「ユーリ!!! on ICE」考察まとめ

@abyssin2011さんの考察を軸としてまとめています。余力があれば他の人の考察なども追加、再編していきたいところ。 「ユーリ!!! on ICE」公式HP http://yurionice.com/
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1話での勇利

abyssinsurlaglace @abyssin2011

YOIの1話って、最初から最後まで、常に何かしらが降ってるよね。ソチではひらひらと舞う雪が背景にあって、前景にはらはらとこぼれる勇利の涙(それに先立ってトイレの手洗いの蛇口からしたたる1滴の水)。

2017-03-26 21:57:06
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 ソチの雪はそのまま滑らかに長谷津の桜の散りゆく花びらに変わり(二つのシークエンスを繋いでいる)、桜もソチの雪みたいに勇利の周りでひらひら舞い散っている(まり姉ちゃんとの会話の時も窓の外で雪のように降っている。ただしリンク周辺とその途上では降っていない)。

2017-03-26 22:00:13
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 それが一夜で突然雪に変わり、ヴィクトルがやってくる。

2017-03-26 22:00:51
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 映像文法的には、むろん、「雪=勇利の涙」であり、散る桜もまた勇利の寂しい気持ちとか諦念とか失った/手に入れられなかった何かとかを悼むような心情を象徴している。

2017-03-26 22:01:39
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 雪か桜がずっと降っているということは、ギャグがところどころ挟まるんで忘れがちになるんだが、基本的に勇利は1話の大部分で、実は「心では泣いている」状態であることを表しているわけだよね。

2017-03-26 22:02:33
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 でも1話の最後に降る季節外れの雪で、その「雪」(あるいは「降り注ぐもの」)が180度意味を変えるところがすごく面白い。「涙」の隠喩だったものが、「驚き」とか「吉兆」(もっというと予示的には「祝福」)に変わるんだよね...面白いというか美しいよね...

2017-03-26 22:03:39
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 蛇足だけど、この季節外れの雪は、当然ながらヴィクトルの1-2話限定のアトリビュートっていうか、サンクトでヤコフとの別れのシーンで降ってるので(結構激しく)、意味的にはヴィクトルが連れてきたということになる。

2017-03-26 22:46:10
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 翌朝にはやんでいるので、一回きりの奇跡みたいな感じ。

2017-03-26 22:48:13
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 で、2話の藤棚シーンを見ると、桜はもう舞い散っていない(花びらは地面にたくさん「雪のように」積もっている)。ここ以外にも、もう桜が舞い落ちている場所はない。

2017-03-26 22:49:50
abyssinsurlaglace @abyssin2011

@abyssin2011 なぜなら、あの季節外れの雪が、あらかた散らしてくれたからなんだよね…だから、もう勇利は「心で泣いていない」。しかも桜は葉桜になっていて青々としている。これは、勇利の心が再生を始めたことを示しているんだと思う。

2017-03-26 23:00:54

実家

abyssinsurlaglace @abyssin2011

この真利姉ちゃんの件の続き。1話の仏間での会話シーンで、勇利と彼女の間に「距離」があるということがどのように表象されているかについて。まあ見ればわかるという話ではあるんだけど、ショットごとに記述してみる。 twitter.com/abyssin2011/st…

2017-07-04 16:26:15
vousmemanqueztoujoursCB @abyssin2011

(真利姉ちゃんはユーリ推しになったからフィギュアスケートにちょっとは興味を持つようになり、外国にまで応援に行ったんだと思う…勇利の初めてのGPFであるソチにさえ誰も来てなかったのに(ミナコ先生さえいなかったのは、作劇上、勇利の孤独を強調するためだろうけど)、

2017-06-20 01:01:15
abyssinsurlaglace @abyssin2011

仏壇でヴィっちゃんにお参りしている勇利の後姿のロングショット。引き戸を開ける音がして振り返る勇利。ちなみにここでは対角線にそって空間がくっきり幾何学的に明暗に分かれていて、勇利の頭部は暗がりの中にある。 pic.twitter.com/HXrge7q50T

2017-07-04 16:28:29
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

(この画面を対角線上に二分する明暗表現はとても美しいが、勇利の体を首から肩にかけて刃物のように鋭く横切っており痛々しさを喚起しなくもない)。→真利のミディアム・クロースアップ(次の瞬間、優しい顔でふっと笑う)。 pic.twitter.com/BcV9uKoAXs

2017-07-04 16:31:15
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

→窓を中央に配した真横からのロングショット。このあとに(もしくは真利の最初のショットの直後に)勇利のミディアム・クロースアップ(=真利と同じショットサイズ)が来て切り返しが成立してもよさそうなのに、そうならず、そのまま真横からのロングショットが続く。 pic.twitter.com/ouY1ypD4RD

2017-07-04 16:32:59
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

ここで真利はポケットから煙草を出してくわえながら、いつまで長谷津にいるのか、温泉を手伝うのかと聞く。→真横からの勇利のミディアム・クロースアップ(以下、勇利、真利ともに同じショットサイズが続く)。「えっ、何急に」と言って不安そうな焦った顔をする勇利。 pic.twitter.com/yvYfS0H3OZ

2017-07-04 16:43:05
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

→煙草をくわえた真利の横顔。「留年してまで大学行ってたのにこれからどうすんの」と言いながら煙草に火をつけようとする仕草→勇利の横顔(オフ[フレームの外]で真利が煙草に火をつける音)、勇利は眉毛を上げ、瞳が揺れる。 pic.twitter.com/YAxZxrm8MX

2017-07-04 16:51:39
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

→真利の横顔。少し険しい顔で煙草を吸い煙を吐き出した後、やや気楽そうな表情になり「スケート続けるなら応援するけど」 pic.twitter.com/iKwikcIvAM

2017-07-04 16:55:58
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

→真横からのロングショット。勇利「まだ少し考えたいっていうか…」→「ふうん、そう」と言いながら回れ右する真利→勇利の俯瞰のミディアムショットにオフで真利の声「まあ、温泉入ってゆっくりしてって」とその場を離れていく足音。 pic.twitter.com/EBBR6ad7zU

2017-07-04 17:02:06
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

俯き気味だった勇利はこの時顔を上げて真利の去った空間(あるいは去ってゆく真利の背中)を見ながら、ややポカンとした顔?。→真横からの勇利しかいないロングショット。真利のいた空間には煙草の煙だけが残って消える。 pic.twitter.com/B7MIVgowoK

2017-07-04 17:04:05
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abyssinsurlaglace @abyssin2011

最後からひとつ前の勇利の俯瞰のミディアムショットが、真利の最初のミディアムショットに対応しているといえるかもしれないが、そのときすでに彼女はその場にいない。切り返しがないということは、ここでは彼らの間に意志疎通がきちんと成立していないことを示していると思う。

2017-07-04 17:05:22
abyssinsurlaglace @abyssin2011

切り返しの欠落以外にも彼らの距離感を文字通り表しているものがあって、それは彼らの間の、部屋一つ分の空間(距離)。彼らの間の心理的距離をすごくわかりやすく物語っている。

2017-07-04 17:06:27
abyssinsurlaglace @abyssin2011

真ん中の空間は明るいけど空っぽで、動くものは窓の外の舞い散る桜だけ、姉弟は、この明るい空間を挟んだ両端の暗がりにいる(勇利は光の中にいるんだけど逆光で影に覆われている)。このショットが真横から見られたものであるのは、この「距離」を提示するためだよね。 pic.twitter.com/arLkFDLX7v

2017-07-04 17:08:03
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