人知で理解しうる形の目的も持たず、人知で理解しうる手段も用いずに何かが為されているホラー

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

ホラーネタを立て続けに読んで、やっぱりロマーノちゃんを始めとする教会と縁の深い面々とか、妖精さんのお友達な眉毛とか、マイ塩持ちの本田さんとか、結構な数のキャラが悪霊退散出来る設定多いよなぁと思って、ハッピーエンドに持ってくならそれが一番妥当だよなぁとも思ったんだけど、

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

その一方で、クトゥルフのような「現在人々が信仰している神や習俗の全く外の存在」が出てきて誰もどうにも出来ない状態になったら物語が混迷を極めてそれはそれで面白いだろうなと思ってしまった（人類滅亡エンドかな？）（ハッピーエンドを目指すゲームではないと言われるあのクトゥルフ感）

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

十字架が何も加護してくれず、盛り塩は無視され、妖精さんの力でも何の干渉も出来ず、かといって物理でも殴れない何かが蠢くホラー　クトゥルフより更に悪く、人知で理解しうる形の目的も持たず、人知で理解しうる手段も用いずに何かが為されているホラー

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

目的や手段は解らないけど結果は解るよ　人の死である　クトゥルフは魔方陣や神殿という人知の理解が及ぶ範囲の概念によって存在するものを破壊すれば取り敢えず助かったりする分まだ優しいかなって……

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

もはやホラーというかパニックだな？　あらゆる対抗手段が試されるが一向に効果無く全滅するまでの人々のパニックを書く感じのアレだな？　やっぱりロマーノちゃんが聖水ぶっかけてお祓いエンドで良いです

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

それはある一人の国の消滅から始まった　目立った敵国はなく国土はきちんと保全され、内政も健全、経済的にも特に困窮していたわけではなく、人口比率もそれなりに綺麗なピラミッド　滅ぶ原因など何一つなかった国が、ある日忽然と消えたのである　それが原因かその国は急に荒廃、実際に滅んだ

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

原因について話し合うため世界会議が開かれるが、多くの国の興亡を見てきた年配の国さえ「国家に先駆けて我達みたいな存在が消えた例なんて聞いたこともねーある」と言うばかり　しかし事実としてあの国は他の国々の前で突如として朽ち果てたのだ　纏まらない会議、その最中に、再び別の国が消える

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

今度も滅ぶ理由など無い国だった　念のため上司らに確認を取るが、やはり急な革命も戦争も起きておらず財政も破綻していないという　だが、これでもはや全員がそれを目撃したのだ　理由もなく突如体を朽ち果てさせ、消える国の姿を　二国目　最初の国が実は破綻した国政を隠していたという線は消えた

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

そしてまた一国、もう一国……　原因解明が急がれ、ある一つのことが判明する　国が消える前には共通した兆候があったのだ　少し濃い影が国にまとわり付き、すると数秒ののちにその国は朽ち果てる　そして、影が消えると共にその国は完全に消滅するのだ　今度はその影に対する対策が考えられ始めた

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

どれほど知恵を尽くしても論理的に説明できる対策は見付からなかった　国々はそれを悪魔や悪霊、悪神、その他それぞれの宗教感や習俗感に合った名で呼ぶようになった　悪魔払いや鬼やらい、悪霊よけ、祟り神への供物進呈など、各国がそれぞれに信じる対策が取られた　しかしいずれも効果は無かった

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

十字架や聖水に効果がないことは比較的早くに判明した　それを信じる国は多かったが、そのうちの一国が聖別された部屋の中で影に取り付かれ消えたからである　カトリック、プロテスタント、正教、いずれの宗派からも犠牲者が出た時点で、同じものを拠り所としていた国々は絶望に見舞われた

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

由来を同じくする他の宗教も、それぞれの流儀による祈りや儀式はいずれも届かないとすぐに知ることになった　多神教の国々は寄り集まって各国のあらゆる魔除けや厄除けを試したが、その甲斐も無かった　無論すでに消えた国々の神や習俗も調べられ頼られたが、成果は無かった

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

人類の考え付いたあらゆる神や習俗がそれに敗北した　今や国々はあの影がいつ自分の元に現れるかを恐れて待つばかりだった　無論、人間達もそれを恐れた　通常考えられていたこととは順序が逆だが、国家の存亡と人の形をした国の存亡には相関が認められるのだから

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

犠牲になる国に垣根は無かった　独立した大国であれ、連合国家や連邦国家の構成国、自治州、一般に国と認められていないミクロネーションや組織でさえ、区別無く影の餌食となった　あらゆる人の形をした国が消え、あらゆる国家が前触れの無い破綻を起こした　影の目的も解らないままに

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

あらゆる国が滅び荒廃する中、最後まで秩序を保ち国家の枠組みを護り通していた国が在った　仲間達が消えたあとも懸命に対策を考え、既に滅んだ国々を復活させることはできないかと調べ続けていた健気な国だった　解答は見付からないままその国も影に取り付かれ、そして全ての国が滅んだ

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

そして地球は国という枠組みが存在しない時代を迎える　混乱の渦中で人類は影の目的など考える暇もなく、既存秩序の崩壊により旧時代の記録が失われる中、次第に全ての人類が影の存在を忘れ去った　人知で理解しうる何ものでもなかった影は、とうとう人知に残りもしなかった ～すっきりしないエンド～

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

っていうバッドエンドパニック作品にしかならないから、やっぱりホラーにはある程度お祓い能力有るチートキャラが必要だわ　四隅に盛り塩してるのに部屋に入ってくるような悪霊もお帰りください

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

まあイメージとしてはクラッカーだった＞影　世界というシステムに無理矢理アクセスして国という国をデリートデリート　消える直前に影がまとわりつくのはselect for updateみたいなもん　そのシステムの中の存在じゃないからそのシステムの中で通用するようなコマンドでは止まらない

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

実際には世界はシステムじゃないし、影もハッカーじゃないけど、イメージとしてはそういう、世界の外側からの干渉って感じ　外側のものに内側の理屈で対抗してもどうにもならない　目的だってそりゃ内側の損得では量れない　そして内側＝我々の世界だから勿論我々には何も理解できないまま終わる

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

まだ見たことないパターンだけど、悪霊系ホラーで、「よし十字架とか聖書効くぞ！」ってなって「じゃあ皆でお祈りしようか」って解決一歩手前まで来た瞬間にカトリックとプロテスタントで宗教戦争する話見たい　何だその十字架はイエスが居ないじゃねぇか！　お前それは偽典だろ！

森谷樹里＠超雑食 @J_M_Tallinn

「てめーこの異教徒め！　焼き討ちにしてやろうか！」「ハァ～？　公会議で認められてますぅ～」「あっ偶像崇拝いけないんだー」「お前聖像もしらねぇのかよ、ダッセー！」「あの公会議は無効になったんです～」「無効って言ったのはお前の宗派だけです～」 悪霊「攻撃して良い？」