液状化現象についての解説

以前土木技術者をされていた、大貫剛さんの解説をまとめました。
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大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

液状化現象について過剰な恐怖心がでているように見えるので、ここで簡単に解説を試みます。僕は元土木技術者で、埋立地の地盤改良工事を設計したこともあります。

2011-03-21 11:00:52
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

[誤字差し替え]液状化現象とは、一言で言うと水を含んだ地盤が地震によって強度を失う現象です。その原理は、日常的に見ることができます。器に米などを入れて、トントンと揺らすと少しかさが減ります。これは米粒の間の摩擦力が切れて、粒がずれ落ちて隙間が埋まるからです。

2011-03-21 11:06:19
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

隙間が減った分、そこにあった空気は外へ抜けます。もしこの隙間が水で満たされていたらどうでしょう。水は空気より流れにくいので、瞬時には外へ抜けてくれません。すると米粒の間の摩擦が来れているのに、隙間が減らずに浮いている状態になります。これが液状化現象です。

2011-03-21 11:08:55
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

液状化した地盤は、マヨネーズのように強度を失います。地盤の上に直接建っていた建物は、倒れてしまいます。新潟地震では団地や橋梁が倒壊しました。では今回、液状化で倒壊した建物があるでしょうか。報道で聞く限りは、ないように思います。

2011-03-21 11:11:23
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

先ほど言ったように、液状化は隙間がある地盤をトントンしたことで起きます。一度掘り返したり、埋め立てたりした地盤には隙間が多いのですが、それから数十年、数百年経つと自然に少しずつ締まって、隙間が減ります。埋立地も深く掘れば、そういう地盤があります。建物の基礎はそこまで掘るのです。

2011-03-21 11:14:09
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

では、液状化現象自体を防止するにはどうすれば良いでしょうか。それには「水が抜けやすい土」を使えば良いのです。つまり砂です。砂が液状化すると、瞬時に水が上に出て、また固まってしまいます。そのときに砂はちょっと締まるので、泥水を吹き上げながら多少表面が波打ちます。

2011-03-21 11:17:42
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

首都圏湾岸部で起きた液状化のビデオを思い出してください。道路から水が吹き出してはいますが、建物が転倒するような大被害は見られません。これはむしろ、液状化の制御に成功し、地盤の排水を行っている状況と見ることができるのです。

2011-03-21 11:19:23
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

下水管は空洞なので、液状化した地盤では浮力を持ってしまい、道路上に数十cmから1m前後も飛び出してくることがあります。浦安などでも、こういう例は見られません。下水管の埋戻しには砂を使うからです。その代わり、マンホール周囲から水が吹き上げるのが見られます。

2011-03-21 11:21:50
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

完全に液状化を防止するために、土にセメントを混ぜることがあります。この方法は高価なので、橋へつながるスロープや空港の滑走路、地下に大きな下水管や地下鉄を埋める場合など、重要性の高い部分に限られます。

2011-03-21 11:24:30
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

結論としては、適切な対策を施されていれば、液状化現象は「地面から水が吹き出す」以上でも以下でもないということです。見た目は派手ですが、路面が波打って水溜まりができるだけです。水道などのインフラも壊れません。フジテレビの電気も水も地下から供給されていますが、何ともないですよね?

2011-03-21 11:26:58
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

以上、液状化現象についてまとめてみました。ビックリされた方も多いと思いますが、近代的な埋立地では危険はありません。これから埋立地に建設される施設に関しては言わずもがなです。古い埋立地は、順に対策を行っていますが、古くなるとかえって液状化しにくくなることもわかると思います。

2011-03-21 11:29:40
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

水道管の損傷が液状化と誤認された事例もあるようです。時間が経っても止まらないのでわかりますが。 RT @iYohey @ohnuki_tsuyoshi なるほど.動画見てて水が噴き出てくるのはそういうことだったんですね.てっきり水道管の損傷かと思ってました.

