「働かない権利」が存在しない中で、「失業率が低い」という日本の奇跡。

経済系の話題、セルフまとめ。ケインズ「自由放任の終焉」も。
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イヌノオー@ @inunohibi

東京新聞:「がん患者は働かなくていい」 受動喫煙議論 自民部会でやじ?:社会(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/nation…

2017-06-04 15:40:04
イヌノオー@ @inunohibi

問題となったヤジは、受動喫煙防止対策の議論中に出てきた。大西英男氏は、たばこ業界の利害を反映していたとされる。もちろん受動喫煙対策は大切だが、今の政府が国民の健康管理を進める流れと、教育勅語を評価する右翼的言動は、偶然の一致だろうか。

2017-06-04 15:38:43
イヌノオー@ @inunohibi

今の日本では、「働く権利」は存在しても、「働かない権利」は事実上存在しない。病人は「働けない」んであって、働かない権利を行使しているわけではない。

2017-06-04 14:41:21
イヌノオー@ @inunohibi

生活保護は、「受けている奴は一日何もしていない」という勝手なイメージや偏見とは別に、たいていケースワーカーによる自立支援とセットだ。そんな中、病人の「働く権利」ばかりが推進されればどうなる?

2017-06-04 14:41:43

昔、途中まで読んでそのままにしていた生田武志「<野宿者襲撃>論」(2005年の本)を再読している。

イヌノオー@ @inunohibi

著者は長年ホームレスの支援活動をしていた人で、「大阪府立大学の研究によれば、餓死や凍死、また治療を受ければ治る病気などによって路上死する野宿者が、大阪市内で2000年に年間213人とされています」(206ページ)

2017-07-01 23:23:47
イヌノオー@ @inunohibi

「この数字はとても控えめな計算で、現実にはもっと多いと考えられるということでした」(207ページ)という引用に続けて、「ぼく自身、この20年近くのあいだに、何度も死者の第一発見者になりました」と語る。

2017-07-01 23:24:15
イヌノオー@ @inunohibi

こういった経験の持つ言葉の重みは、大阪維新の会のような、トップダウン型「改革」論議を問い直す(彼らはどれだけ現状を把握しているのか)。

2017-07-01 23:24:49
イヌノオー@ @inunohibi

ちなみに、国境なき医師団によると、「この大阪の野宿者のデータと海外の難民キャンプのデータを比較して、「日本の野宿者の置かれている医療状況は、難民キャンプのそれのかなり悪い方に相当する」と指摘している」(26ページ。207ページにも。)

2017-07-01 23:25:37
イヌノオー@ @inunohibi

今は人手不足で失業率も下がって、好景気といわれているが、根本的な問題はおそらく変わってないだろう。ヨーロッパ諸国に比べると、日本の失業率は一貫して低い水準で推移して、それは「奇跡」とも言われたらしい。

2017-07-01 23:26:19
イヌノオー@ @inunohibi

しかし、誇れる数字にも暗黒面がないだろうか。私が考えるに、日本の失業率の低さは、一方で「働いて当たり前」という意識を作り出し、失業者を「怠けている」「努力しろ」と見下す空気を作ってきた。

2017-07-01 23:26:46
イヌノオー@ @inunohibi

結果、失業対策(無駄な公共事業であろうと、とにかく仕事は作っている)や就労支援はまぁまぁ充実しているが、今野宿をしている人への福祉が貧弱な社会になったのではないか。

2017-07-01 23:27:22
イヌノオー@ @inunohibi

あ、今になってケインズについて書いたツイートがRTされている。ケインズ「貨幣改革論 若き日の信条」に収録されている中では、「自由放任の終焉」もおすすめである。

2017-07-27 20:39:22
イヌノオー@ @inunohibi

これは、ケインズが自説に基づいて「自由放任は終わりだ」といっているのではなく、経済思想における「自由放任」の由来を、批判的に検討しているもの。

2017-07-27 20:39:46
イヌノオー@ @inunohibi

よく、アダム・スミスは、「個人の欲望に任せて自由に経済活動すれば、後は“神の見えざる手”が働いて上手くいく」といった人だ、とされている。

2017-07-27 20:40:15
イヌノオー@ @inunohibi

しかしケインズによると、アダム・スミスという人は、当時王国政府の規制で非効率な経済市場を念頭に(典型例は東インド会社)、「自由放任」を主張したのであり、そんな雑なことはいってない、とする(たとえば58ページ)。

2017-07-27 20:41:05
イヌノオー@ @inunohibi

だとすれば、広めたのは誰か。啓蒙活動家、政治運動、二流の経済学者の発言…、それらがアダム・スミスやリカードより後の時代になって、ごちゃごちゃに混ぜ合わさり、規制を目の敵にする雑な思想になったらしい・・・。

2017-07-27 20:41:53
イヌノオー@ @inunohibi

(それにしても、「二流の経済学者」という言い切り方が、ケインズらしい。彼は論敵に容赦ないタイプで、ハイエクを「いかにして精神病院入りとなり終わるかを示す希にみる一例」とけなしたこともある。伊東光晴「ケインズ」59ページから孫引き。)

2017-07-27 21:17:02