三浦英之朝日新聞アフリカ特派員による南スーダン・少年兵の現実まとめ

内戦が続く南スーダンで少年少女はどのように扱われていたのか
3
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①内戦が続く南スーダンから武装勢力の手を逃れて隣国ウガンダに逃げてくる元少年兵たちがいる。ウガンダ北部で秘密裏に設置されている元少年兵たちの保護施設に入った。語られることの少ないもう一つの現実 pic.twitter.com/oUjwvtIaiH

2017-06-03 22:55:04
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

②ウガンダ北部。数万人の難民が暮らす居住区の一角に鉄条網で保護されたエリアがある。南スーダンで政府軍や反政府勢力の戦闘員にさせられ、その後、ウガンダに逃げてきた元少年兵たちが暮らす保護施設だ。13年12月以降に設置され、今も数百人が生活する pic.twitter.com/nOWHYReJ5o

2017-06-03 22:56:28
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

③施設はその存在自体が完全に秘匿されている。私が取材先を通じて存在を知ったのは昨年12月。現地助手を3度派遣し、3カ月間交渉を続けて取材に持ち込んだ。場所と外観の写真はNG pic.twitter.com/BRcQa1zOS9

2017-06-03 22:59:32
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

④少年たちはウガンダ国境で難民申請をする際、戦闘員だったことが分かるとウガンダ政府の判断でこの施設に送られてくる。5月5日までの1カ月間で移送されてきたのは60人。全員男子で、16、17歳が多い。2人の元少年兵が取材に応じた pic.twitter.com/zzaVmYzmW6

2017-06-03 23:01:40
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑤南スーダン南部出身の少年(17)は昨年1月、親友3人と道を歩いていたところを拉致された。銃を突きつけられて殴られ、目隠しをされて軍事拠点に連行された。翌朝、「我々に加わって政府軍と戦え」と命じられ、拒否した親友の1人はその場で射殺された。命令に逆らえなくなった pic.twitter.com/PllzUjIkxl

2017-06-03 23:03:00
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑥翌日から軍事訓練が始まった。茂みの中を腹ばいで前進し、自動小銃の扱い方を教わった。10回ほど政府軍への襲撃に参加させられた。茂みに身を隠し、銃の引き金を引いた。「親友2人が政府軍の銃弾に当たって死んだ。悲しかった。自分が何人殺したのかは覚えていない」 pic.twitter.com/8TPDIdw7Na

2017-06-03 23:03:53
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑦今年4月、部隊を抜け出し3日間歩いてウガンダ国境を抜けた。「毎日、銃撃戦の夢を見る。人を殺したくなんかなかったけど、殺さなければ、自分が殺されてしまう。地獄のような日々だった」 pic.twitter.com/63v5Tw6AWr

2017-06-03 23:05:36
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑧南スーダン東部出身の少年(16)は今年1月、父親や妹(14)と畑仕事をしていて拉致された。父親は「子どもを連れて行くなら、俺を連れて行け」と抵抗したが、反政府勢力の男は父親に暴行し、少年と妹だけを連れ去った pic.twitter.com/xAKV5k4Liq

2017-06-03 23:06:16
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑨2人は毎日殴られた。「数日後にはもう逃げようとは思わなくなった」。少年は荷物持ち、妹は洗濯と食事の準備を命じられた。1日の食事はわずかな量のトウモロコシの粉。政府軍との戦闘が始まると、前線に弾薬を運ぶよう命じられ、茂みの中を走り回った。「なぜか怖さを感じなくなっていた」 pic.twitter.com/NnjB3d215d

2017-06-03 23:07:42
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑩4月に抜け出し、ウガンダ国境へ向かった。保護先に到着し、父親は殺されたと知人から聞いた。少年は「妹はまだ反政府勢力の下にいる。助け出してほしい」と懇願した pic.twitter.com/Oqs5MNuN3p

2017-06-03 23:09:11
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑪この保護施設は何のために存在しているのか。幹部2人が明かした。子どもたちは目の前で家族や友人を殺されたり、自ら敵を殺したりしている。PTSDで睡眠障害や摂食障害を引き起こすケースもある。専門職員がカウンセリングを行い、難民居住区にある学校に通うための準備を進める pic.twitter.com/1p5dwLEny9

2017-06-03 23:11:02
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑫別の幹部は言う。「戦闘員だった子どもを難民として受け入れることはウガンダ政府としてもリスクが高い。テロなどに走らないよう行動を監視する必要がある」。過去に戦闘員だったことが周囲に知れると、敵対民族から報復される恐れがある。逆に同じ民族からも戦争犯罪の「口封じ」のため命を狙われる pic.twitter.com/PT5eQF3tjZ

2017-06-03 23:13:57
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑬一方で、相棒の取材助手の「推測」はこうだ。ウガンダ政府は彼らから反政府勢力の拠点や組織系統などの情報を聞き出し、南スーダンなどの関係諸国との情報共有に使っているのではないか。真偽はわからないが、あり得ない話ではないと思う pic.twitter.com/AgsO9gMpg5

2017-06-03 23:16:01
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑭ユニセフによると、南スーダンが内戦に陥って以降、政府軍や反政府勢力に捕らえられた子どもの数は推定約1万7千人。彼らは前線に送られて戦闘に参加させられたり、地雷除去のために地雷原を歩かされたり、性的奴隷として使われたりしている。想像もつかない現実がそこにある pic.twitter.com/skuu3laX3o

2017-06-03 23:17:24
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑮「世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。そうつづった東北の詩人に思いを馳せる。私に今何ができるのか。内なる声に耳を傾けたい。何度考えても嚥下できない、自国優先主義が跋扈する、この狂った時代の狂気の中で(終) pic.twitter.com/bQlXy3vkxA

2017-06-03 23:19:54
拡大