高橋健太郎さんによる「2017年夏の20世紀初頭アメリカ音楽史再訪」

20世紀初頭までのアメリカ音楽史を、「黒人音楽」の文脈の再検討をしつつ考察、彷徨する連続ツイート 目次) 1.イントロダクション(P.1) 2.アメリカン・クラシック強化週間(P.1) 3.ジャズもまたラテン音楽の一種、ブルーズはアメリカの発明品(P.1) 続きを読む
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まとめ 「ロックンロールはラテン音楽の一種である」というテーゼ再考 音楽文.com 第3回入賞・阿部幸大さん「Out of the Pocket――「ネオ・ソウル」再考、あるいは複数化するグルーヴ」批評から始まりT・レックス「マンボ・サン」に到る。 「ジャズもまたラテン音楽の一種」とするtogetter『高橋健太郎による「2017年夏の20世紀初頭アメリカ音楽史再訪」』(https://togetter.com/li/1140179)も参照あれ 5166 pv 29 2 users 8
koji murai(村井康司) @cosey

『あなたの聴き方を変えるジャズ史』は9月16日発売です。その日の3時半から、四谷いーぐるで記念イベント開催! ゲストは高橋健太郎さんと原雅明さんです! 二人の話を聞くためにぜひいらしてくださいね。 d.hatena.ne.jp/eaglegoto/

2017-08-18 17:13:17

1.イントロダクション

kentarotakahashi @kentarotakahash

これ面白い。ギタリストの発想だと、オクターブどれだけ重ねるか、クラスターもオクターブでとか、なかなか考え及ばないところだな。 twitter.com/rootsy/status/…

2017-06-24 14:44:37
ROOTSY @rootsy

続)検索するとずらっと出てくるチュートリアルのうち、僕が好きなのは「Play "Dirty" Chords Like Snarky Puppy and Robert Glasper!!」っていう教則動画。ちょっと背景でふざけてて笑う。bit.ly/2t1goaG

2017-06-23 17:04:13
kentarotakahashi @kentarotakahash

ポップな進行の中に一瞬、ホールトーンスケール挟み込んだりするのは、僕も好きだな。

2017-06-24 14:46:39
kentarotakahashi @kentarotakahash

「メソッドが確立」すると、「黒人の肉体がなくとも奏でられる音楽」になるというのは、繰り返されてきた歴史だよね。ビバップもモードも理論に基づく革新だったから、当初は黒人的な表現として打ち出されたけれど、もはや、そういうものではない。

2017-06-24 14:55:31
kentarotakahashi @kentarotakahash

ただ、ブルーズだけは「黒人的」だというイメージがなかなか剥がれないよね。これはなぜか? これは面白いところだと思う。

2017-06-24 15:00:30
kentarotakahashi @kentarotakahash

そのへん、大和田さんなどはどう扱ってるんだっけ。『アメリカ音楽史』読み返してみよう。

2017-06-24 15:33:56
kentarotakahashi @kentarotakahash

これはヤバイ。目次の全ての項目が僕の興味とカブる。 twitter.com/cosey/status/8…

2017-06-25 00:02:20
kentarotakahashi @kentarotakahash

だよね〜、ジャズ本というよりは完全にアメリカ音楽史本なのではないか。 twitter.com/lovesydbarrett…

2017-06-25 00:04:57
八木皓平🐐🏉 @lovesydbarrett

目次を見るかぎり、JTNCだけじゃなく大和田俊之さんの『アメリカ音楽史~』と(ズレつつ)重なってくるところもあって、そういう意味でも面白そうな本。村井さんの文体が大好きなぼくとしては、読むのがとっても楽しみ!マスト・チェックな一冊になってるんだろうな。早く読みたい~。 twitter.com/cosey/status/8…

2017-06-24 23:32:19
kentarotakahashi @kentarotakahash

ところで、今日、昼間にちらっと書いたことから、大和田さんの『アメリカ音楽史』を再読していたんだけれど、大和田さんも「ジャズを<黒人音楽>として位置づけるのあれば」、ビバップあるいはそれ以上にモードの成立は重要だということを書いている。

