万能予測機械「コンピューター」の誕生

電子計算機が電子頭脳と呼ばれたのは、そして万能の予測機械の如く扱われるようになったのはいつ頃か? という調べもののまとめ。
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Munechika Nishida @mnishi41

「コンピュータはデータを入れると、それを解釈・分析して正しい答えを与えてくれる」という思い込みは、どう醸成されたのだろう。1940年代から、報道・エンタメをたどっていくとその過程が見えるんじゃなかろうか。(Nスペの錯誤はまさにここだよね)

2017-07-23 15:04:49
川田零三 @kawada0zo

調べる価値アリ。通俗的には神託・予言、占いの代替だろうが、それらが力を無くしてから「(宇宙ロケットが飛ぶ)科学万能の時代」までは間が空き過ぎている印象。1970年前後になってからの「コンピューター乃至電子頭脳の完璧な予測」を覆す話ならすぐに見つかるのだが twitter.com/mnishi41/statu…

2017-07-23 15:34:50

1946年・ENIAC誕生

ロンブローゾ @kawadaXzo

「完璧に予測する機械」であるコンピューターについての下調べ。おなじみ国会図書館サーチでソレっぽい単語を検索対象とし、ソレっぽい資料をピックアップする。元ツイは1940年代から~というがその頃はさすがに文字通りの「電子計算機」だっただろうと まずENIACで検索 #電子頭脳

2017-07-28 16:18:56
ロンブローゾ @kawadaXzo

ENIAC でヒットするのが「英語青年」1946・11。「米英消息 “Eniac”高速度計算機」との記事でおそらく短報。この号の巻頭特集が「悼H.G.ウエルズ」だというのが奇妙な因縁を感じる #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:20:21
ロンブローゾ @kawadaXzo

「米国国防省は「世界最高速」と誇称する新型計算機の製作に成功……理学、工学における一段の進歩が期待され、引いては日常生活に多大な福祉を……この機械は加減乗除はもちろん、平方根の算出やその他数式に基づく計算が出来、而も速度において従来の計算機の千倍の能力を持ち…」云々といった記事

2017-08-12 19:31:32

1950年・電子計算機は頭脳の役割をするか

ロンブローゾ @kawadaXzo

50年代に入ると「時事通信」(1950・6)に「電子計算機は頭脳の役割をするか」との記事。段々とコンピューター万能への期待が高まっている感じ? #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:56:31
ロンブローゾ @kawadaXzo

書き出しがいきなり「「思考する機械」「電子頭脳」「人工頭脳」などといわれるすばらしい高性能の計算機ことが問題となっている」とくる。この時期既に、計算機にして計算機の域を超えたものと捉えられていたのだろう。本文は、開発状況等の基本を解説した上で…↓

2017-08-12 20:53:43
ロンブローゾ @kawadaXzo

↓「電子計算機はなぜ人工脳髄といわれるか」との小題で、脳髄と電子計算機との相似を解説する。記事の締めは「電子計算機はあくまで機械」「蛋白質の高度な発展形態である生きた神経細胞によって行われる思考とはまったく区別されなければならない」という話。この時期既にそうした視点はあったのだ

2017-08-12 20:53:55

1954年・戦争か平和かを算定する電子頭脳

ロンブローゾ @kawadaXzo

ENIACから8年も経たずにもう「戦争か平和かを算定する電子頭脳」なんて記事が世に出ていた。初出は「実業の日本」1954年2月号、同年刊の単行本「第二のアメリカ革命」にも再録された iss.ndl.go.jp/books/R1000000… iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-08-12 21:02:16
ロンブローゾ @kawadaXzo

書き出しでは、電子計算機はどんな難しい計算でも即座に解答を出すものの「選択の判断がどうしてもできなかった」という。ところが、著者がノルウェーの科学者・ストローイレン博士からもらった手紙には「この機械の頭脳には物ごとを選択し、判断する方法を知っている」とあった…というのである↓

2017-08-12 21:09:09
ロンブローゾ @kawadaXzo

それもいきなり「社会問題全般についてはっきりした答を出せるということです」「歴史でも経済でも政治でも、どうなるかという明確な解答を出すことが今ではできるようになったのです」というから驚く。唐突に進歩し過ぎだ! と思うが、ともあれこれが「万能予測機械」コンピュータの最初期といえそう

2017-08-12 21:13:08
ロンブローゾ @kawadaXzo

そして本題、「戦争か平和か」の算定は歴史学者などの協力のもとに集めたデータを6万3千枚のカードにし、平和維持の結合要因16億54万件を電子頭脳で研究。第三次世界大戦(核兵器が使用されるため原子戦争とも)が起きた場合の被害を算出するとともに、その戦争を回避する方法まで答えを出した

2017-08-12 21:27:05
ロンブローゾ @kawadaXzo

被害はまず死亡者数を国別に細かく算出、都市の破壊や経済的な影響も具体的な数字で示す。戦争回避策は、再軍備優先による平和、条約、調整による平和か均衡による平和かといった視点で書いている。正直、今の感覚だと「よくある試算」に過ぎず、戦争か平和かを算定するなんて見出しは大仰過ぎるが ↓

2017-08-12 21:36:37
ロンブローゾ @kawadaXzo

ともあれコンピューターが「計算機」を超えた「予測機械」になったのは、やはりこの頃といえそうだ。ただし「ノルウェーの科学学会の前会長ストローイレン博士」や、電子頭脳の仇名「『判断桶』(ディサイディング・ダン)」などはざっとググった範囲では他に見当たらず、記事自体の信憑性の検証も必要

2017-08-12 21:40:06

1954年・フレドリック・ブラウン「回答」

Zig_mac @Zig_mac

万能予測機械「コンピューター」の誕生 - Togetterまとめ togetter.com/li/1139574 F・ブラウンの「回答」(天使と宇宙船)が54年か・・・。

2017-08-13 00:49:18
川田零三 @kawada0zo

…超コンピュータが完成し、従来のコンピュータでは回答が不可能だった質問がまず最初になされる。「神は存在するか?」…いずれ読んでおこう / フレドリック・ブラウンの「回答」 - 白亜森音楽雑感+ hakuasin.hatenablog.com/entry/2013/09/…

2017-08-18 16:03:38
川田零三 @kawada0zo

「回答」は「星新一の「声の網」との類似点が指摘されている作品」…となるとそっちも当たる必要があるか / 天使と宇宙船 フレドリック・ブラウン著  小西宏訳 創元推理文庫 blog.goo.ne.jp/shirokuma_2007…

2017-08-18 16:06:48

1957年・ロボット時代

ロンブローゾ @kawadaXzo

電子計算機 での検索だと真っ当な本が多いのでワードを 電子頭脳 に変える。「ロボット時代」(1957)には「第3部 機械は人間を駆逐する」との小題があり、電子頭脳もそこで取り上げている #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:57:13
ロンブローゾ @kawadaXzo

これも今回の調べものの主題である「万能予測機械」としてのコンピューターを取り上げている。曰く、「過去に属する情報をひっぱりだすことばかりでなく、将来に関する予測を与えることもできよう」。例として上げているのはまず、日蝕や潮の満ち干や天気予報などの素朴なものだが↓

2017-08-12 19:50:19
ロンブローゾ @kawadaXzo

続いて「さらにまた、差し出された命題を既知の一切のことがらと照らし合わせて、直ちに正否を判定できないものには仮の承認を与え、まちがっている命題には直ちにはねつけるだろう」とくる。「既知の一切のことがら」や「直ちにはねつける」あたりが、コンピューターのイメージとして固まった感がある

2017-08-12 19:54:28