が足りなくなってきて、容量を節約するため人間は単純化されて人形に。人形でも工夫次第で人間がやるような表現はできるはず、というか、実際にやってみると、人形のほうがより豊かな表現になっていたり。
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【ほぼ百字小説】(1014) ずいぶん前に書いたキャラクターで、そのお話は書き終えているから当然もうここにはおらず、ではどこにいるのかと思っていたところ、歩いているという話を聞いて、それを確かめるために降りたことのない駅で降りた。
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【ほぼ百字小説】(1015) 尻尾の多い生き物だ。少々切っても大丈夫。かなり切っても大丈夫。たまに尻尾と間違えて、頭をころり切り落とす。それでもなんとか逃げ切れば別の尻尾が頭の代わり。頭と言っても名ばかりで尻尾と何も変わらない。
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【ほぼ百字小説】(1016) 空き地にある桃の木。毎年、実を採っていたのだが、なぜか今年は空き地にぐるりとフェンスが。諦めきれず竹竿片手に行ってみるとフェンスが破れている。どうせこれ、破ったと思われるのだろうな。ならば、くぐるか。
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【ほぼ百字小説】(1017) おおああおお、おおああおおお、と何日か前から夜になるとうるさくて、まあそういう時期なのだろうが、それにしても猫と言うより魔女の声だな、と塀の隙間を覗いてみると猫ではなく小さな魔女たちが集会をしていた。
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【ほぼ百字小説】(1018) 世界が増量されたので、容量を節約するために人形化されていた人間はもと通りに。もっとも、もう人間に戻りたがらない者も大勢いて、再人間化から逃れるために自分を人間そっくりに改造する人形も少なくないらしい。
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【ほぼ百字小説】(1019) 一日ひとつふたつ書けば二年ほどで千になる、などと言われても、ひとりでそんなことをやる気にはならないだろうに、楽しいまま千を超えたのは、ここにはお客さんがいるからで、だからここは舞台なのだろうなと思う。
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【ほぼ百字小説】(1020) 地上を尖らせることに決めたらしい。地面だけでなく、屋根も電柱も電線の上さえも尖っている。地上に暮らす者全員が尖っている。今飛んでいる鳥はどこにも止まれない。そうすることで何が生まれるのかはわからない。
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【ほぼ百字小説】(1021) ドローンの材料が生き物に近くなって鳥との見分けがつかなくなり、飛んでいるものはドローンと思え、と見境いなく撃ち落とすようになったから、当然ながら空に鳥はいなくなり、それでも昔と同じくらい空は賑やかだ。
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【ほぼ百字小説】(1022) 内閣改造が発表されたが、大臣たちの顔ぶれは以前と変わらない。どこが改造なのか。記者のそんな質問に首相は、では御覧に入れよう。それを合図に、大臣たちは奇声を発しながら改造されたその肉体を次々に披露する。
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コメント

垂直応力 @normal_stress 2018年8月30日
1301~1305を追加しました。 『その先には何が!?じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説』9月1日発売です。 https://www.amazon.co.jp/dp/4909689060/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_hA-HBbC861M8J
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