壺井明氏（Akira Tsuboi　@1876to1945）による、『福島行　「無主物」制作ノート　vol.1』からの部分ツイートまとめ

Akira Tsuboi @1876to1945

続無主物『SPEEDI問題と母乳』部分。3.11鼻血問題。鼻血を出したこども、母親たち。『白地二、赤ク。』の本当の意味を知る母親たち。 pic.twitter.com/EkmsHyzcez

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Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ーけたたましい音を二つの計測器が出すようになり、自分は聞いた。繰り返すが、除染作業終了後の路上、雨天の話だ。”いま値としてはどのぐらいなんですか”元スーパーバイザーは答える。「ーいま、β線が約3000（カウントパーセカンド、毎秒）ってとこですね。3000も超えそうだな。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「α線って言うのは5ミリくらいで測らないとだめなんで。あ、やっぱ3000超えてくる、ほら（計測器の目盛りを自分に示す）。ね」母親が呻くように言った。「ーβだけで3000超え…。」元スーパーバイザーは言った。「でさっき最高で15くらいになりましたよね、α線は。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「で、ここでこれだけ検出されました」”うん”「では空間（線量）ではどうなんでしょう、と」”うん”「ということになるわけですよね。そうですね」”0.2だとかそんなぐらいですか”「いやいや、β線もカウントする。（公は）『β線は飛ばない』て言ってるわけでしょ？」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”『飛ばない』と言っている？”「そうですよ」母親が言葉を付け加える。「『β線は飛んでも50センチくらいだから1メートルで測る空間線量としては要らない』って」元スーパーバイザーが続ける。「『要らない』ですよ。じゃあ、どうですかね。これ。下がりきりますか？」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー彼は立った状態で空間線量計をβ線計測に切り替えて、目盛りを自分に見せる。計測器はカウントしていた。母親が切実な口調で言った。「”飛びます”。」元スーパーバイザーが言葉をかぶせる。「ほらこれ。メータに出てるよ。今日くもりだからよけいよかった」－

Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー自分は元スーパーバイザーに言った。”くもりだといいんですか”「ええ、太陽の光の影響を受ける場合がある。屋外で測定する場合。だから今日はそんなに影響うけないですよ」もしー。もし、テレビでこんな報道がさかんになされていたら、どうなっただろうか。－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い福島県および北関東地方をはじめとする各地に飛散した放射性物質。そこから放出される放射線量を低減する取り組みが現在も進められています。伊達市でもこれまで生活圏や道路、あらたに発見された高い放射線量のある場所についてー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「放射線量が年間積算線量で１mSｖを下回る環境になるよう、取り組みが行われてきました。2015年8月。除染作業が終了した保原地区の通学路。この道の路肩の土を測定する取り組みが行われました。結果はー。α線と呼ばれる高いエネルギーを持つ放射線が計測されました。－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「β線にいたっては、一秒間にどれだけ放射線を観測するかの値、CPSで言うと3000カウントという高い値を計測。その物質が一秒間にどれだけの放射線を発するのか値、ベクレル基準で測定した結果、最高で5万6千ベクレルが計測されました。事故前の東京電力福島第一原子力発電所の内規ではー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー1300ベクレルの環境をＣ区域とし、そこで作業する作業員に酸素ボンベもしくはエアラーマスク着用を義務づけていました。0.27マイクロシーベルト。そんな計測が行われた日の伊達市保原地区の空間線量です。安全とはなにか。私たちの住む場所に、困難が続きますー」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ーNHK地方局のまとめ方だとこんな口調になるだろうか。こんなニュースをテレビで流していたら、現在は過去になってしまっているその時の未来の姿もまた違っていただろう。だがそんな報道はなされなかったのが現実だった。彼は、母親の家の中でこんなことも言っていた。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「『山からセシウムは流出しない』っていうから、わたしこの前南相馬行った時にタイベック着て山にマスクして入って行って写真一枚撮って、『おいこれだよね、』と。崩れてるわけですよ、だあッっと林の中で。それで小川がこう流れた跡があるわけ。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「『おおい、』『この土どこに流れってったんだろね』って写真1枚でブッ潰したわけですよ。彼らは、粘土質の都路村とかああいった”崩れないところ”を実験して、『流れません。』って…」”全部、無理筋なんですね”「そうそうそう。550万もかけて田村でやってるんですから。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「それ写真一枚でブッ潰したんですけど。だから彼らも”いかに”でたらめで、それで生活環境を…。だからわたしはっきり言ってここで通学路、こどもと一緒に通ったもんね？（傍らに座っていた母親に確認する動作で）”どういう”行動をこどもたちはするのかっていうことで知るために、ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「自宅から学校まで、お母さんの許可取って、ここまで何分かかる、ここで何分滞在する、どこを通る、そういったことをやった。で、なんでわたしが％％％ちゃんと付き合うようになったかっつうと、小国小学校だったんですよ。ある議員さんから紹介されて。このインスペクターで測ったのね。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「こういった状態で測ったのね（地面に計測器を近づける動作をした）」”地面につけてやったんですか”「いやなんとなくね…。なんせ”ヘンに”感じた。行った時。そして当てたら、離してやったのね。上がってきてるのわかってんだけど、じゃ実際どのぐらいあるんだろう、って相棒がいましたんで、ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「こう近づけたら562マイクロ（マイクロシーベルト毎時）が出た。」”ヤバいですね”「あの時、相棒がフェイスブックであげたんだね。あれわたしが測ったやつなんですね、それでわたしの名前もあいつは出したんですね（嗤い）」”どうなりました？”ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「””いやあ””（ひときわ大きな声だった）」「ツイッターから何から”すごい”攻撃でしたよ」”それはいつでした？”「12年（2012年の）九月。”いやあ”すごかったですよ」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

描きかけ。続無主物。『speedi問題と母乳』部分。 鼻血を出すこども、母子像。 pic.twitter.com/ZwSWpDW25x

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Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー”攻撃するって、出てるんだからしょうがない”　目の前で、彼の計測器を通じてα線の存在と、そして立位１メートルの高さまでには飛ばない、と公が説明しているβ線の存在（それもかなりの量）を見せられて自分は言った。彼がネット上で攻撃されるようになったのはー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー事故翌年の2012年9月のことで、これも同じ構図だった。彼が事故前まで行っていたノウハウで、放射線量を測る。で、およそ560マイクロシーベルト毎時という結果を得てしまう。目には見えない。においもない。だが、存在している。それを計測したに過ぎない。だが、それを周知させようとー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー電脳空間上に挙げると、その投稿を見て猛烈な攻撃を受けるようになったのだという。存在しないものを存在するというのとは違って、ただ存在するものを存在するということが攻撃の対象になるのだから、これはもう存在しないことにしたい、という願望の歪な先鋭化と言うほかない。－

Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ーこうして過去に自分が聞き取った言葉を書き連ねていると、現在書いているのは2015年のことなどで、たしかに、周回遅れの状態で歩いている感じが強くなってくる。いつのまにかに、忙しくなってしまった。仕事をしながら、絵を描くことを優先しつつ、そこに展示やコンサートへの協力、ー