Ｃ92　同人誌『T&Tシティブック：沼と砦の街　シタデル市』の内容紹介

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

それではＣ92のＴ＆Ｔ都市設定資料集の内容紹介はじめるよ。今回は都市名の由来と、なんでこんな設定を思いついたのかというあたりについて書く。#C92 #tntjp

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シタデル市という名称は街の中枢に位置する古い要塞（シタデル）に由来する。この要塞はエルフよりも古い文明によって築かれたもので、八芒星型の星形城塞となっている。#C92 #tntjp

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その特異な形状から、要塞はエルフから“花の城”ドワーフから“八星塞”北方のウルクからは“雪華関”と呼ばれている。なお、地元の住人はシンプルに“城塞（シタデル）”と呼んでいる。#C92 #tntjp

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要塞がなぜこのような奇妙な形状をしているのか、その理由は歴史に埋もれてしまいもはや誰にも分からない。ただ、一部の歴史家は何か呪術的な意味を込めていたのではないかと推察している。#C92 #tntjp

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この古ぼけた城塞を補修・再整備したのが死霊術士のマリオナルシスである。彼はカザン帝国の南伐を阻止するため、自らの居城であるオーバーキル城を中心とした絶対防衛線を構築しており、城塞もその支城として整備したのだ。#C92 #tntjp

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死後100年を経た現在でも、マリオナルシスの名前は畏怖と嫌悪、恐怖をもって語られる。かの者はカザン帝国の南伐を阻止した救国の英雄でもあるが、同時に民間人を大量虐殺した狂える殺人者としても知られている。#C92 #tntjp

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マリオナルシスはカザン帝国の支配者である“死の女王”レロトラーに謁見した際に、その野心がいつか南部諸都市に向かうことを見抜いていた。だが、コースト上層部はガル市の海賊に手を焼く帝国軍を見てその実力を侮り、マリオナルシスの警告を無視してしまう。#C92 #tntjp

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それでもなお、わずかな同志とともに、できる限り南伐への備えを進めてきたマリオナルシスであったが、時間も金も人でも何かもが足りなすぎた。このままでは絶対に勝てないことを確信したマリオナルシスは、もはや尋常な手段ではカザン帝国を阻止できないと考えた。#C92 #tntjp

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祖国を守るため、彼はありとあらゆる手段をとることにした。その結果、どのような悪名を残し、魂が地獄に堕ちることになろうとも覚悟の上で決断だ。#C92 #tntjp

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ガル市の海賊を掃討した帝国軍は、マリオナルシスが危惧していたように南部諸都市への進軍を開始、道中の村々を焼き払いながら南下していく。落ち延びた人々は庇護を求めてぞくぞくと南下し、行く先々で混乱と帝国軍への恐怖をまき散らすことになると計算した上での行動だ。#C92 #tntjp

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大断崖を越えて続々と訪れる難民たちに対し、マリオナルシスはこう語りかけた。「女子供、老人、病人、けが人などの足手まといは一時オーバーキル城で保護し、体力が回復してから追いかけさせよう」と。#C92 #tntjp

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長引く逃避行に疲れ切っていた難民たちには、その意図を考えるだけの余力は無く、この申し出を喜んで受け入れた。その晩、久方ぶりの温かい食事と安全な寝床にありつけた人々は安心して深い眠りに落ち……そのまま目を覚ますことはなかった。#C92 #tntjp

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食事に盛られていた毒薬と寝床に散布された毒ガスによって、難民たちは眠ったまま命を奪われたのである。新鮮な死体は死霊術士であるマリオナルシスによってアンデッド化され、戦力の足りない守備隊に組み込まれていった。#C92 #tntjp

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一方、順調に南下していた帝国軍はオーバーキル城を前にして足を止めていた。オーバーキル城の堅牢さは既に帝国軍にも知られており、力押しをすれば大損害を受けることは必定。かといって無視すれば挟撃を受ける可能性が高いとあって攻めあぐねていたのだ。#C92 #tntjp

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そこで帝国軍総司令のシャング将軍は、搦め手からの攻略を計画した。オーバーキル城は支城と連携をとるため、隠しトンネルを用いた連絡網を整備していた。この隠しトンネルを利用して、城内に暗殺者を送り込もうというのだ。#C92 #tntjp

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結論からいうと、この計画は将軍が意図していた以上にスムーズに成功した。刺客に寝込みを襲われたマリオナルシスは、一戦も交えることなく討ち取られてしまったのだ。#C92 #tntjp

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かくして、あれほどまでの努力と非情を積み重ねて構築したオーバーキル城は、あっけなく陥落した。だが、それすらもマリオナルシスの計算のうちであった……彼は自分の命すら囮に使っていたのだ。#C92 #tntjp

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帝国軍は城内に蓄えられた軍資金を思う存分に略奪し、久方ぶりの安全な寝床で身体を休めた。厄介な難所を無事攻略した安心感と、堅牢な城内に立て籠もれば外敵も恐るるに足らずという慢心から、完全に油断しきっていたのだ。#C92 #tntjp

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その日の夜遅く、城内のあちこちに用意された隠し通路やテレポーターから無数のアンデッドが溢れだし、眠りこけていた帝国兵を次々と虐殺していった。この奇襲から逃れることができたのは、帝国弊でもごく一部にすぎず、シャング将軍を含め大半がなすすべもなく殺害された。#C92 #tntjp

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ごく一部の部隊は包囲網を突破し、どうにか大断崖を越えた先の平原部にまで逃げ延びた。彼らはカザン帝国の同盟者でもある大沼沢のゴブリンたちと合流しようと考えていたが、平原にキャンプを張っていた難民たちに補足されてしまう。#C92 #tntjp

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憎き帝国兵たちが逃げ惑う様を見て、復讐心に燃える難民たちは即席の武器や徒手空拳で襲いかかっていった。だが相手は腐っても正規兵の精鋭部隊。帝国兵は方陣を組んで、難民たちを難なく追い散らしたが、それにより貴重な時間を空費してしまう。#C92 #tntjp

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難民に足止めされている間に、オーバーキル城から追撃してきたアンデッドに追いつかれてしまったのだ。帝国兵も最後の力を振り絞って抵抗したが奮戦むなしく全滅。一方で難民たちもアンデッドの中に見知った顔を見つけ、オーバーキル城内で何があったのかを悟ったのであった。#C92 #tntjp

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

アンデッドたちは追いすがる遺族を振り切ってオーバーキル城へと帰還し、今もなおその地に待機し続けている。マリオナルシスの命令を守って、カザン帝国の逆襲に備えているのではないかと推定されているが、死者たちの真意は明らかにされていない。#C92 #tntjp

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現在のオーバーキル城はアンデッドの巣窟と化している。コースト市は彼らがカザン帝国南伐への抑止力となることを期待し、城内への立ち入りやアンデッドの掃討を禁止した。だが、城内に残された膨大な財宝の噂に惹かれて、侵入する冒険者たちは後を絶たない。#C92 #tntjp