ジンダイドジョウのこと

ジンダイドジョウについて論文を調べてまとめました。結論、今はジンダイドジョウの純粋集団はいないらしいけど。いてほしい。
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tekoyu @solaqo

特盛ドジョウ本 日本のドジョウ を読んで、門外漢だけど纏めた。 ジンダイドジョウという、いるかいないかわからないものの正体を知りたかったんだ。初めて国会図書館の複写依頼をした。知的な好奇心をそそられた。 togetter.com/li/1137685

2017-08-07 07:36:50
tekoyu @solaqo

神代(ジンダイ)ドジョウは、三重県阿山郡伊賀町新堂地区の湿田にだけしかみられない珍しいドジョウである。普通のドジョウに比べ、体は細長くて目が鋭く、背面には2条の縦斑と10ヶ程の楕円形(いも形)の斑紋がある。大きいのは30cm前後にもなるといわれる。(武田恵三)

2017-08-06 23:53:54
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウは2010年の論文で、純粋集団は絶滅したと結論付けられている(普通のドジョウとの交雑により、中間種は認められるが)。三重県教育委員会については、2011年に三重県指定天然記念物の指定を解除している。武田恵三によると1971年に三重県指定天然記念物の指定されたようだ

2017-08-07 01:34:56
tekoyu @solaqo

神代ドジョウの名の由来 頭部がいも形をし背中にいも紋(楕円形の斑紋)があるので、昔から「いもドジョウ」といわれていた。明治の初め同地方に疫病がはやった時、このドジョウを煎じて飲んだところ忽ち病気がなおった。このため、これは神が身代わりになって下さったのだということから神代ドジョウ

2017-08-07 00:08:48
tekoyu @solaqo

と名が付いたという。以来同地区では神の使いとして神前にそなえ珍重してきたという。またこのドジョウは脂っこくて非常に美味なので、夏や秋祭の御馳走にもしたという。(武田恵三)

2017-08-07 00:11:03
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウは普通のドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus)に最も近縁なものと考えられ、形態面での類似点も多い。しかし、著しい差異もみられる。 普通ドジョウよりも体全体が大きい 体色は褐色で、普通ドジョウよりも淡い

2017-08-07 00:17:35
tekoyu @solaqo

斑紋は典型的なジンダイドジョウでは背面の両側に黒褐色の斑が頭部後縁より尾部後端まで整然と並び背鰭の基底部から後方ではこの2条の縦斑がややぼやけるという特徴がある。そして頭部後縁より背鰭までの2条の斑紋の間は褐色でそこには楕円形のいわゆるいも形をした濃褐色の斑紋が6~11程みられる

2017-08-07 00:26:32
tekoyu @solaqo

また背鰭から尾鰭までの背中部にはやや堅い肉質の隆起がある。

2017-08-07 00:28:10
tekoyu @solaqo

また、普通のドジョウとジンダイドジョウの中間ドジョウについては 斑紋、体色、体形などが神代ドジョウと普通のドジョウの中間なものである。(中略) 中間ドジョウの斑紋は、典型的なドジョウと神代ドジョウを両端として連続的変異を示すようであった。然し、観察した個体は殆どが小型魚であった

2017-08-07 00:33:39
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウの棲息 鈴木氏調査(1947~1949)194尾 神代57尾(29%) 中間43尾(22%) 普通94尾(49%) 高島氏調査(1954~1954)640尾 神代39尾(6%) 中間191尾(30%) 普通410尾(64%)

2017-08-07 00:42:43
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウの棲息 武田恵三調査(1970?~1978?)80尾程度 神代6尾程度 中間70?尾程度 普通10尾程度

2017-08-07 00:49:16
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウの数が最近になるにつれて減少している。

2017-08-07 00:54:04
tekoyu @solaqo

以上が武田恵三の研究、1978年の論文の概要、そのほかにも様々な考察があるけど割愛。 次は、2006年から2010年の近畿大学の研究、学会概要。 三重県および伊賀市教育委員会の協力によりドジョウを採取し、形態学的・遺伝学的調査研究を行った。

2017-08-07 01:00:50
tekoyu @solaqo

2006年の報告 かつてのジンダイドジョウの生息域近傍で採取されたドジョウ集団からは、背面に楕円の斑紋列を持つ個体が高頻度に出現することが明らかとなっている。

2017-08-07 01:03:01
tekoyu @solaqo

2008年の報告 2005年から3年間にわたり、伊賀市周辺においてドジョウの採集調査を実施し、各標本について斑紋の観察、外部形態形態の計測、脊椎骨数の計測を行ってきた。の結果、ジンダイドジョウの特徴である背面部の点列状の斑紋を持つ個体を高頻度に含み、

2017-08-07 01:12:33
tekoyu @solaqo

2008年の報告(続き) 脊椎骨数においてジンダイドジョウ(49前後)と普通ドジョウ(46前後)の中間的な値をもつ集団が認められ、これらの集団がかつてのジンダイドジョウと生息報告域のみに局在していることが明らかとなった。

2017-08-07 01:12:53
tekoyu @solaqo

2010年の報告 かつてのジンダイドジョウ生息報告地周辺から、ジンダイドジョウの特徴的な斑紋を含み、ジンダイドジョウと平均的なドジョウとの中間的な形態をもつ集団が認められた。しかし、典型的な特徴をもつ個体や大型個体は得られなかった。

2017-08-07 01:26:25
tekoyu @solaqo

2010年の報告(続き1) また、倍数性判定とmDNAおよび核DNA上の複数領域を対象とした遺伝学的解析においても、この地域のドジョウに特異な特徴は得られなかった。

2017-08-07 01:27:45
tekoyu @solaqo

2010年の報告(続き2) 一連の調査結果から、ジンダイドジョウとよばれ、この地域に生息していた特異な形態的特徴を持つ集団は、ドジョウとの交雑によって失われつつあり、純粋な集団はすでに絶滅したと考えられる。

2017-08-07 01:28:07
tekoyu @solaqo

武田恵三の言っている中間ドジョウの形態が年代を経るにつれて多くなり、純粋のジンダイドジョウが2010年の報告ではいなくなったと結論付けられている。 どこかにひょっこりいてほしい。

2017-08-07 01:30:21
tekoyu @solaqo

以下を読んだ。 三重県天然記念物ジンダイドジョウの純粋集団の絶滅 著者:北川忠生 (近畿大 農), 後藤良平 (近畿大 農), 藤本陽介 (近畿大 農), 発行年:2010年

2017-08-06 23:24:40
tekoyu @solaqo

三重県伊賀市のドジョウ集団に残るジンダイドジョウの痕跡 著者:後藤良平 (近畿大 農), 藤本陽介 (近畿大 農), 三河内伸一郎 (近畿大 農), … 発行年:2008年

2017-08-06 23:24:59
tekoyu @solaqo

三重県天然記念物ジンダイドジョウに関する調査研究 著者:後藤良平 (近畿大 農), 藤本陽介 (近畿大 農), 三河内伸一郎 (近畿大 農), … 資料名:日本魚類学会年会講演要旨 巻:39th ページ:35 発行年:2006年

2017-08-06 23:25:23
tekoyu @solaqo

ジンダイドジョウ 著者:武田恵三 資料名:淡水魚(財団法人 淡水魚保護機関紙) 第4号 115-118(巻頭に関連カラー図あり) 発行年:昭和53年 7月31日

2017-08-06 23:30:10