なんでリビアで多国籍軍が戦ってるの?

2011/3/21
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弓下 嵐 @ran_yumishita

@siva_yuri いつの間にかリビアに多国籍軍が介入してるんですが、これは一体何がおこって、こんなことになっちゃってるんでしょうか?

2011-03-21 08:33:43
芝村裕吏 @siva_yuri

リビアに多国籍軍が介入した経緯、ですか。

2011-03-21 08:34:36
芝村裕吏 @siva_yuri

リビア情勢の変化を知るために、リビアだけでなく、周辺や世界の流れも説明していきましょうか。というのも、日本の地震もそうなんですが、世界は繋がっていて影響をうけあっているのです。

2011-03-21 08:36:20
芝村裕吏 @siva_yuri

まず。リビアに繋がる大切な事。アメリカというか、アメリカを中心とした欧米の錬金術である貧困者層向け住宅債券がはじけました。リーマンショックです。 これで金融界は大変なダメージを受けます。

2011-03-21 08:38:22
芝村裕吏 @siva_yuri

日本はバブルで懲りてたので、積極的な不動産債券には手をだしてませんでした。結果、当時の麻生太郎が世界中から賞賛される金融支援をかけます。 今の震災の裏返しですね。

2011-03-21 08:39:49
芝村裕吏 @siva_yuri

で。このリーマンショックから立ち直る過程で、不景気から脱出するために、お金を増産します。量的金融緩和というものです。 不景気になると、お金をだすのをしぶりますが、お金の量を増やして、使う奴がばんばん使うと好景気になるという理屈です。

2011-03-21 08:41:42
芝村裕吏 @siva_yuri

量的金融緩和を速攻で一気にすすめたのは、日本のデフレスパイラル例から学習して、同じ轍をふまないためです。

2011-03-21 08:43:17
芝村裕吏 @siva_yuri

で。これはこれでそれなりの効果をあげ、失われた20年を3年ぐらいに短縮出来るかと思われたのですが・・・・。 思わぬところで爆発しました。 株式以外の市場価格への影響です。

2011-03-21 08:44:54
芝村裕吏 @siva_yuri

お金を増産するとインフレになる。 よく知られる論理です。お金の価値が相対的に下がるんですね。 で、これが食料価格に影響しはじめた。 先物取引と言う奴ですね。

2011-03-21 08:47:53
芝村裕吏 @siva_yuri

もちろん、需要(値上り)がそもそも増える理由が背景にあります。例えば中国は近いうちに食料輸出国から輸入国に転落するとされ、ブラジルを含む新興国でも食料需要は増え、同時に、小麦の不作などが起きました。

2011-03-21 08:50:01
芝村裕吏 @siva_yuri

ただまあ。実体としての食料の消費や動きを上回る形で、価格がつり上がっていきました。 で、この価格つり上げで一番最初に(こりゃたまらんと)音を上げたのが・・・ 貧しい国の貧しい民です。

2011-03-21 08:52:31
芝村裕吏 @siva_yuri

最初に火を吹いたのはその中でも政治的安定がゆるんでいたチュニジアです。 続いてエジプトです。 どちらも背景には食料、中でも小麦価格の高騰があり、それに伴う食料配給の中止や規模縮小があります。

2011-03-21 08:54:14
芝村裕吏 @siva_yuri

要するに、北アフリカ沿岸諸国とそれに連なる国が、連鎖的に政情不安になったんですね。 少し話題がそれますが、日本から見ると政治が随分安定して好景気な中国が異様に警戒してるのは、この食い物の価格推移を中国が重視してる裏返しとも言えます。

2011-03-21 08:56:38
芝村裕吏 @siva_yuri

さて、ようやくリビアです。 北アフリカや中東では独裁政権が多いのですが、リビアも長年カダフィ大佐(自称)の元で独裁が行われていました。で。ここでお隣チュニジアから革命が輸出されてきます。隣で成功したならこっちでも。でもいいかもしれません。

2011-03-21 08:59:11
芝村裕吏 @siva_yuri

リビアは長年の独裁に嫌気がさしていたこともあり、一気に反乱が大きくなりますが、リビアというかカダフィはこれにかなり善戦し、鎮圧をすすめます。 一時期は自身の退任や国外脱出の取引までもちかけるほどおいつめられたのですが、これが拒否されると腹をくくって本気で戦争したのです。

2011-03-21 09:01:23
芝村裕吏 @siva_yuri

通常、自国民に自国の軍隊が銃を向け出すと、軍隊の士気が先に崩壊するものです。これはロシアの例(エリチィン)に限らず、ここ四半世紀では大量に見受けられる事項です。 実際、リビア以外もこのケースで国軍離反で終ってたのですが・・・

2011-03-21 09:03:57
芝村裕吏 @siva_yuri

リビアの場合は、これが少し変わってました。 カダフィは最初から政府軍を信用して居らず、お金をほとんどかけていませんでした。 代わりに私兵を育てていました。中央アフリカのもっと貧しい国の傭兵を中心としたものと、自身のシンパからなる民兵です。

2011-03-21 09:07:00
芝村裕吏 @siva_yuri

で。押し返すカダフィの軍勢ですが、このとき空軍力がものをいいました。カダフィは反政府軍の拠点を空爆で攻め、で。ここが重要なのですが、自国の石油施設を攻撃し始めます。反政府側のですね。

2011-03-21 09:09:07
芝村裕吏 @siva_yuri

で。第二の首都というか、もともとの首都だったベンガジに戦車部隊が近づき、ここを落とされると反政府勢力の象徴が落ちるというところで、国連決議にのっとって多国籍軍がまずは制空権をとり、ピンポイントでベンガジに向かう戦闘車両(特に戦車)を狙い撃ちました。

2011-03-21 09:11:36
芝村裕吏 @siva_yuri

純粋な軍事的動向で言えば、このタイミングはぎりぎりでした。 古来陸戦は泥仕合といいますが、これはリビアも同じ。出来れば上陸作戦や陸上部隊の運用はしたくない。 ということで、ボスニアの例に戻って空爆だけで片をつけるなら、今しかないか、少し遅いタイミングでした。

2011-03-21 09:14:35
芝村裕吏 @siva_yuri

では、なんで反政府勢力の方に力を貸したかというと、建前はさておき、実際の話で行けば、石油価格のこれ以上のつり上げを嫌って政治的安定を得るための出資をしたというのが、一番適当だと思います。

2011-03-21 09:16:50
芝村裕吏 @siva_yuri

最初に、金融緩和にともなう先物取引の話をしました。食料だけがあがっていたわけでは、ありません。後をおうように燃料価格も増大を開始していました。そこにきて、世界の原子力発電に痛撃です。まあ、つまり日本の福島第一原発事故です。

2011-03-21 09:18:28
芝村裕吏 @siva_yuri

福島第一原発より小さい事故でしたが、アメリカのスリーマイル島事故以降、アメリカは原発をつくれていませんでした。 で、ここにきて日本がこの調子だと石油資源などを発電のために大量に買い進めるのは必至と判断される状況でした。

2011-03-21 09:20:20
芝村裕吏 @siva_yuri

以上。解説終わり。 部分を切り取っても間違えた理解される可能性が高かったので、きちんと説明しました。日本がリビアに及ぼした影響も。ですね。

2011-03-21 09:26:25