ふぃっしゅ数Ver.1の解説

「巨大数論」や「寿司 虚空編」が発売されたりと、巨大数に関する書籍が出てきて、巨大数に興味を示す人が増えてきた今、ふぃっしゅ数Ver.1の計算方法を解説。
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笹岡 @safour_1

・ふぃっしゅ数について ふぃっしゅ数作成の具材:3, f(x)=x+1, S変換 レシピ:3とfとS変換を63回SS変換したらできあがり。 ではS変換とSS変換とは何かをふわっと解説していく。

2017-07-16 02:51:03
笹岡 @safour_1

自然数と関数のペアから自然数と関数のペアへの写像Sを以下で定義する。 S(m,f(x)):=(g(m),g(x)) g(x)は以下のように定義される★ B(0,n)=f(n) B(m+1,0)=B(m,1) B(m+1,n+1)=B(m,B(m+1,n)) g(x)=B(x,x)

2017-07-16 02:51:23
笹岡 @safour_1

このBとかはモジャっとしているので、とりあえずB(n,m)という関数は馬鹿でかい数を生成する機械だと思って差し支えない。 つまり、S変換は数と関数を入れたら、馬鹿でかい数と馬鹿でかい数を作る関数を返す変換。

2017-07-16 02:52:12
笹岡 @safour_1

・自然数、関数、変換の3つ組から自然数関数変換の3つ組への写像SSを以下で定義する SS(m,f,S) := (S^{f(m)}(m,f), S^{f(m)}) モジャっとしているが3つ組をでかくする自己増幅装置だと思えばよい。

2017-07-16 02:52:46
笹岡 @safour_1

・m=3, f(x) = x+1, S変換について SS^{63}(m,f,S)の第一成分をふぃっしゅ数ver1 第二成分をふぃっしゅ関数ver1と呼ぶ。

2017-07-16 02:53:08
笹岡 @safour_1

定義に出てきたB(n,m)という関数が大事なので見ていく。 このBという関数はアッカーマン関数と呼ばれるものでn,mが大きくなると計算量が爆発的に増える。クヌースの矢印を使って式を計算すると B(n,m) = (2↑^{m-2} (n+3))-3という値になる(大きな数です

2017-07-16 02:53:26
笹岡 @safour_1

低い数字なら定義から手計算できるので簡単な計算例 (ここで実際に計算してみると後で凄さがわかると思います) ・B(1,3)=B(0,B(1,2)) = ... = 5 ・B(2,1)= ... = 5 例えばB(4,2)とかでは値が大きいのでコンピュータが悲鳴をあげるらしい。

2017-07-16 02:53:41
笹岡 @safour_1

寿司虚空編2話を参照するとB(3,3)=61(膨大な計算量になるので手では無理)

2017-07-16 02:54:06
笹岡 @safour_1

さて、Bという関数のヤバさはわかったことにして、今度はふぃっしゅ数の作り方を紐解いてく。 SS変換を先に見ることにすると、一回目のSS変換では定義より SS(3,x+1,S) = (S^4(3,x+1), S^4)という値になるのでS変換を4回行う必要がある。

2017-07-16 02:54:41
笹岡 @safour_1

ではS変換を見ていく。(3,x+1)にS変換を施すと S(3,x+1) = (61, B(x,x))となるので一回の変換では大したことない。 これに二回目のS変換を施すと、 ★で定義されるg(x)=C(x,x)という新しい関数Cが現れる。

2017-07-16 02:55:00
笹岡 @safour_1

S変換を施すと結局 S(61,B(x,x))=(C(61,61),C(x,x))=(g(61),g(x))となる。 第一成分に現れたg(61)という数、ヤバいんですよね。 低いところから計算するとg(1)=...=B(3,3)=61と(最後の等式だけ認めれば)これは手計算可能。

2017-07-16 02:55:23
笹岡 @safour_1

ここからは実際に少し計算をしてもらったほうがヤバさが実感できるのだけど、 g(2)を計算していくと C(1,1)=61とかC(1,2)=B(61,61)とかC(1,3) = B(B(61,61), B(61,61))なんかが現れるんですよね。

2017-07-16 02:55:43
笹岡 @safour_1

思い出して欲しいのはBという関数が既にデカイ数を与える関数だったこと。 でかい数をまたCという関数に突っ込むのでもう歯止めが効かなくて、g(2)を考える辺りでもう既にグラハム数を超える。 g(61)はヤバい。一緒に出てきたg(x)という関数もヤバい

2017-07-16 02:56:06
笹岡 @safour_1

3回目のS変換をしてみましょう(もう嫌) ★を見てgg(x)=D(x,x)と新しい関数ができる。 S(g(61),g(x))=(gg(g(61)), gg(x)) gg(1) = g(61) ←さっきのヤバい数 ggにg(61)を代入するってアナタという感じが伝わると思う。

2017-07-16 02:56:21
笹岡 @safour_1

こんな感じで4回S変換をしたものが「1回目の」SS変換でした。 今度はSS変換の機構を見ていきましょう。定義は以下のようなものでした。 SS(m,f,S) := (S^{f(m)}(m,f), S^{f(m)})

2017-07-16 02:56:34
笹岡 @safour_1

今度は1回目のSS変換で得られた(m,f(x),S)=(ヤバい数、ヤバい関数、4回S変換)に対して4回のS変換をf(ヤバい数)回しなさいということです。 ヤバいですね。

2017-07-16 02:56:47
笹岡 @safour_1

こうしてSS変換はS変換をする回数を増殖させ、それにより大きな数と大きな関数を生み出し、お互いに高め合える存在なわけです。素敵ですね。

2017-07-16 02:56:58
笹岡 @safour_1

参考文献 [フィッシュ] 巨大数論 gyafun.jp/ln/ [小林銅蟲] 寿司虚空編 comic.pixiv.net/works/1505 [CodeIQ運営事務局]「アッカーマンの呪い」codeiq.jp/magazine/2013/…

2017-07-16 02:57:11
笹岡 @safour_1

謝辞として、面白い話を作ってくれたふぃっしゅっしゅさん、巨大数の話を最初に教えてくれた長身メタルベーシストパイセン、それを漫画でポップに伝えてくれた小林銅蟲さんへ感謝

2017-07-16 02:58:41