2011-03-21 11:30:54
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

どこですかそれ! RT @tomokitakahashi まさにその「浮いた」極端な例がこれか。つ http://twitpic.com/4bcodf メカニズムを聞いて納得。 RT 下水管は空洞なので、液状化した地盤では浮力を持ってしまい、道路上に数十cmから1m前後も飛び出し

2011-03-21 11:32:23
留守 @rurino

@ohnuki_tsuyoshi なお、浦安は水とガスが大分復旧してきました。液状化対策がうまくなされてなければもっとひどい状況な可能性もあったのですね…

2011-03-21 11:41:02
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

戸建は深い基礎を作らないので、心配はあります。特に、原理的に海から遠くても盛土地盤では起き得るので、新興住宅地では適切に施工されたか充分注意すべきと思います。段々になっている丘陵部ではもともと水が抜けやすいのですが、田んぼに盛土した場所などは液状化しやすいです。 RT 一般住宅

2011-03-21 11:41:58
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi

はい、液状化しなくても地盤は伸縮するので、管が引き千切られることもあるのです。 RT @rurino @ohnuki_tsuyoshi なお、浦安は水とガスが大分復旧してきました。液状化対策がうまくなされてなければもっとひどい状況な可能性もあったのですね…

2011-03-21 11:43:31

コメント

留守 @rurino 2011年3月21日
@ohnuki_tsuyoshi 液状化現象についての解説をまとめさせていただきました。問題ございましたらお申し付けください。(平伏)
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留守 @rurino 2011年3月21日
TWを追加しました。
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Hiroshi Yamaguchi @HYamaguchi 2011年3月22日
マンホールが飛び出してるところの写真が出てるけど、あれは下水管が浮いてくるのを防ぐ対策がうまくいかなかった事例、っことでいいのかな?
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故郷求めて @furusatochan 2011年3月22日
埋戻しに山砂や遮断砂を使うというのはそういう理由もあったのかと納得。たしかガソリンスタンドのタンクを埋めた周りは焼き砂で充填しますね。水分抜きでぎっちり詰めるためですね。
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いなんず/編集中 @inanzu 2011年3月22日
いや、実際には下水管が浮上して排水勾配が狂ったせいか下水がつかえない=事実上、上水道も使えないんです@習志野市袖ケ浦
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留守 @rurino 2011年3月22日
なお まとめ人の家も未だ下水道規制かかっております。トイレと風呂と洗濯が待ち遠しいです
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TANAKA Takakiyo @takakiyo 2011年3月22日
「下水管は空洞なので、液状化した地盤では浮力を持ってしまい、道路上に数十cmから1m前後も飛び出してくることがあります。浦安などでも、こういう例は見られません。」いやいやいや。大量に見られます http://d.hatena.ne.jp/ikusayohei/20110312/1299929367
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濱メロン @hamamelon 2011年3月24日
柏崎原発の液状化は避けられたのか 避けられなかったのか 原発の施設の 建設基準は通常の建物と同じなのか という疑問を持った
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青子守歌 @aokomoriuta 2011年3月26日
米粒のあたりは「ん?」と思ってしまいましたが、「マヨネーズのように」というのはいい例えだと思いました。
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雑草スレイヤー@自宅 @gc_cic 2011年3月26日
丘陵地育ちなので、埋立地や大きな河川の氾濫原には自然と身構えてしまうのですが、近代的な埋立地では液状化をコントロールしている訳ですね。
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snagm @snagm 2011年3月29日
そっか、読み直してみたら、古い埋め立て地はトントンが長い間にされてるから液状化しにくいんだね。ちょっとずつ地盤が沈下してるってことかな。
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大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi 2011年4月7日
液状化現象の話に追記。当時はテレビで浦安の酷い液状化をあまり報じていなかったので、実際には起きていたことを知りませんでした。お詫びして訂正します。後日聞いたところによると、埋め立て時期が古い場所で被害が大きかったようです。
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