MHDエピソードゼロ

MHDのssです。
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gori@創作 @gorryyyyyy

———これは、『ゼロ』に向かう物語。 過去に生き、そして今を生きる者達の、語られぬ綴り。 長い長い、過去の記憶である。

2017-08-13 09:09:25
gori@創作 @gorryyyyyy

エピソード・ファルト そのⅠ

2017-08-13 09:10:57
gori@創作 @gorryyyyyy

満月に照らされ、乱れた白髪が風に揺れる。 ゆっくりと開かれる、碧と山吹色の瞳。

2017-08-13 09:11:49
gori@創作 @gorryyyyyy

何処まで追いかければ、終わりがあるのだろうか。 横たわる黒狼鳥の前で、彼は握った拳を疼く左眼の傷跡へと押し当てた。

2017-08-13 09:15:28
gori@創作 @gorryyyyyy

この男——Faltの醒めない夢は、続いていく。

2017-08-13 09:15:43
gori@創作 @gorryyyyyy

人が捌けた酒場で、モス肉のローストをナイフで刺し、口へと運ぶ。

2017-08-13 09:16:58
gori@創作 @gorryyyyyy

空になったビールジョッキを眺め、腰のポケットからコインを探すが、それはすぐに舌打ちに変わる。

2017-08-13 09:17:45
gori@創作 @gorryyyyyy

コインを全てカウンターに叩きつけるように起き、立ち上がるファルトの横に、ジョッキを持った男が腰掛ける。

2017-08-13 09:18:16
gori@創作 @gorryyyyyy

赤の首当てと腰布に、迅竜の鎧。 背中には使い古された太刀が納まり、煙草の煙が漂う。

2017-08-13 09:18:58
gori@創作 @gorryyyyyy

その男はにやりと笑い、ファルトを見上げる。 「もう帰っちまうのかい?」

2017-08-13 09:19:50
gori@創作 @gorryyyyyy

それがかの男——Nobutunaとの出会いであった。

2017-08-13 09:20:22
gori@創作 @gorryyyyyy

ジョッキをテーブルに置き、酒場の若い女店員が笑う。 「そうだよ!アンタ疲れてるみたいだから、もう少しゆっくりしてきなよ!」

2017-08-13 09:21:10
gori@創作 @gorryyyyyy

白いポニーテールを揺らしながら、キッチンへ戻る女。 にひひ、と手を小さく振る姿に、ファルトは観念した。

2017-08-13 09:21:53
gori@創作 @gorryyyyyy

適当に話を聞き流して飯でも奢ってもらうか。 そう考えている内に、不思議と自分から彼に話し始めていた。

2017-08-13 09:22:28
gori@創作 @gorryyyyyy

ファルトの話にただその男はうん、ほーそうなのか、と相槌を打つのみだが、彼の表情から、仕草から、笑う蒼い瞳からは、人を饒舌にする何かがあったのだ。

2017-08-13 09:23:33
gori@創作 @gorryyyyyy

……結局、ノブツナという男の奢りで明け方まで語らってしまった。

2017-08-13 09:24:03
gori@創作 @gorryyyyyy

全く、不思議な男だ。 何処か悔しいような、複雑な気持ちを孕んで、彼は頭を掻き回した。

2017-08-13 09:25:27
gori@創作 @gorryyyyyy

あ、とファルトは気付く。 このまま帰ったとしても、金が残っていない。 仕方なしにと、彼は自宅ではなく、ハンター集会所へと足を向ける。

2017-08-13 09:26:36
gori@創作 @gorryyyyyy

———どうせ帰っても、また眠れないのだから。

2017-08-13 09:27:05
gori@創作 @gorryyyyyy

MHDエピソードゼロ ファルト編Ⅱ

2017-08-17 18:08:23
gori@創作 @gorryyyyyy

朝から賑わう集会所酒場。ガヤガヤと響く声が頭に響く。 片手で遮るように頭を押さえながら、それを見付けた。

2017-08-17 18:09:17
gori@創作 @gorryyyyyy

白く流れるポニーテールに、紫色の瞳。初心者に支給されるハンター装備に、背中にはハンターボウが担がれていた。

2017-08-17 18:10:15
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