Ad hoc fleet girls #1「再始動」

ラスカる @Not_Araiguma

#ad_hoc_fleet_girls #1 「再始動」

ラスカる @Not_Araiguma

『そろそろ汽車が来る。お別れだな、長門』 『ははは。提督代理が不安って顔だね。まぁこれが初の試みで、しかも艦娘たちの今後を左右するものなのだから当然か』 『そんな顔するな。長門ならきっと上手くやれる』 『ヨコスカで君の幸運を祈ってるよ』 #ad_hoc_fleet_girls

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__クレ鎮守府を望む丘にて 吹雪「ここがクレの軍港…広い！」 「すごいなぁ。この国一番の軍港って言われる理由が分かった気がする」 「で、あそこに見えるのがクレ鎮守府」 「今日からあそこが私の居場所になるんだね…よし、頑張るぞ！」 #ad_hoc_fleet_girls

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__クレ鎮守府敷地内 吹雪「……ま、迷ったー！！！」 「広いとは思ってたけどいきなり迷子になっちゃった…」 「ここどこ…なんだか人の気配も少ないし、道を聞こうにも聞けな…」 「あっ、誰か歩いてる！助かったぁ！」 #ad_hoc_fleet_girls

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夕立「ん、あれって…」 睦月「嘘、吹雪ちゃん…？」 吹雪「た、助かったぁ。えっと、今日着任なんだけど迷っちゃって…良ければ執務室まで案内してもらえますか？」 夕立・睦月「……」 吹雪「えっと、二人ともどうかされましたか？」 #ad_hoc_fleet_girls

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睦月「…う、ううん、なんでもないよ。貴方が今日着任の艦娘さんだったんだね」 夕立「えっと、よろしくね」 吹雪「こちらこそ！（良かった。早速いい人たちに出会っちゃった）」 睦月「執務室に挨拶、だっけ。案内するね」 #ad_hoc_fleet_girls

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__執務室 吹雪「は、初めまして！吹雪、ただいま着任しました！」 長門「うむ、ご苦労」 吹雪（す、すごく怖そうな人だ…） 長門「…どうかしたか？」 吹雪「い、いえ何も！」 陸奥「こら長門」ぽかっ 長門「あだっ！」 #ad_hoc_fleet_girls

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陸奥「貴方が自己紹介もせずに意味ありげな顔するから、彼女怖がってるじゃない」 長門「そんな顔してたか…？」 陸奥「してました」 長門「む…」 陸奥「ごめんね、長門って強面なの」 吹雪「は、はぁ、なるほど…？」 #ad_hoc_fleet_girls

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長門「こほん…紹介が遅れた。ここクレ鎮守府の提督代理をしている戦艦の長門だ。よろしく頼む」 陸奥「同じく戦艦の陸奥よ。少し頼りない提督代理の補佐をしてるの」 長門「陸奥、一言余計だ」 陸奥「はいはい」 吹雪「…あの噂、本当だったんですね」 #ad_hoc_fleet_girls

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長門「噂…ああ、"艦娘が提督をやっている"のことだな？」 吹雪「そうです。ここがそうだったんですね…」 長門「四年ほど前からな。そしてその噂は少し情報が欠けている」 吹雪「と、言いますと？」 長門「"ここにいるのは艦娘だけ"ということだ」 #ad_hoc_fleet_girls

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長門「主計課、整備課、造船課、開発課……ここではありとあらゆる部門が艦娘だけで運営されている。そして、それらを統括・指揮をしているのが私という訳だ」 吹雪「な、なるほど…」 長門「ふ。まぁそれ以外は普通の鎮守府と同じだから安心してくれ」 #ad_hoc_fleet_girls

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__執務室前の廊下 吹雪（結局ここへの着任が艦娘として初めてって言えなかった…どうしよう） 夕立「あ、終わったっぽい」 睦月「吹雪ちゃーん！」 吹雪「あ、さっきの二人。ここで待っててくれたの？」 睦月「うん。その、心配だったから」 #ad_hoc_fleet_girls

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夕立「それにまた迷う気がして」 吹雪「あ、あはは…」 夕立「そういえば自己紹介がまだっぽいね。私、駆逐艦の夕立。よろしく！」 睦月「睦月って言います。よろしくね」 吹雪「私は吹雪。二人ともよろしくお願いします！」 （……あれ？） #ad_hoc_fleet_girls