2017-06-25 00:20:10
kentarotakahashi @kentarotakahash

でも、ネオ・ソウル風のエレピ・コードを丁寧に解析・説明してもらえば、誰でも使えるようになるのと同じで、ビバップやモードもその語法は学べる。その学習法が確立さえている今では、それらはもはや黒人音楽的な表現とは言えないだろう。

2017-06-25 00:25:29
kentarotakahashi @kentarotakahash

が、不思議なことに、ブルーズだけは黒人音楽的な表現だというイメージがなかなか剥がれない。半世紀以上前から、それを演奏するのは黒人よりも白人のミュージシャンになっているというのに。

2017-06-25 00:28:42
kentarotakahashi @kentarotakahash

そこで、『アメリカ音楽史』のブルーズの章も読み返してみたのだけれど、幾つか気になる点があった。一つは前にも書いたかもしれないが、ハンディの「メンフィス・ブルーズ」についての記述。12小節進行について記述した1914年の文献が紹介されているが、実際には同曲には16小節進行もある。

2017-06-25 00:41:53
kentarotakahashi @kentarotakahash

同曲が12小節形式だけではないこと、16小節形式のパートから歌い出すヴァージョンも多いことは細馬さんが『歌のしくみ』で書いていたと思う。それは「メンフィス・ブルーズ」という曲が、現代の耳ではブルーズっぽく、あるいは黒人っぽく聴こえない理由の一つでもある。

2017-06-25 00:45:34
kentarotakahashi @kentarotakahash

もう一つ、19世紀のバーバーショップ・ハーモニーの即興性が「ブルーノートの結晶化」に繫がったというヴォードヴィル研究家のリン・アボットの説が紹介され、大和田さんはそれに同意する形で、ブルーズは「南部の辺境で隔離された形で発達したのではない」と述べている。

2017-06-25 00:55:02
kentarotakahashi @kentarotakahash

が、19世紀のバーバーショップ・ハーモニーにブルーノートが存在したかというと、僕が知る限り、そんな音源は残っていない。否定的に考えられる音源は多く存在する。ミルス・ブルザーズの例が出てくるが、彼らははるかに時代が下り、ブルーズが大衆化した後のグループなので、この点には関係しない。

2017-06-25 01:00:56
kentarotakahashi @kentarotakahash

2015年3月にツイートしているけれど、南アフリカのムブーベ(レディスミス・ブラック・マンバーゾに代表される)は1890年にアメリカから南アに巡業に行ったオルフェウス・マクドゥー(黒人)のミンストレル・ショーの影響下に生まれている。が、ムブーベにはブルージーな要素はない。

2017-06-25 01:04:33
kentarotakahashi @kentarotakahash

オルフェウス・マクドゥーの在籍したフィスク・ジュビリー・シンガーズの20世紀初頭の音源を聴いても、ブルーノートは聴こえない。というところからしても、その頃までのバーバーショップ・ハーモニーにはジャズ的な即興性はあったとしても、ブルーズの影響は入り込んでいなかったと思われる。

2017-06-25 01:08:05
kentarotakahashi @kentarotakahash

なので、僕はむしろ、ブルーズは「南部の辺境で隔離された形で発達」したと考える。ジャズと同時期に生まれながら、20世紀に入るまでは交差しなかった音楽である、と。ただし、この場合の「ブルーズ」というのは、現代の僕などが聴いてブルージーな感覚を備えていると感じる音楽のことではある。

2017-06-25 01:14:41
kentarotakahashi @kentarotakahash

ハンディの「メンフィス・ブルーズ」などは、現代の僕などが聴いてブルージーに感じる音楽ではない。メロディーにブルーノートは入っていても。それよりは全体の和声感の問題で、ブルージーかどうかは決まる。決め手は下部構造の濁り感だというような話をやはり2015年頃にしたことがある。

2017-06-25 01:20:36
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