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吹雪（睦月ちゃん、さっき私の名前を……今教えたばかりなのに、どうして先に知ってたんだろう？） 夕立「じゃ、吹雪ちゃんを連れていくっぽい！」 吹雪「どこに行くの？」 睦月「鎮守府の案内だよ。吹雪ちゃん、まだここのこと知らないでしょ？」 #ad_hoc_fleet_girls

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吹雪「では、お願いします！」 夕立「固くならなくてもいいっぽい。これから仲間になるんだもの。ね、睦月ちゃん」 睦月「う、うん、そうだよ！」 吹雪「ありがとう。二人とも優しいんだね」 夕立「うん、だって吹雪ちゃんにまた」 睦月「夕立ちゃん」 #ad_hoc_fleet_girls

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夕立「あ、ごめん…よし、じゃあ行こう吹雪ちゃん」 吹雪「うん！」 （二人とも良い人そうなんだけど…なんだろう、この違和感） 川内「……そうか、新しい子は吹雪だったのか」 #ad_hoc_fleet_girls

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__２時間後、工廠前 睦月「ここで最後だね」 吹雪「ほ、ほんとに広いねこの鎮守府…」 夕立「暮らしていくうちに慣れるっぽい。明石さん、こんにちはー！」 明石「はいはーい。二人とも何か用…って吹雪ちゃん！？」 吹雪「は、初めまして」 #ad_hoc_fleet_girls

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明石「あーなるほど…新しい子って貴方のことだったんですね。よろしく、明石です。工廠の主とは私のこと！」 吹雪「こちらこそよろしくです」 睦月「明石さん、艤装はもう直りましたか？」 明石「バッチリ！いつでも出撃でき…待って、通信が来てる」 #ad_hoc_fleet_girls

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明石「こちら明石…なんだ大淀か。駆逐艦の二人、いや三人だけど…近海に深海棲艦？了解、伝えるね」 吹雪「何かあったんですか？」 明石「貴方たち良いタイミングでウチに来たわね。早速だけど仕事らしいですよ」 吹雪「えっ」 #ad_hoc_fleet_girls

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__出撃ドック 吹雪（鎮守府案内の最後に工廠に行ったと思ったら出撃命令が出て、流されるまま艤装を背負わされて…） 川内「よぉしそこの三人、準備はいい？」 睦月「大丈夫です！」 夕立「オーケーっぽい！」 #ad_hoc_fleet_girls

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川内「そこの新入りは大丈夫？」 吹雪「大丈夫じゃないです！」 川内「はっはっは、最初はみんなそんなもんだよ」 吹雪「どうして私がいきなり出撃なんですか！？他の艦娘さんは！？」 川内「応援やら何やらで全員出払っててね」 吹雪「そ、そんな…」 #ad_hoc_fleet_girls

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川内「という訳で私たちが行くしかないってことだ、特型駆逐艦」 夕立「いざとなれば夕立たちがいるっぽい！」 睦月「大丈夫！」 吹雪（不安しかない…） 川内「よし、行くぞ！臨時編成の三水戦、出るよ！」 吹雪（や、やるしかない！） #ad_hoc_fleet_girls

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吹雪「駆逐艦吹雪、出撃しま……！？」 夕立「あっ」 睦月「勢い良く飛び出した吹雪ちゃんが…」 川内「そのまま海に」 夕立「ドボンと沈んだっぽい…」 川内「きゅ、救出作業急げぇ！」 ……。 #ad_hoc_fleet_girls

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__夕刻。鎮守府離れの崖にて 吹雪「……」ずーん （いきなりだったとは言え、初出撃であんな失態を…） （航行すら出来ないなんて…私、艦娘失格だ） （ほんとに上手くやっていけるのかなぁ、私…） #ad_hoc_fleet_girls

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長門「誰かいるのか？」 吹雪「わぁっ！？な、長門提督代理！？どうしてここに…」 長門「いや、少し考え事をしながら歩いていたら君を見かけたものでな。さて、質問に答えて貰おう。ここで何をしていたんだ？」 吹雪「その、私も考え事を…」 #ad_hoc_fleet_girls